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日本人として日々の暮らしの中で思うこと、知りたかったこと

中国の裏切りの歴史を忘れ「民主主義の理念」よりも自社の利益追求を最優先にする日本企業は「エコノミックアニマル」の姿そのもの(米News Week)

2020-11-22 13:02:21 | トピックス
米国大統領選挙が混迷する中、トランプ大統領によって「投資禁止の中国軍関連企業を4社追加へ」(注)というニュースが伝わる中で、日本はこれと真逆の動きが相変わらずある。


長年の間、日本の産業技術が軍用目的に使われること監視する一方で、中国にはそれが軍事産業に使用される可能性があろうがなかろうが、技術移転を平気で行っている「中国外千」のメンバーの会員までいるという日本学術会議と日本企業とが同じ立場であるということなのか?


(トヨタの例)長期利輸送に適したFCV技術の移転
■史上最高利益を中国市場で出したトヨタ自動車
2020年6月、トヨタは中国大手自動車など5社と燃料電池を開発する合弁会社を設立すると、2020年の同社が開発した燃料電池車(FCV)のシステム2022年をめどに、北京汽車集団などの自動車メーカーが開発するトラックやバスに提供していくと発表していた。


「新エネルギー車へのシフトを進める中国政府はトヨタが持つFCV技術への関心を強めており、共同開発をてこにFCVの普及に向け弾みをつける」と。


「半導体」がそうであったように「中国有限公司」なる事実上共産党配下の組織と「共同開発」を通して、トヨタはFCVの技術を中国に抜き取られ、数年後には中国単独の自動車メーカーに中国市場、あるいは世界市場を奪われていくという可能性については全く心配していないようだ。

 
トヨタは6社連合での新会社は20年内に設立(トヨタが65%を出資、清華大学系の北京億華通科技、中国自動車大手の北京汽車集団、中国第一汽車集団、東風汽車集団、広州汽車集団の5社が参画し、それぞれ5~15%を出資)と発表している。


総投資額は資本金を含め6社合計で約50億円。北京市内に研究拠点を設けるのだそうだ。


中国の19年のFCVの販売台数は約2700台で新車販売全体の0.01%。ただ中国政府は35年をメドに商業ベースでのFCVの普及を実現する目標を掲げているのだとか。


FCVは水素と空気中の酸素を反応させて電気を発生させる「究極のエコカー」とされ、トヨタは乗用車では14年に世界初の量産FCV「ミライ」を発売し、トラックでは日野自動車との共同開発を進めているそうだ。


「英調査会社IHSマークイットによると「30年のFCVの年間生産台数は約10万台と、18年比で20倍強になる見込み」EVの約1300万台との差は大きいものの、FCVは長距離輸送に適しており、同じ経路を往復するためインフラ整備が少ない段階でも使いすいバスやトラックなど商用車から普及が期待されている」のだとか。


何故、トヨタは65%も出資する研究所を日本ではなく中国につくるのだろうか。国内に共同出資者を募って、中国市場ではなく、世界市場を目指す研究を「日の丸合弁企業」で目指さなければ、いずれは中国によって、多くの源泉技術を奪わた後に「共同事業終了」→「用済み」となることは目に見えているのに。

(日立の例)
昨年もこんなニュースがあった。

2019年3月「中国の裏切りの歴史を忘れて」李克強首相の手を握り締めてお辞儀する姿が「エコノミックアニマル」そのものだと米ニューズウィークに報じられた中西宏明経団連会長

「News Week」の記事をそのままご紹介
円借款も天皇訪中も報われなかった日中友好40年――人民元を熱愛する財界は冷静な対中感情を無視するのかと、指摘。 米国への「裏切り」だとまで書かれている。

「安倍首相はもっと戦略的な話を中国政府とするだろう」と夢を抱く人々もいるはずだ。ウイグル人を弾圧し、100万人規模で「再教育センター」と称する強制収容所に送り込むなどの蛮行を中止するよう人権外交を進めてほしい、と願う人も大勢いる。

実際はどちらも期待薄だ。日本の経済界を代表する経団連は親中派で固まっており、銀座で金を落としてもらうだけでは満足しない。9月12日、中西宏明会長率いる経団連と日中経済協会、日本商工会議所の合同訪中団は、中国の首都北京で李克強(リー・コーチアン)首相と会談。自由貿易の堅持が必要との認識で一致したという。

会談の冒頭、深々と頭を下げる日本の財界人と無表情の李首相との会見の様子は皇帝に謁見する前近代的な「朝貢使節」のようだった。それにも懲りず、10月10日にも中西会長は福田康夫元首相と北京を再訪して李首相と会談した。

経団連と日中経済協会は中国が推進する「一帯一路」巨大経済圏構想に乗って、ユーラシアからアフリカまで世界を席巻しようとの空論を信じているのだろうか。

経営者たちはいまだに、欧米から「エコノミック・アニマル」と揶揄された頃の野心に突き動かされているかのようだ。

今回の安倍訪中も財界に突き動かされた感じは否めない。日本が第二次大戦後に構築してきた民主主義の理念を独裁国家に伝授することなく、ひたすら金儲けの話に終始しそうだ。

スリランカやキルギス、パキスタン、ラオス、ジブチなど、中国マネーの「債務の罠」に陥りつつある国に対し、日本の経団連傘下の企業はどんなほほ笑みを見せるのだろうか。

経団連は中国による裏切りの歴史を忘れている。日中平和友好条約が締結されて40年。その間に低金利の円借款は実質上の戦後賠償として、中国の近代化を支えてきた。だが中国人は「自力更生」と信じ込んでいる。



