卓写!! ―Taku's Nature Photo Gallery―

野鳥,植物,昆虫,風景写真を中心にしたフォトギャラリー&日々の雑感などを徒然なるままに・・・

渡良瀬遊水地180105

2018-01-08 10:59:09 | 撮影行
今年最初の撮影行は渡良瀬遊水地を選んだ。ここは栃木・埼玉・群馬・茨城の4県にまたがる広大な遊水地で、東日本屈指の野鳥スポットである。以前から一度は行ってみたいと思っていた場所だ。

自宅から車で5時間。途中、福島大学に寄ってきたので、目的地に到着した時はすでに午後2時を回っていた。

広い・・・とにかく広い。今まで撮影に行った場所とはスケールが違う。それでも事前にいくつかのポイントを絞ってきた。当初の計画では谷中湖で水鳥を撮ってから、どこかの葦原でコミミズクを狙ってみようと思っていた。しかし時間もないので前者は省略することにした。
巴波(うずま)川の堤防、第2・第3遊水地の両方を見渡せる場所を選んで行ってみると、すでに20人くらいが三脚を構えている。大砲のような超望遠レンズがずらりと並んでいる。たしかあのレンズは200万円以上するはずだ・・。
私も三脚を持ってきてはいたが、今回は初めての場所でもあるので、機動性を考えて手持ちで撮ることにした。しかし、相手は飛び物なので照準器はしっかりとセットした。

私は情報を得るために、列の中にいた人のよさそうなおじさん(自分もおじさんなのだが・・)に声をかけた。この人は近くに住む方で、毎日のようにここに来ているそうだ。話によると元日から3日まではコミミズクは姿を見せず、昨日はこの場所に出たという。私は礼を言って、集団から100m程離れた場所に陣取った。

待つこと数十分。土手の枯草からコミミズクが飛び立った。1羽のハクセキレイに襲い掛かったが逃げられたようだ。






その後しばらくは動かなかったが、日が暮れるまでの間、何度か姿を現し、堤防の間の葦原上空を旋回して私たちの目を楽しませてくれた。








最後には標柱にとまったり目の前を飛行するというサービスもしてくれた。




今回の撮影行は実質2時間の短いものだったが、初めての場所で撮りたい鳥が撮れたということで、非常に運が良かったといえる。来年もまた来てみよう。次回は丸一日撮影をしてみたいものだ。
夕焼けに後ろ髪を引かれる思いで、私はこの場所を後にした。


しかし・・・5時間かけて来たということは、当然のことながら帰りも5時間かかるということだ。
嗚呼・・・。






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蕪栗沼171216

2017-12-18 00:08:20 | 撮影行
12月に入り3週続けて蕪栗沼を訪れた。
いつものように沼の東側にある白鳥遊水地を1周する。曇ってはいるが、風もなく水面は穏やかだ。しかしここのところ水位はずっと低いままだ。

沼にはオオハクチョウとオオヒシクイが静かにたむろしている。

このハクチョウは2羽がくっついて羽づくろいをしていた。それが水面に映って妙な形に見える。

北側にある灌木では2羽のアカゲラがたわむれたいた。


遊水地側では間近でアオサギが餌を漁っていた。

どうやら小魚を捕えたようだ。


この日はツグミの姿が多かった。

ツグミという名前の由来は、あまり鳴かない(口をつぐんでいる)ということからつけられたそうだが、そんなことはない。
ちょっとくぐもったような声で「キィー」とか「クィー」とよく鳴いている。

再度蕪栗沼側に移動し、双眼鏡で湖面を丹念に観察する。
すると、泥の中州の辺りでタゲリが歩いているのが目に入る。

残念なことに、この日は曇天で陽射しが乏しい。
光を受けたタゲリの羽は金属光沢のような緑と淡い赤紫の微妙なコントラストがすばらしく美しいのだが・・。

ちょっと場所を変え、枯れたマコモの株の反対側を見るとこちらにも2羽のタゲリがいた。


さて、今年も残すところあと2週間。もう1回ぐらい撮影に行けたらいいな・・。
今年はこれまでで最も撮影回数が少なかった。年々仕事が忙しくなっているように感じるし、たぶんそれは紛れもない事実だろう。
まあ、来年もうまく折り合いをつけていこう。







コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蒲生干潟171008

2017-10-10 00:37:45 | 撮影行
10月6日、所用で福島市に泊まってきた。その帰りに小鳥の森に寄ってきたのだが、生憎の雨天で鳥たちはあまり活動していなかった。おまけにスズメバチの巣があるということでコースの一部が閉鎖されていたのである。
そんなわけで数回しかシャッターを切る機会に恵まれなかった。

8日は朝から天気も良かったし、なんとなく海が見たい気分だったので、久しぶりに蒲生干潟を訪れた。
蒲生地区は整地が行われており、大型の重機が稼働しひっきりなしにトラックの往来がある。フェンスで区切られて立ち入り禁止区域が多くなっている。いくつかあった養魚場の池も埋め立てられたのだろうか・・。

車を停めて日和山へと向かう一時的に造られた味気ない遊歩道を数分歩き、干潟へ下りる。
アシ原からキリリッ、キリリリと久しぶりに聞く声がする。目をやると5,6羽のカワラヒワだ。一応、留鳥に分類されているが、冬のほうが多く目にする鳥だ。


小川の流れ込みの方に行くと十数羽のサギ類がいる。アオサギもいるが、ここではダイサギが優勢のようだ。




そして枯木の枝にはカワウが群れている。いつもの光景だ。


海側に向かって砂地を歩いていく。1羽のアオアシシギがしきりに餌をあさっている。

よく見るとコメツキガニを捕食しているようだ。

水辺で鳥を撮影していると、サギ類やシギ類がカニやザリガニなどを丸呑みにしているシーンをよく目にするが、飲み込んだ後で食道や胃の内壁をハサミで挟まれたりすることはないのだろうか・・などとくだらないことを考えてしまう。

水際を戻りながら歩いていると1一羽のウミネコが干潟に下り立った。

短距離の低空飛行を繰り返し、やはりコメツキガニをついばんでいる。魚だけでなく、いろんなものを食べるんだなぁ。そういえば私は以前、水田で無心にオタマジャクシを捕食しているウミネコの群れを見たことを思い出した。


帰りに堤防の内側の池を覗いてみた。来るときにはいなかったカルガモが泳いでいた。2羽とも雄だったが、不思議なくらい同じような動きをしている。思わずシャッターを押してしまった。





まるでシンクロナイズドスイミングのようだ。

久しぶりの蒲生海岸。いつもここにいる種類の鳥たちばかりだったが、そんな鳥をじっくり観察するのも楽しいものだ。そういえばこんな言葉があったな。「優れた野鳥写真家は、同時に優れた野鳥観察者である」と・・。
まあ、自分は写真家でもなんでもない。ただ自分のささやかな楽しみとして時間が取れるときに自然に触れ、その一コマを写真に切り取っているだけだ。そのスタンスはおそらくこれからも変わらない。

と、ここで今回のブログを終わるはずだったのだが、福島市小鳥の森でとってきた写真を1枚だけ見てほしい。

何の変哲もないハクセキレイに見えるが、よく見ると顔が黄色いのがお分かりだろうか。
家に帰るまではハクセキレイとキセキレイの混血かと思っていたのだが、調べてみるとただのハクセキレイだった。
その年に生まれたハクセキレイは、冬羽に換羽する前に一時的に顔が黄色くなるのだそうだ。
鳥の写真を撮り始めて長いこと経つのだが、これは今回調べてみて初めて知ったことだ。

次の撮影行も自分にとっての新しい発見がありますように・・・。








コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

阿仁熊牧場 くまくま園(北秋田市阿仁打当)170803

2017-08-08 00:33:42 | 撮影行
先日、北秋田市にある「阿仁熊牧場 くまくま園」に行って来た。年に一度は毎年訪れることにしている。自宅から約220km、時間にして3時間半だ。
盛岡まで東北道を北上し、国道46号を田沢湖方面に向かう。一刻も早くクマに会いたいので田沢湖には寄らず国道105号をさらに北上。ようやく午前10時に到着した。


