卓写!! ―Taku's Nature Photo Gallery―

野鳥,植物,昆虫,風景写真を中心にしたフォトギャラリー&日々の雑感などを徒然なるままに・・・

霊山 240815

2024-08-20 19:10:10 | 登山

8月15日(木),福島県伊達市の霊山(りょうぜん)に登った。
コースは下図のとおり。


本当は安達太良連峰の縦走を計画していたのだが,前日夕方の大雨の影響,落雷の危険性,台風7号が接近していることなどを考慮し,急遽こちらを選択した。
学生時代に何度も登った山だが,今日はおよそ40年ぶり。
新鮮な気持ちで登って行こう。

霊山は福島県伊達市と相馬市の境界にある標高825mの奇岩・怪岩に富んだ岩山である。
標高は低いが,新日本百名山にも選ばれている。
ちなみに新日本百名山とは,登山家の岩崎元郎氏が「中高年が登りやすい山」という点を加味して選定したものであり,深田久弥氏が選定した日本百名山のうち52座が含まれている。
日本にはたくさんの「○○百名山」なるものがある。
確かに山行の一つの指標にはなるのだが,登山者がそれぞれ自分にとっての「名山」に出会えたならそれでいい。

当日は朝8:00に登山口駐車場に到着。
国見峠から見たときも雲に覆われて山が見えなかったのだが,現地に着いてもまだ霧がかかっている。
条件がよければ,西側には奥羽山脈の山々,東側には太平洋までが望めるのだが,空は残念ながら雲に覆われている。


準備をしていると見知らぬお爺さんが近づいてきた。
なぜか上半身は裸で,怪しさ全開である。
話しかけられ,それに応じているうち山の話やら車の話やらで盛り上がってしまった。
気がつくとすでに30分近く話し込んでいる。
まだまだ話し足りなそうなお爺さんであったが,やんわりと打ち切り出発することにした。
時刻は8:30を過ぎてしまった。

霊山の主な見所は下図のとおり。※伊達市観光情報ポータルサイトより引用


スタートして20分ほど登って宝寿台へ。

鉄梯子を上がって南西方向を眺める。
出発時よりは霧が晴れてきている。
下に見えるのは霊山子どもの村。


さらにちょっと進んで 国司沢展望所へ。
やはり遠景は雲の中。


護摩壇へ下りる途中,雲の塊が近づいてくる。


親不知子不知の断崖を通り護摩壇へ。




国司館跡と霊山城趾。




鎖を伝って東物見岩へ上がる。
ここが霊山の頂上になる。


蟻の戸渡り。

全国各地の山に「蟻の戸渡り」あるいは「蟻の塔渡り」という場所があるが,ナイフリッジや痩せ尾根を指す場合が多い。(けっして人体のあの場所のことではない。)
有名なのは長野の戸隠山の蟻の塔渡りだ。


望洋台から相馬市方面の眺め。
松ヶ房ダムと玉野溜池の水面が見える。


五百羅漢岩。

奥の突起した岩の形状が気になったのでアップで撮影。
エガちゃんの「ドーン」を彷彿させられる。


弁天岩。
この梯子の下はけっこう深い亀裂だ。

弁天岩からの眺め。


最後に霊山で撮影した植物を紹介する。
ミズヒキ


キンミズヒキ


ヤマジノホトトギス


ツリガネニンジン


シロオニタケ


11:30頃下山。
だいぶ雲が薄くなり,部分的に青空も見える。

幸い雨には当たらなかったが,気温と湿度がすごかった。
すぐ近くに「りょうぜん紅彩館」という施設があるので,お風呂に入っていくことにする。

温泉ではないが,霊山の湧水を加熱したお湯だとのこと。
全身さっぱりしたところで霊山を後にした。

帰りは相馬から新地町へ。
実は,歩き足りなかったので鹿狼山にも登っていこうかとも思って来てみたのだが,帰りが遅くなりそうなのでまたの機会とする。
これにて今回は終了。
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焼石岳(中沼コース往復) 240803

2024-08-14 07:03:29 | 登山

8月3日(土),岩手県の焼石岳に登ってきた。
焼石岳に登るのは学生時代以来,約40年ぶりで,その時は夏油温泉から登った記憶がある。
今回は,比較的登りやすい中沼コースを選択した。
とは言っても,水平距離で往復13.6km,約7時間の道程ではあるが・・。


朝4:30に家を出発。
国道4号を前沢まで北上し,県道302号経由で国道397号へ。
奥州湖を左に見ながら,尿前渓谷橋を渡ってすぐに右折。
ここから中沼登山口まで尿前林道という約5kmのダートコースだ。

5:50に登山口に到着。
すでに5台の車が止まっている。
諸々の準備を済ませ,6:15登山開始。


ちょうど7:00に中沼に到着。
残念ながら水面が風でちょっとだけ波立っている。
風がなく,水面が鏡のようになっているときは,向こうの山々が湖面にきれいに映るのだが。
ちなみに沼の向こうに見えているのは横岳だ。


