久しぶりの晴れた土曜日。
歯を磨きながら、ふと、思った、そうだ、秩父に行こう。
秩父、という場所がとてもお気に入りなのだ。自転車では今までに2度行ったことがある。両方とも荒川サイクリングロード、入間川サイクリングロードを使って、最初は正丸トンネルを抜け、次は正丸峠を越えて。
今度は全然別のルート、荒川つかず離れず、きっとこの距離感が今の二人にはちょうどいいのよコース。要するに入間川へ回らず、荒川を熊谷から寄居町や長瀞などを経由して秩父に至る、と。
実は以前一度試してみたことがある。途中鹿島古墳群や深谷の白鳥飛来地(ちょうど白鳥が来た去年の冬)などを経由して秩父へ行こうと企て、まんまと道に迷ったのであった。
前回の失敗は県道、国道などの主要道路を使わず、ひなびた道をのんびり行こうとしたわたくしの甘さによる。鹿島古墳群と白鳥はなんとかなったものの(この2つは隣接しているのだ)、結局自分の居場所すらわからず、友人に電話をして、パソコンの地図で調べてもらい、男衾で挫折したのだった。スマン。
そこで、今回は、県道・国道を走り、前回途中寄ろうと思っていた、寄居町の鉢形城記念館や黒谷の和同開珎遺跡などを拾い、自転車に乗った歴史の訪問者となりつつ、秩父路探索へ。歴史ロマンの目撃者、チャリに乗った大変小粒な司馬遼太郎を目指して出発である。
荒川を40kmほど遡るときれいな麦畑があった。ちょっと前に来たときは青々としていたのに、もう収穫っぽい色をしている。ゴッホ晩年の作品に「烏のいる麦畑」という絵があるが、ここには、そんな不吉なものすごさは、残念ながらない。もっと散文的にほのぼのと景観がひろがっているだけだ。でも、自転車を停めて深呼吸するに値する景色ではあった。
今回はわかりやすい県道・国道中心に走るばかりでなく、埼玉県の地図まで持ってきたのだ。それなのに、迷う。不思議だ。オレは埼玉県を走り抜ける大きな疑問符なのだ、とランボーを気取ってみても始まらない。えっちらおっちら坂を登っていたら、城っぽい建物があったのだが、中学校だった。で、引き換えして次の交差点を曲がって行ったら、ありました。すごく立派な施設。さっきの中学校もすごい建物だったが、寄居町って金持ち自治体なんだな。石油でも湧いてんのか。
考えてみれば鉢形城は城としてはすでになく、あるのは、曲輪の跡とこの記念館。わざわざ行くところではないな、きっと。展示は、したがって映像中心なのだが、なくなってしまったものを再現するには、CGを含め、映像は効果的だろう。馬鹿みたいに予算があれば、建てちゃってもいいかもしれないが。撮影禁止なので内部の写真はなし。近くに行ったら行ってみてもいいかな、と。
近所に川の博物館があるが、あっちは、わざわざ行っても面白い施設だった。
寄居町を出て国道140号線に。この道は大変おっかない。道路が狭く、自転車が走る余地がない上に、大型トラックがひっきりなしに通る。後ろから轟音が迫ってくるとなんともいやな気持になる。いたたまれなくなって、波久礼で荒川左岸の国道から右岸の県道へ避難。ところが、右岸と左岸とで高低がまったく異なるのだ。波久礼を起点に県道はどんどん登る。てっぺんまで登ると、遥か下方に左岸の町並みが見える。どっちがよかったのか悪かったのか。ラーメンを食べたばかりの上り坂はきついのであった。
長瀞で、ああ、やっぱりおれの荒川は美しい、などと感嘆しつつ、ようやく黒谷へ。秩父鉄道の黒谷駅は今年の4月に和銅黒谷駅に名前を変えた。なんでも和銅奉献からちょうど1300年なんだそうだ。
ここから自然銅が発見され、朝廷に献上。喜んだ朝廷は元号を和銅に変え、この地に神社を造った、と。これがその聖神社(もとは近くの別の場所にあったらしい)。白い雉が見つかったら白雉だし、銅が見つかれば和銅と変える瑞祥好きの朝廷が、なぜ銅鐸が発見されたときは黙殺したのか、などと考えてみるフリをしたりする。いや、ほら、なにしろ、今日のテーマは歴史ロマンの目撃者っすから。
露天掘り跡。
わかんないって。何がなんだか。ちょっと、くぼんでるだけだから。
それにしても、自転車用のジャージとレーパンをはいてるぼくの姿は浮きまくり。みんな登山やハイキングみたいな、少なくとも長袖、長ズボン。そんなところに、半袖、膝上のレーパン。露出魔みたいだ。
誰も来ないよ、こんなジミなとこ。って思ったら、家族連れ、友人同士のグループ、いわんやガイドさんに連れられた団体さんたちまでいる。和銅ブームとみたね。来るね、和銅。もう、そこまで来てるね。
だが、そんな大勢の人が来ると非常に居心地が悪かったりする。
黒谷から西武秩父まではほんのひとこぎ、10km足らず。秩父の道案内の道標。なかなか可愛い。
なんだか寄ったとこは、ちょこっとしょぼくてイマイチな感じのサイクリングだったので、次回はもうちょっと企画を練って出かけたいものである。それにしても早く梅雨明けしないかな。
歯を磨きながら、ふと、思った、そうだ、秩父に行こう。
秩父、という場所がとてもお気に入りなのだ。自転車では今までに2度行ったことがある。両方とも荒川サイクリングロード、入間川サイクリングロードを使って、最初は正丸トンネルを抜け、次は正丸峠を越えて。
今度は全然別のルート、荒川つかず離れず、きっとこの距離感が今の二人にはちょうどいいのよコース。要するに入間川へ回らず、荒川を熊谷から寄居町や長瀞などを経由して秩父に至る、と。
実は以前一度試してみたことがある。途中鹿島古墳群や深谷の白鳥飛来地(ちょうど白鳥が来た去年の冬)などを経由して秩父へ行こうと企て、まんまと道に迷ったのであった。
前回の失敗は県道、国道などの主要道路を使わず、ひなびた道をのんびり行こうとしたわたくしの甘さによる。鹿島古墳群と白鳥はなんとかなったものの(この2つは隣接しているのだ)、結局自分の居場所すらわからず、友人に電話をして、パソコンの地図で調べてもらい、男衾で挫折したのだった。スマン。
そこで、今回は、県道・国道を走り、前回途中寄ろうと思っていた、寄居町の鉢形城記念館や黒谷の和同開珎遺跡などを拾い、自転車に乗った歴史の訪問者となりつつ、秩父路探索へ。歴史ロマンの目撃者、チャリに乗った大変小粒な司馬遼太郎を目指して出発である。
荒川を40kmほど遡るときれいな麦畑があった。ちょっと前に来たときは青々としていたのに、もう収穫っぽい色をしている。ゴッホ晩年の作品に「烏のいる麦畑」という絵があるが、ここには、そんな不吉なものすごさは、残念ながらない。もっと散文的にほのぼのと景観がひろがっているだけだ。でも、自転車を停めて深呼吸するに値する景色ではあった。
今回はわかりやすい県道・国道中心に走るばかりでなく、埼玉県の地図まで持ってきたのだ。それなのに、迷う。不思議だ。オレは埼玉県を走り抜ける大きな疑問符なのだ、とランボーを気取ってみても始まらない。えっちらおっちら坂を登っていたら、城っぽい建物があったのだが、中学校だった。で、引き換えして次の交差点を曲がって行ったら、ありました。すごく立派な施設。さっきの中学校もすごい建物だったが、寄居町って金持ち自治体なんだな。石油でも湧いてんのか。
考えてみれば鉢形城は城としてはすでになく、あるのは、曲輪の跡とこの記念館。わざわざ行くところではないな、きっと。展示は、したがって映像中心なのだが、なくなってしまったものを再現するには、CGを含め、映像は効果的だろう。馬鹿みたいに予算があれば、建てちゃってもいいかもしれないが。撮影禁止なので内部の写真はなし。近くに行ったら行ってみてもいいかな、と。
近所に川の博物館があるが、あっちは、わざわざ行っても面白い施設だった。
寄居町を出て国道140号線に。この道は大変おっかない。道路が狭く、自転車が走る余地がない上に、大型トラックがひっきりなしに通る。後ろから轟音が迫ってくるとなんともいやな気持になる。いたたまれなくなって、波久礼で荒川左岸の国道から右岸の県道へ避難。ところが、右岸と左岸とで高低がまったく異なるのだ。波久礼を起点に県道はどんどん登る。てっぺんまで登ると、遥か下方に左岸の町並みが見える。どっちがよかったのか悪かったのか。ラーメンを食べたばかりの上り坂はきついのであった。
長瀞で、ああ、やっぱりおれの荒川は美しい、などと感嘆しつつ、ようやく黒谷へ。秩父鉄道の黒谷駅は今年の4月に和銅黒谷駅に名前を変えた。なんでも和銅奉献からちょうど1300年なんだそうだ。
ここから自然銅が発見され、朝廷に献上。喜んだ朝廷は元号を和銅に変え、この地に神社を造った、と。これがその聖神社(もとは近くの別の場所にあったらしい)。白い雉が見つかったら白雉だし、銅が見つかれば和銅と変える瑞祥好きの朝廷が、なぜ銅鐸が発見されたときは黙殺したのか、などと考えてみるフリをしたりする。いや、ほら、なにしろ、今日のテーマは歴史ロマンの目撃者っすから。
露天掘り跡。
わかんないって。何がなんだか。ちょっと、くぼんでるだけだから。
それにしても、自転車用のジャージとレーパンをはいてるぼくの姿は浮きまくり。みんな登山やハイキングみたいな、少なくとも長袖、長ズボン。そんなところに、半袖、膝上のレーパン。露出魔みたいだ。
誰も来ないよ、こんなジミなとこ。って思ったら、家族連れ、友人同士のグループ、いわんやガイドさんに連れられた団体さんたちまでいる。和銅ブームとみたね。来るね、和銅。もう、そこまで来てるね。
だが、そんな大勢の人が来ると非常に居心地が悪かったりする。
黒谷から西武秩父まではほんのひとこぎ、10km足らず。秩父の道案内の道標。なかなか可愛い。
なんだか寄ったとこは、ちょこっとしょぼくてイマイチな感じのサイクリングだったので、次回はもうちょっと企画を練って出かけたいものである。それにしても早く梅雨明けしないかな。
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