
久しぶりにラッパ屋の公演を見に紀伊國屋ホールへ行って参りました。
舞台は通称ポンコツ大学(正式名称日本駒込通商大学、ついたあだ名がポンコツ大学)。今日は創設90周年記念セレモニーの日。どこでもそうだろうけれど、少子化などの影響で経営が厳しいこの大学では、寄付金を募ろうと、セレモニーに大々的にOBOGを集めたという背景で芝居は始まります。
ポンコツ大学探検部にもOBOGがやってきます。30代この大学の非常勤講師や助教、それになぜかまだ現役の学生、40代の人生迷ってる男女3人、いろいろさまざまな十人十色の悩みを抱えた50代の感情移入できそうな面々。そしてこれらのOBOGと向き合わざるをえない学部生である現役部員。
もう設定からして面倒くさいことになりそうな予感ぷんぷん。
案の定いろいろ面倒くさいことになって怒ったり泣いたり、過去が暴かれたり、逃げていた過去につかまったり、そして紋切型でない上下の世代間格差に納得したり。ここで何より大切なのは、薄っぺらい紋切型ではなく、お互いの世代が相互主観的に自分を見つめなおす視点を持つこと。ここに作者の頭のよさを感じる。
とはいえ、そんなにしゃちほこばった芝居ではない。笑って泣いて、そしてなんだかもうちょっとやっていけるんじゃないかって芝居小屋のドアをくぐる時にそんな風に思える。年を取るにつれ、自分の肉体を含めた、いろんなことの有限性を意識する我々の世代にぜひ見て欲しいお芝居でありました。