ジャズとボサノヴァの日々

Days of Jazz and Bossa Nova

Upa Neguinho performed by Elis Regina

2015-02-17 22:18:05 | Upa Neguinho
1968年、エリス・レジーナElis Reginaはフランスのテレビ番組「dim dam dom」に出演、パンチの効いたUpa Neguinhoを披露している。「dim dam dom」は1965年から1970年まで月に一度、日曜夜に放送された音楽番組で、当時人気の高かったフランス歌手(ミレーユ・ダルク、シルヴィ・バルタン、フランス・ギャル、フランソワーズ・アルディ、クロード・ジャド、マリー・ラフォレ、シーラ、シャンタル・ゴヤ等)がこぞって出演している。

こんなインパクトの強いパフォーマンスをリアルタイムで日本で見たかったと思うのは私だけではないだろうな。



1969年ロンドンにて録音されたアルバムで圧倒的なエネルギーのUpa Neguinhoが収録されている、



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Zazueira performed by Meta Roos & Nippe Sylwens Band

2015-02-15 20:00:00 | Zazueira
スタンダートと呼ばれる曲は時代を超えて存在感を誇示し続ける。

ジョルジ・ベンJorge Benのマシュ・ケ・ナダMas Que Nadaが時代ごとに、アーティストごとに解釈を変えて歌い継がれるように、彼のザズエイラZazueiraも半世紀に渡って世界中のアーティストから高い評価を受け続けており、今日も地球のどこかで演奏されているはずだ。

私がZazueiraを初めて聴いたのはエリス・レジーナElis Reginaのアルバム"In London"(1969)に収録されたカバーだった。リズミックなエレクトリック・ピアノに導かれて昂まっていくエリスの歌声は瑞々しく生気に満ち溢れていて、一聴して魅了された。

1972年には少しだけジャズタッチのアレンジが施されたZazueiraがBossa Rioによって歌われており、エリスの作品とは違う味わいを楽しめた。

そして1978年、スウェーデンのジャズ・フュージョンバンドMeta Roos & Nippe Sylwens BandによってZazueiraがレコーディングされたのだが、このバンドのカバーがリアルタイムでヒットした訳ではなく、90年代以降クラブDJによって発掘され爆発的に広まったと記憶している。

このZazueiraが収録されているアルバムには他にビリー・ジョエルのJust The Way You Are、ロバータ・フラックがヒットさせたFeel Like Making Love、キャロル・キングのYou've Got A Friendなど時代を代表する名曲の数々が洗練されたアレンジで歌われており、私の愛聴盤の一枚になっている。





作品の詳細はこちらから。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Mas Que Nada performed by Jorge Ben, Sérgio Mendes and Gilberto Gil

2015-02-14 20:00:00 | Mas Que Nada
Mas Que Nadaは作曲者であるジョルジュ・ベンJorge Benによるフォーキーかつファンキーなオリジナル曲と、アメリカ市場を意識してスイング感を前面に押し出したセルジオ・メンデスSérgio Mendesによるアレンジ曲の二通りの楽しみ方が出来る傑作であり、この曲をカバーするアーティストもフォーキーか、スインギー(ダンサブルと言っても良い)のいずれかのアレンジでこの名作の素晴らしさを世に伝えてきたと思う。




この曲が世に出て50年以上経った今でも誰かがレコーディングしているはずだ。そして私は見知らぬアーティストの手になるMas Que Nadaにめぐり合えると、果たしてカバーしたアーティストはジョルジュとセルジオのどちらの曲調を踏襲したのだろう、と胸が高鳴ってしまうのだ。

今日紹介する映像は1970年代後期にジョルジュ・ベンとセルジオ・メンデスがテレビ番組でMas Que Nadaを競演したもので、世界的に人気の高いジルベルト・ジルGilberto Gilもギターとコーラスで参加している。

きっとこの番組を制作したテレビ局のプロデューサーもオリジネーターとアレンジャーを競演させたらどうなるか、ワクワクしながらキャスティングしたのではなかろうか。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Águas de Março performed by Antonio Carlos Jobim and Elis Regina

2015-02-12 20:00:00 | Águas de Março
ボサノヴァは男女のデュエットで歌われることが多いが、この3月の水Águas de Marçoはデュエット曲として最高傑作の呼び声も高い。そしてアントニオ・カルロス・ジョビンAntonio Carlos Jobimとエリス・レジーナElis Reginaによるオリジナルバージョンこそが史上最高と評価されるに相応しい。