■日米の分断を狙う習政権
そもそも習近平が主導する一帯一路は世界各地で拒否されるようになっており、日本は中国のジュニアパートナーとして道連れにされるだろう。中国は、日本が今まで築き上げてきた信用を利用して、「日中合作」という仮面をかぶって中国のプロジェクトを展開したいだけだ。


引用元:News Week 2018年10月25日付


ところで、当の中西会長はどのようなお考えなのかといえば・・
■2019年のWSJのインタビューで中西宏明経団連会長(日立製作所会長)は「中国は敵ではない」と語った。


WSJのインタビューで、中国について「敵に回したりしては日本は存在し得ない。米国の場合はそれはできるかもしれないけど、日本はそうはいかない」と語ったそうだ。

昨年、日立は中国のグループ会社5社を統合、中国でのSI(システム構築)事業を強化したと報じられている。


2019年4月以降、(1)日立解決方案(中国)有限公司、(2)北京日立北工大信息系統有限公司、(3)日立系統(広州)有限公司、(4)日立咨詢(中国)有限公司、(5)日立咨詢信息技术(広州)有限公司、の5社の事業を、(1)の日立解決方案(中国)有限公司に統合すると発表。

2018年の報道によれば、日立製作所の中国事業は1兆円超の売上収益を誇るそうなのだが「シェアバイク(注)やキャッシュレスは中国社会のほんの一面にすぎない」と日立グループの中国総代表を務める小久保憲一・執行役専務と、産業・流通分野のデジタルソリューション事業を統括する阿部淳・執行役常務がインタビューの中で以下のようなことを自慢げに語っている


「日立製作所の中国ビジネスと、日本のITベンダーが中国市場で求められる役割 」というインタビューの中で滔滔と「中国にとって役に立つ会社であること」が、中国でのビジネス展開においては重要だ」と語り、「日本の企業が自社の製品やサービスを中国に持ち込んでも、簡単には成功しない」のだそうだ。

5年先、10年先にこのような「中国にとって役立つ会社」で、自社の売り上げさえ上がればよいという拝金主義的企業エゴイズムが果たして日本人として正しい選択であったかどうかわかるだろう。


「有限公司」とはあるもののこれらは全て中国共産党配下の国営企業。軍事技術に移転する可能性すらあるのではないだろうか。


日本が高度経済成長期で成長していた頃は子供が多く生産人口や国内に安定した内需があって、日本経済にとって中国は必要なかったのだ。


今のような産業構造に変えたのは経済界だし、変わっていったことで日本国民は一部貧困化し、決して国全体の幸福に寄与してきたとはいえないのだ。


結局、この40年間、経団連が失敗から何も学ばなかった。日本は一人当たりのGDPがOECD加盟国中の2位から25位まで転落し、6人に一人の子供や女性が貧困化しているというのに・・


戦略なき「親中」がこのありさま。


引用元:


引用元:




失われた20年でここまで凋落したのも、親中派の経済界の国家観のなさと、経済の成長によって中国が民主化するという幻想を抱いてしまったため。中国に技術を与えて富かにしたところで、建国理念であった「抗日」中共の「反日」姿勢は永遠であり、民主化は決して起こらず、日本経済はますます中国依存が深まり、日本の産業構造が空洞化していくだけなのに。




(注)米国国防総省が22日からの週にも発表する可能性なのだそうで、
同省は今年、中国の国有通信大手、中国電信(チャイナテレコム)や中国移動(チャイナモバイル)、監視カメラ大手の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)など31社を、中国軍の支援を受ける企業に指定した。4社が追加されれば計35社となる。

国防総省は1999年の法律で、中国軍が所有または支配する中国企業のリスト作成を義務付けられたが、実際には今年になって作成したそうだ。

トランプ政権は今月、これら中国企業への投資を禁止する大統領令を発表。リストに実効性を持たせる措置を講じた、など。

引用元:11月22日付のロイター記事


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2 コメント

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FCVの行方 (泉城)
2020-11-26 22:47:31
こんばんは、kamakuraboyさん

深刻な経営不振に陥っているチャイナの国有自動車メーカー、華晨汽車集団の破産手続きが開始されましたね。
BMWやルノーとの合弁事業の収益で華晨ブランドの赤字分を補填してなんとか経営していたのでしょう。BMWなどとの合併事業には影響しないといいますが、破産したら影響するのは必至です。

トヨタが中国5社と設立したFCVの研究開発会社について、FCVのノウハウはトヨタの技術ですから、おっしゃるようにこの会社での研究開発によりトヨタの技術が搾取されてトヨタは捨てられるのが目に見えるようです。そして多くの日本の関係会社を傘下に持つトヨタが市場を奪われて傾くと、もう日本の経済はガタガタになってしまいます。
トヨタは将来展望にどんな自信があるのでしょうか。
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こんばんは (kamakuraboy)
2020-11-26 23:49:00
>泉城さん、コメントをありがとうございます。日立のトヨタも懲りませんね。中国に虎の子の技術をさんざん盗まれたあとに、世界シェアを横取りされ、ポイ捨てされることが判っているのに。

日本政府の中国からの国内回帰推進という方向性とも逆行していますね。

目先の利益にとらわれているのか、中国の巨大なCO2排出量を少しでも削減してあげたいという、崇高な意図なのでしょうか。
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