野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

可憐な小さな花をつける「ヒメウズ」(春の花シリーズ 23-43)

2023年04月15日 10時10分37秒 | 

可憐な小さな花をつける「ヒメウズ」。うっかりすると見過ごすような小ささだが、とてもしとやかな印象を与える花なので、みつけるとうれしくなる。

(2023年春 高尾山)

2023年春の花シリーズ

「ジャイアント・スノードロップ」(春の花シリーズ 23-01)
「セツブンソウ」(春の花シリーズ 23-02)
「ユキワリイチゲ」(春の花シリーズ 23-03)
「福寿草」(春の花シリーズ 23-04)
「ミチノクフクジュソウ」(春の花シリーズ 23-05)
「福寿海」(春の花シリーズ 23-06)
「ロウバイ」(春の花シリーズ 23-07)
「シナマンサク」(春の花シリーズ 23-08)
「八重寒紅」(春の花シリーズ 23-09)
「カラスノエンドウ」(春の花シリーズ 23-10)
「クモマグサ」(春の花シリーズ 23-11)
「スイセン」(春の花シリーズ 23-12)
「ペーパー ホワイト 」(春の花シリーズ 23-13)
「キズイセン」(春の花シリーズ 23-14)
「スイートアリッサム」(春の花シリーズ 23-15)
「ヒマラヤユキノシタ」(春の花シリーズ 23-16)
「クロッカス」(春の花シリーズ 23-17)
「ツルニチニチソウ」(春の花シリーズ 23-18)
「ムスカリ」(春の花シリーズ 23-19)
「キルタンサス」(春の花シリーズ 23-20)
「サクラソウ」(春の花シリーズ 23-21)
「ジャノメエリカ」(春の花シリーズ 23-22)
「芝桜」(春の花シリーズ 23-23)
「ネモフィラ」(春の花シリーズ 23-24)
「カレンデュラ」(春の花シリーズ 23-25)
「ヒアシンス」(春の花シリーズ 23-26)
「菜の花」(春の花シリーズ 23-27)
「バラ咲きジュリアン」(春の花シリーズ 23-28)
「沈丁花」(春の花シリーズ 23-29)
「キュウリグサ」(春の花シリーズ 23-30)
「シデコブシ」(春の花シリーズ 23-31)
「カタクリ」(春の花シリーズ 23-32)
「コシノコバイモ」(春の花シリーズ 23-33)
「ミツマタ」(春の花シリーズ 23-34)
「紅ミツマタ」(春の花シリーズ 23-35)
「ショウジョウバカマ」(春の花シリーズ 23-36)
「シュンラン」(春の花シリーズ 23-37)
「雪割草」(春の花シリーズ 23-38)
「ダンコウバイ」(春の花シリーズ 23-39)
「バイモ」(春の花シリーズ 23-40)
「オカメ桜」(春の花シリーズ 23-41)
「馬酔木」(春の花シリーズ 23-42)

ヒメウズ
Semiaquilegia_adoxoides_himeuzu01.jpg
ヒメウズ
分類
界 : 植物界 Plantae
門 : 被子植物門 Magnoliophyta
綱 : 双子葉植物綱 Magnoliopsida
目 : キンポウゲ目 Ranunculales
科 : キンポウゲ科 Ranunculaceae
属 : ヒメウズ属 Semiaquilegia
種 : ヒメウズ S. adoxoides
学名
Semiaquilegia adoxoides (DC.) Makino
和名
ヒメウズ
特徴


塊茎
塊茎
繊細な多年草で、地下に塊状の地下茎(塊茎)を作る。塊茎は楕円っぽい不定形でその先端から根出葉と花茎を出す。よく育つと枝分かれして増える。

地上の植物体は草丈が10-30cm、花茎が根出葉より高く伸びる。根出葉は1回3出複葉、長い葉柄は表面に細かな毛があり、基部は寝ても次第に立って先端の葉身は水平に近く開く。小葉はそれぞれ2-3に裂け、よく育つとそれぞれが更に裂けるので、2-3回3出複葉になりかけているように見える。葉身全体としてはほぼ円形。葉はつやがなく、柔らかい。また紫色を帯びることが多く、特に裏側は紫っぽくなる。葉の表、小葉の基部近くに白い斑紋が出ることもよくある。

花茎は途中に茎葉をつける。茎葉は基本的には根出葉に似ているが、その基部が茎を抱き、柄が斜めに出る。また上に行くにしたがって小さく、幅狭く、葉柄が短くなる。花茎にも葉柄と同じく細かい毛が密生している。

先端に向けてまばらに枝を出し、花をつける。花は3-5月頃、ややうつむいて咲き、長さ5-6mm、白くて時にやや赤みを差す。花の外から見えるのは、花弁に見えるが実は萼片で、楕円形で五枚、下向きに抱えるように開く。その内側には長さ2.5mmの花弁があり、やや黄色みを帯び、筒状に並ぶ。それらの基部には短いながら距があって萼片の間から上に出る。このような構造はほぼオダマキ属と共通である。

雄しべは9-15、雌蘂は離生して2-5個、棒状。果実は熟すると上を向き、それぞれが内側に向いた真ん中から左右に割れて開き、種子が顔を出す(袋果)。種子は卵形で長さ1mm、黒くて横皺がある。