中沼の上流部は湿原になっており,いろいろな花が咲き乱れていた。
トウゲブキ


オオバセンキュウ


ドクゼリ

ちなみに日本三大有毒植物の一つ。

ウゴアザミとウラギンヒョウモン


花の写真を撮りながら登ること1時間半,銀名水に到着。
ここで小休憩をとる。
銀名水は,岩の間から滾々と水が湧き出している。

「生水での飲用は自己責任で・・」ということなので,自己責任で飲んでみた。
この日もとても暑かったので,冷たい湧き水は文字どおり生き返るようなうまさだった。
山頂で飲むコーヒーはこの水で淹れようと思い,ボトルに水を汲んで再出発。

ここからちょっと傾斜がきつくなるので気合いを入れて歩き始める。
樹林帯を抜け日差しも厳しくなるが,周りの花や風景に癒される。。


1時間ちょっと歩いて姥石平に到着。
ここにも見事なお花畑が広がっている。


ハクサンフウロ


ハクサンシャジン


ここからちょっと進むと泉水沼だ。
山頂まであと900m,最後に傾斜がきつくなるがもうひと頑張りだ。


10:15,山頂に到着。

登り始めてちょうど4時間だ。
晴れてはいるが,遠くの山々は雲をかぶっている。

ここで昼食のカップラーメンを食べ,食後にコーヒーを飲む。
どちらもさっき汲んできた銀名水を使用。


心地よい疲労感に包まれ,山頂で小一時間ほどボーっとして過ごした。
気付くとだいぶ雲が湧いてきていた。
11:10,下山開始。
急ぐ必要もないので,また写真を撮りながらゆっくり下りることにする。

山頂付近の花々をちょっと紹介。
ウスユキソウ


ハクサンイチゲ


ミヤマリンドウ


途中,奥州湖が見えた。


銀名水避難小屋。
帰りに家で飲むコーヒー用にまた水を汲んでいった。


帰り道に撮った中沼。
雲がかかって横岳は見えなくなっていた。


14:00頃に中沼登山口に無事到着。

久しぶりの焼石岳だったが,高山植物の多さと多様性には圧倒された。
沼や湿原が多いことと,冬季の積雪量が多く森林限界が比較的標高の低いところにあるのがその原因なのだと思う。
次回はまた別の季節に登ってみたい。
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栗駒山・東栗駒山(裏掛コース・東栗駒コース) 240713

2024-07-20 09:40:58 | 登山
7月13日(土),また栗駒山に登ってきた。
去年の10月以降,4回目の栗駒山だ。
今回選択したコースは,登りが裏掛コース,下りが東栗駒コース。
この2つのコースを環状につなぐためには,裏掛コースの登山口といわかがみ平間の県道を約4km弱歩かねばならない。
最初に歩くか,最後に歩くか・・・。
結局,前者を選択した。

コース図は以下のとおり。


朝5時30分,イワカガミ平に到着。
登山届を出し,準備を済ませる。
天気は薄曇りで,気温は16℃。

まずは,ここから裏掛コースの登山口までアスファルトの県道をとぼとぼと歩いて行く。
道端の草木の写真を撮りながら・・・。

ヤマアジサイ


裏掛コースの登山口は,いこいの村栗駒跡地の向かい側にある。

ここから,まずは新湯沢に下りていく。
林道からの下り口に公衆トイレっぽい建物があった。
そういえば,昔この辺りに小さなスキー場(栗駒町営スキー場だったか?)があったはずだ。


建物脇の階段を下りると,ほのかに硫黄の香りが漂ってくる。
新湯沢は水量が少なく,比較的容易に渡渉できた。

ここが本日のルートの最低標高地点(805m)。
いわかがみ平から,垂直距離にして300m以上も下がってしまったことになる。

ここからしばらくの間,ブナを中心とした樹林帯を進むことになる。
今年のブナの実付きはどうだろうか。

あまり付いていない木もあるが,全体的に見ると,もしかして平年以上ではないだろうか。

さらに高度を上げながら,道端の草木を撮っていく。
アカモノ


イワオトギリソウ


ナンブタカネアザミ


ギンリョウソウ


ブナサルノコシカケ


標高1200mまで登ると,ドゾウ沢の源流部が見えてくる。
2008年の岩手・宮城内陸地震で,深層崩壊が起こり,土石流災害の原因となった場所だ。
16年経った今でも地震の傷跡が生々しい。

しかし,植生も徐々に回復しつつ,湧水や雪解け水の影響で至る所に小湿原が形成されている。
そして,そこにはたくさんの花が咲いていた。

キンコウカの群生


ワタスゲの群生




シロバナトウウチソウ


ヒナザクラ


荒涼とした風景の中で,一際美しく感じられる。

県境を越え岩手県に入ると,磐井川の支流である産女(うぶすめ)川水系の源流部になる。


東栗駒分岐に到着。
ここからは勝手知ったる道だ。
頂上が大分近くなってきた。

左に見える道が東栗駒コース(途中から中央コースに合流),右に見える道が産沼コースだ。

最後の階段を上りきって,11時20分,ようやく山頂に到着。
3週間前よりかなり混雑していた。
晴れてはいるが,残念ながら眺望はあまりよくない。
昼食とコーヒータイムで30分弱滞在し,荷物をまとめて東栗駒山に向かう。