ここでは雌グマと雄グマが別々に飼われており、当歳、2年目のクマもそれぞれ別々に飼われている。ヒグマのコーナーも時間によって雄と雌を別々に放牧している。つまり、無計画な繁殖やクマ同士の殺生が起こらないようにしているのだ。放牧場も放水による清掃が行き届いており、職員のクマへの愛情が感じられる。


順路に沿って雌グマ、雄グマとじっくり観察し、ヒグマ舎に入る。ちょうど雄のヒグマが6頭放され、なかなかの迫力だ。ツキノワグマとは違い見事な体躯だ。

ここではコンクリート壁の所々に強化ガラスがはめ込まれており、至近距離でヒグマを観察できる。目の前数十センチにヒグマがいるのだ。その爪は強大で人間などたちまち引き裂かれてしまうに違いない。


ヒグマ舎を出て2歳グマのコーナーに行く。成獣へと向かうたくましさとまだ残るあどけなさが同居している。柱の上に座る仕草はまだ愛らしさを感じさせる。


その中に見覚えのある顔を見つけた。このクマは下顎にも白い月の輪状の模様があり、その端が口角の両脇に達してる。そのせいで笑っているようにも見えるし、口角からかわいい牙が生えているようにも見える。


これが1年前のこのクマの写真である。


特徴的な模様と目の優しさが鮮明に私の記憶に残っている。ずいぶんたくましくなってきたな。


最後に今年生まれた当歳グマのコーナーに行く。ちょうど飼育員のおじさんがおやつを与えに来たところだった。3頭の子グマたちはおじさんにじゃれついている。おじさんは愛おしげにクマたちと遊んであげている。そのうちクマの足をつかむと逆さ吊りにして回し始めたではないか。(クマはよろこんでいます。)



とにかく子グマは動きが活発で見ていて飽きない。取っ組み合ったり転がり回ったり・・こうやって日々成長していくんだろうな。


2時間近くも経っただろうか。そろそろ帰らねば・・。
来年もまた来よう。それぞれのクマたちの成長を見るために。

帰りは別ルートを選択。国道105号を角館経由で大曲まで南下。そこから秋田道に入り、北上JCから東北道へ。
くまくま園から自宅まで、帰りの車中で私はずっと野生のツキノワグマの姿を探していた・・・。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

磐井川河畔(一関市狐禅寺)170709

2017-07-12 23:53:46 | 撮影行
なかなか撮影に行けない。最近の土日はいろいろな行事があったり、草刈りや庭仕事が忙しかったりで撮影に出かけられなかった。

7月9日の日曜日、午後になってちょっと時間ができた。カメラバッグを担ぎ、北上川と磐井川の合流点に向かった。
ここは中学生の頃、自転車に釣竿を括り付け約25kmの道のりを片道1時間半かけてヘラブナ釣りに通った場所だ。
雨が降って北上川の水が濁り、磐井川の水が澄んできた頃合いがベストだった。私はここで何度も野ベラの強烈な引きを堪能した。
そんな昔のことを思い出しながら鳥の姿を探したが、このうだるような暑さの中ではセキレイやサギ類がちらほらと姿を見せるだけだった。


磐井川の右岸を上流に向かいながら歩いていると、草むらに西日を浴びて佇む雄のキジを見つけた。

キジはけっこう警戒心が強く、人の姿を見ると飛び去ったり走って藪の中に逃げたりすることが多いのだが、このキジは私に気付いてもすぐに逃げる気配は見せなかった。

ファインダー越しにキジの体をまじまじと観察する。改めて美しい鳥だと思う。昔はよく床の間に剥製が飾られたりしていたものだ。
レンズをテレ端までズームし、顔のあたりを観察する。繁殖期が過ぎ、顔の赤い肉塊は小さくなってきている。
よく見るとこの個体は首のあたりの毛がかなり抜け落ちている。おそらく他の雄のキジと縄張り争いを繰り広げたのであろう。


雄のキジの後方の草むらの中で雌が心配そうにこちらをうかがっていた。近くに巣があるのかもしれない。


これ以上刺激するのはやめておこう。鳥に過剰なストレスを与えるのは本意ではない。その野生の美しい姿をおがませてもらっただけで十分だ。
さて、次回はどこに行こうかな・・・。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする