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「なすべきことをなせ、何があろうとも・・・・・」(トルストイ)

☆ 保険の豆知識(損害保険編)Vol.13  ☆ 交通事故における過失割合って何?

2008年02月04日 | Weblog
交通事故は、加害者の一方的な過失によって起きる事とは限りません。事故のほとんどは、被害者側にも過失があります。(信号待ち等で止まっていて追突をされた場合や、青信号で注意をしながら交差点に入ったのに、信号無視の車にぶつけられたとか、制限速度を守って走行帯を走っていたのに、突然、対向車線をはみ出してぶつかってこられた場合等は、無過失と言えます。)

【民法第722条】
「被害者に過失があるときは、裁判所は損害賠償の額を定めるにあたり、これを考慮することができる。」

被害者にも過失がある場合には、加害者は被害者の損害額を全額補償する必要はなく、損害額から加害者の過失相当分を差し引いた額を補償する事を「過失相殺」と言います。「過失相殺」は、事故当事者間の損害を公平にすることを目的としています。

「過失相殺」の具体的な適用は、裁判官の裁量に委ねられています。しかし、各地方裁判所では、多数の交通事故を公平に処理するために、過去の判例を参考に過失割合の認定基準を定めています。
この認定基準として広く一般に使用されているのが、東京地方裁判所の「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」で、各保険会社も、この基準をもとに過失割合を認定しております。

※最終的な過失割合は、基本割合をベースにして、修正要素を加減して決定されます。
<基本割合>
様々な事故類型について道交法上の優先権や運転慣行などによって、妥当な過失割合を基本数値としている。

<修正要素>
事故が起きたときの諸々の諸事情を考慮し、次の修正要素をもとに基本割合に加減します。
1.事故当事者の事情
①歩行者の年齢、健康等(老人、児童、幼児、身体障害等々)
②事故時の歩行者の状態(直前直後横断、佇立、後退等々)
③車両の種別状態(大型車、制動灯火の有無等々)
④車両の運行状況(スピード違反、前方不注意、車間距離等々)
2.事故当事者をめぐる環境
①事故の日時(特に昼夜別)
②道路環境(歩車道、街灯、塗装、信号機、横断歩道、標識灯の有無)
③交通状況(交通量等)

★皆さんの無事故、無災害をお祈り申し上げます。