さっき通ってきた東栗駒分岐を今度は右へ。


途中,足下にはミヤマキンバイの花。


東栗駒山より栗駒山を望む。


W高校山岳部OBの鐘。


あとは黙々と下って,本日2回目となる新湯沢を渡渉。


14時頃,イワカガミ平に無事到着。
今回は,水平移動距離14.5km,活動時間は8時間10分だった。

次はどこに行こう。
神室山,焼石岳,秋田駒ヶ岳あたりを考えている今日この頃…。
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秣岳・栗駒山(天馬尾根コース)後編 240622

2024-07-13 21:09:00 | 登山
さて,ここまで4時間歩き続けてきた。
写真を撮るために,ところどころ立ち止まってはいたが,ちゃんと休憩していない。
時刻は10時。
栗駒山頂は混んでいるだろうから,手前の御駒岳で早めの昼食にすることとした。
クッカーでお湯を沸かしてコーヒーを淹れる。

途中,大きめの羽虫がお湯の中へダイブしてしまったが気にしない。
漢方薬のつもりでこのまま煎じて飲むことにしよう。
紙パックの安いドリップコーヒーだけど,山で飲むコーヒーはいつもよりおいしく感じる。

たっぷりと30分以上休憩を取り,再出発。
展望岩頭に立ち,北側の斜面を見下ろすと,昭和湖の鮮やかな色が目に飛び込んでくる。


これまで歩いてきた秣岳からの稜線と,これから歩いて行く栗駒山までの稜線を眺める。
この登山道が「天馬尾根コース」と称される理由がわかる気がする。

天馬といえば・・・天馬ルミ子という歌手がいたっけなぁ。
私が中学生か高校生の頃によく見ていたNHKのレッツゴーヤングという歌番組に,サンデーズの一員としてレギュラーで出てたっけ。
おっと,つい懐かしネタをぶっ込んでしまった。
いかんいかん,危うくルートを外れるところだった。

10分ほど進むと開けた天狗平に着く。
ここは,自分が歩いてきた天馬尾根コース,湯浜・大地森・表掛コース,須川コースの合流点だ。
残念ながら,須川コースは令和元年から火山性ガスの影響で閉鎖されたままだ。


さらにちょっと進んで天狗岩到着。
まあ,好意的に見れば天狗の顔に見えなくもない。
手前の突き出た岩を鼻に,上部の岩を頭襟になぞらえているのだろう。


11時20分,山頂に到着。

頂上は思いのほか混んではいなかった。
写真を数枚撮って,ちょっとだけ休憩したら下山することにする。
去年の11月に,山頂にある駒形根神社の奥宮が新しいものになった。

立派な御影石の社だ。
寄進者の一人として,あの方の名前も刻まれていた。


帰りは産沼コース。
産沼は,なんと三分の一ほどまだ雪に覆われていた。


さらに下って名残ヶ原に到着。
去年も思ったけれど,木道がだいぶ傷んできているような・・・。
でも,湿原の木道を歩くのは気分爽快で,疲れも感じない。


そんなこんなで,13時過ぎに無事に下山。


ヤマレコのデータによれば,水平移動距離は14.7km,活動時間は休憩を入れて7時間ちょっとだった。
シーズン最初の登山としては,ちょうどいい感じだったかなと思う。
次はどの山に登ろうか・・・。

さて,後編をアップした今日は7月13日(土)。
実は,本日もまた栗駒山に登ってきた。
しかし,登りも下りも前回とは違うコースである。
時間があったら近々アップする予定なので,次回のブログをお楽しみに・・・。
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秣岳・栗駒山(天馬尾根コース)中編 240622

2024-07-06 05:35:11 | 登山
中編はしろがね湿原の植物を中心に紹介していく。

秣岳頂上を発ってちょっと下ると,シャクナゲが咲いていた。
ハクサンシャクナゲだろうか。


ハイマツの雄花
深い紫紅色が美しい。


しろがね湿原の木道が近づいてくると,道の両側には様々な花が見られる。

タテヤマリンドウ
花の奥のソバカスのような斑点が特徴。


シロバナニガナ


オノエラン


イワイチョウ


ゴゼンタチバナ
秋の初めには赤い実をつける。


ハクサンチドリ
花弁の先がとがっている。


ハクサンボウフウ


イワカガミ


コバイケイソウ
可憐な姿の花が多い中で,かなり草丈がある。それだけに群生しているときは見応えがある。



しろがね湿原には木道が架設されていて,その両側には湿原特有の植物が見られる。

ワタスゲ


モウセンゴケ
あまりにも有名な食虫植物である。


ここの風景は,「東北のモン・サン・ミッシェル」と称されている。


今回は花の写真集みたいな感じになってしまった。(以下,後編に続く。)
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