メハジキとそっくりな形で花がつくキセワタ。写真のうしろにみえる白花のものが多く、綿を着せたようだからキセワタだという。どうということのない花だが、どこか親しみを感じさせるのはなぜだろうか。
(2019-09 神奈川県 箱根町)
山地や丘陵の日当たり良い草地に生育する多年草。
茎は方形で、直立し、高さ60~100cmほどになる。
葉は卵形または狭卵形で、洋紙質で粗い毛があり、長さ5~9cm、幅3~7cm、欠刻様の粗い鋸歯があり、鈍頭~鋭尖頭。
葉身基部は広いくさび形またはやや切形で、1~5cmの葉柄がある。
花は数個ずつ上部の葉腋につき、紅紫色で長さ25~30mm。
萼は長さ15mmで粗い毛があり、5浅裂して裂片は刺状にとがる。
花冠は唇形で、外面は密に白毛があって白く見え、下唇の中央裂片は下に曲がって紅紫色。
雄蕊は4個あり、下側の2個が長く、上唇の内側に沿って斜上する。
分果は長さ約2.5mm、暗褐色、倒卵状のくさび形で3稜があり、表面は平滑。
近縁種 : メハジキ
■分布:北海道、本州、四国、九州 ・ 中国
■生育環境:山地や丘陵の日当たり良い草地など。
■花期:8~9月