毎日が観光

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夜の高尾山

2017年03月01日 22時53分05秒 | 観光
 高尾山に登ってきました。え? なにをいまさら高尾山? そうなんです、なにをいまさら高尾山なんです。
 きっかけは去年行った甲武信ヶ岳。甲州、武州、信州にまたがり、笛吹川、荒川、千曲川の源流となる威風堂々たる山。とくちゃん新道を登り甲武信小屋で一泊。夜中トイレに起きたついでに外に出て感じる山の夜の深くも豊かな闇。それは普段街で暮らすぼくには到底手に入れることのできない暗さでした。その一方でこの暗さは根源的な恐怖とも一体で、魅惑と恐怖とがないまぜになった不思議な感情が足元からせり上がってくる気がしたのです。文明とそれ以外とが背中を接している場所。それが山小屋の外で感じた山の中の暗闇でした。
 いきなり初めての甲武信ヶ岳でその闇を探索するのもためらわれ(なにしろ時間は午前2時くらいだったし)、いつか手近な夜の山へ行こうとその時考えたのでした。
 それで高尾山に登ってきました。夕方高尾山口を出発し、日没と同時くらいに山頂着。こんな時間にほかに人なんかいないだろうと思ったら、豈図らんや、お鍋を囲む人、日没の写真を撮りに来た人、別段何をしにというわけでもないけれどぶらぶらいる人など、結構な人がいたのに驚きでした。


 山頂で迎えた日没時の美しさはなんとも言えません。この時間に山頂にいるという経験があまりないので(いや、初めてかも)、ほんと新鮮でした。


 そして太陽は完全に沈み、夜がやってきます(ジェットストリーム風に言うと「夜がそのとばりを下ろす時」。あ、今の人は昔FM東京でやっていたジェットストリームという番組そのものを知らないか)。見下ろす夜景はジェットストリーム(だから知らないって)。


 完全な夜の中、山をおります。身体全身の知覚レヴェルが少し上向きになるような気がします。ああ、これはいろいろとリフレッシュできる。そんな風に思いました。暗闇の中、足元を照らすヘッドランプの灯りで山をおりるとき、街で暮らしているときとは別の知覚が生れ、別の時間が身体の中を流れていきます。それによっていつもの日常が刷新され、リフレッシュできた感じに満たされるのです。
 危なくない程度に夜の山をたしなむのも、ときに行き詰まる日常の更新にいいかもしれませんよ。

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