紹介する映像は二人が1974年にブラジルのテレビ番組で演奏した際のものだが、ジョビンが珍しくフルートを吹いている。



作品の詳細はこちらから。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

The Summer Of '42 performed by Elis Regina and Michel Legrand

2015-02-11 09:59:13 | The Summer Of '42
The Summer Of '42は邦題が「思い出の夏」という1971年のアメリカ映画で、当時流行っていた「純粋な少年が抱く美しく優しい年上の女性へのあこがれ」というテーマに、世界大戦がもたらす悲哀を絡めた作品だったと記憶している。

映画音楽を担当したのがミシェル・ルグランMichel Legrandで、第44回アカデミー賞作曲賞を受賞している他、第25回英国アカデミー賞の作曲賞も受賞している。作品もヒットしたようだが、結果として音楽の方が話題になった映画だったようだ。


1972年にエリス・レジーナElis Reginaが出演したフランスのテレビ番組で、彼女がルグランのピアノ伴奏で歌っているThe Summer Of '42がとても素晴らしく、エリスファンにも映画音楽ファン(ルグランファン)にも楽しんでもらえると思う。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Upa Neguinho performed by Caterina Valente with Sergio Mendes & Brasil '66

2015-02-09 20:00:00 | Upa Neguinho

カテリーナ・バレンテCaterina Valenteは1960年代において世界各国のテレビ番組にゲスト出演しているのだが、自分の看板番組も多数持っていた。調べてみると、イタリアだけでもBonsoir Caterina(12回放送)、Nata per la Musica (12回放送)、Bentornata Caterina(3回放送)、そしてUn'orainsieme (特別番組) という数多くの番組でイタリアの視聴者を魅了していたことが分かった。

彼女がパーソナリティをつとめる番組のひとつ、Bentornata Caterina! (直訳すると「おかえりなさい、カテリーナ!」)でブラジル音楽を取り上げていた映像があった。曲は1967年にリリースされたEdu LoboのUpa Neguinhoなのだが、ゲストでお洒落にアレンジされた伴奏を披露するのが、なんとSergio Mendes & Brasil '66だ。この時代から音楽ビジネスはグローバルだったのだなぁと感心する。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

One Note Samba performed by Dean Martin & Caterina Valente

2015-02-08 09:19:28 | One Note Samba
私はマスコミが消費を煽る言葉にコクやキレがないと常日頃感じているのだが、中でも「もてジャケ」とか「ちょいワル」みたいな表現には幻滅している。女性の気を惹きたい、意識されたい、という男の本能をダイレクトに表現するのでなく、本心をちょっとだけ感じさせる変化球みたいな言葉だ。遠まわしの表現が洒脱とされる時代だから仕方ないことなのだろう。

昭和と言う直球の時代で育った私は、「プレイボーイ」という呼ばれる男達に憧れた。そしてその呼称がぴったりなのが米国の俳優、ディーン・マーティンDean Martinだ。1946年、クラブ歌手として解雇寸前だったディーンは偶然知り合ったジェリー・ルイスと即興でコンビを組み人気が沸騰、コンビで映画「底抜けシリーズ」に出演して世界的スターになった。歌手としてもミリオンヒットを出すなど1950年代後半から60年代にかけて成功したエンターテーナーだ。


彼がホストとして世界のセレブリティをスタジオに呼んでパフォーマンスを楽しむテレビ番組『ディーン・マーティン・ショー』(The Dean Martin Show、1965~1978)は日本でも字幕スーパーで紹介されていたと記憶している。

今日紹介する映像は、歌う通訳の異名を持つカテリーナ・バレンテCaterina Valenteを番組に迎えての楽しいひと時で、歌うはAntonio Carlos JobimのOne Note Sambaだ。

カテリーナは1931年、スペイン系の父とイタリア人の母の間にパリで生まれた歌手で日本でも多数のアルバムが発売された。母は世界中で活躍した著名な女道化師で、歌、踊り、パントマイムもこなし、数種類の楽器も演奏した。父はアコーディオン奏者で、彼女に楽譜が読めるよう指導したという。ポップス、ジャズ、シャンソン、カンツォーネ、ボサノバなど広範なレパートリーを持ち、50年代末から70年代前半にかけて、ドイツを中心に世界で活躍した。

この映像では得意のギターを弾きながらディーン・マーチンとお洒落に絡み、得意のスキャットでOne Note Sambaを披露してくれる。



Caterina Valenteオフィシャルサイト

カテリーナはラテンを数多く吹き込んでいるが、ボサノヴァだとルイス・ボンファとのアルバムがお勧め。


Caterina Valente E Luiz B
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Mas Que Nada performed by Sergio Mendes & Brasil '66

2015-02-07 14:34:58 | Mas Que Nada

世紀の名作「ゲッツ=ジルベルト "Getz/ Gilberto"(1964年)」で火がついたボサ・ノヴァ人気は「セルジオ・メンデス&Brasil '66  "Sergio Mendes & Brasil '66"(1966年)」で世界的なブームとなる。

Mas Que Nadaはアルバムの冒頭を飾る曲で、このセルジオ・メンデスのアレンジを元に幾多の歌手に歌い継がれて来た。CMにも何度も取り上げられており、1998年にTamba Trioの演奏がNikeのCMに使われた時は曲と映像のコンビネーションの良さにうなってしまった。2006年にはBlack Eyed Peasとのコラボレーションで若い世代にもアピールしたのも記憶に新しい。



オリジナルの映像を調べていたら当時のプロモーション映像のようなものがあったので紹介しておく。アルバムジャケットの衣装を纏い歌っているBrasil '66が鮮明な映像で楽しめる。







コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Mas Que Nada performed by Sarah Willis & the 12 Cellists of the Berliner Philharmoniker

2015-02-03 21:20:34 | Mas Que Nada
私がこのブログでジャズやボサ・ノヴァのカバー曲を取り上げようと思ったのは、アーティストによる解釈の違い、外連味(けれんみ)、アレンジの面白さを共有したいからだ。

傑作と呼ばれる作品はオリジナル曲こそがベストだと思うのだが、様々な解釈を施したカバー曲を聴くことによって一層その良さが分かるのが、世紀をまたいで聴き継がれる曲なのだと思う。



今日紹介するのは the 12 Cellists of the Berliner Philharmonikerというベルリン交響楽団の12人のチェリストから成るパフォーマンス集団が演奏するMas Que Nada。指揮するのは同じくベルリン交響楽団の管楽器奏者Sara Willisで、指揮というより余興でやっている感じかな。



THE 12 CELLISTS OF THE BERLIN PHILHARMONIC オフィシャルサイト
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Fly Me To The Moon performed by Nicki Parrott

2015-02-01 14:14:31 | Fly Me To The Moon
Nicki Parrottはオーストラリア ニューカッスル出身のジャズ・ベーシスト/ヴォーカリスト。幼少より音楽に親しんだNickiは15歳の時にはベースを手にし、シドニーの音楽院でジャズを学んだ後CDデビュー。1994年に活動の場所をニューヨークに移し、Rufus Reidにジャズ・ベースの手ほどきを受けた後、N.Y.のライブスポット Iridium でLes Paul Trioのベーシストを務めるなど、ウッド・ベースを弾きながら艶やかにシルキー・ヴォイスで歌うスタイルで注目を集める。日本で'07年にリリースしたアルバム"Moon River"と翌年にリリースした"Fly Me To The Moon"はスイングジャーナル誌のベスト・ジャズ・ボーカルアルバムを二年連続で受賞するなど日本での評価も高い。Nickiはブロードウェイのショーでも演奏している他、“The Gossip Girls”などのテレビ番組にも出演している。


本日紹介するのは、'08年にリリースしたアルバムFly Me To The Moonの中のタイトル曲で、シドニーのVenue 505というクラブでのライブ映像。


是非アルバムも聴いて欲しい。演奏良し、アレンジ良し、そしてとりわけボーカルが素晴らしい。


                    Fly Me To The Moon
                    01. Bei Mir Bist Du Schoen
                    02. I Love The Way You're Breakin' My Heart
                    03. Do It Again
                    04. Fly Me To The Moon
                    05. La Vie En Rose
                    06. Waltzing Matilda
                    07. I Never Had A Chance
                    08. Evil Gal Blues
                    09. For All We Know
                    10. Charade
                    11. I Never Dreamed You'd Leave In Summer
                    12. Them There Eyes
                    13. Two For The Road

彼女のボーカルが味わえるライブも紹介しよう。上述したN.Y.の Iridium で'12年7月に演奏しWebcast発信したYou'd Be So Nice To Come Home Toだ。


  Nicki Parrott - vocals and bass
  Lou Pallo - guitar
  John Colianni - piano

Nicki Parrot Official Website: http://www.nickiparrott.com/index.html



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする