昨日Milanoから来ていた友人と話していたんだけど、Milanoは先週も天気が悪くてジャケットが必要だったとか。
今日は天気悪いです。まだ雨は降っていませんが、荒れ模様…あっ降って来た。
今年は本当になかなか夏がやって来ません。
いいのか悪いのか???
ではでは早速ペストゥムの続きです。
これから向かう遺跡エリアの地図…分かりにくいかな?
かまぼこ状の長方形が3つあります(中央の白い長方形は広場です)
これが神殿です。
ちなみに入り口で発見しました
ちょっとかわいいユネスコマーク
こちらは1998年に世界遺産に登録されています。
博物館に近いのは一番右のTempio di Cerer(ケレスの神殿)です。
前の人たちに比べてと考えるとでかいですねやっぱり。
ギリシャに行ったことは有りませんが、行った両親はあちらより保存状態、管理状態がいいと言っていました。
そうそう、うちの父もしきりと言っていましたが、先日ランチしていたイタリア人もすごく印象に残っていると言っていたのが
この傘を開いたような松
二人とも「ローマの松」と呼んでいましたが、笠松らしいですね。
これ見ると「ローマ~!!」という気がします。
この松はこの地が忘れ去られ、こうして多くの観光客が訪れるようになった数世紀に渡る変遷を静かに見つめていたのでしょうか?
余談ですが、この松、下の方を切り取られ、意図的に”傘”になるようにしている、とも聞きましたが。
現存する3つの神殿の中でも一番小さいもので、紀元前6世紀末に建てられ(紀元前520-510年頃改築)、女神Athena(アテーナー)に捧げられた神殿です。
Vitrubio(ウィトルウィウス)が著書De Architectura(建築について、建築十書)でこの建物について言及しているそうです。
アテーナーは
”知恵、芸術、工芸、戦略を司るギリシア神話の女神で、オリュンポス十二神の一柱である。
アルテミス、ヘスティアーと並んでアプロディーテーの神力を及ぼさないギリシア神話の三大処女神として著名である。”(Wikipediaより)
へ~という感じですが。
女神の神殿は、ギリシャのアクロポリスの頂にあるパルテノーン神殿が有名ですね。
この神殿もそうですが、その他の2神殿もドーリス式の円柱を持っています。
ドーリス式とは
”古代ギリシア建築における建築様式(オーダー)のひとつであり、イオニア式、コリント式と並ぶ3つの主要なオーダーに位置づけられる。ドリス式とも呼ばれる。
古代ギリシア建築前期のもので、柱頭に鉢形装飾や柱基を持たずしばしば「荘重」と表現される。
祖型となった木造建築の様式をよくとどめているとされ、例えば、トリグリフは木造建築の梁の木口がそのまま残ったものである。
ドーリア式のオーダーが用いられている代表的建造物としては、アテナイのパルテノン神殿が挙げられる。”(Wikipediaより)
ちょっと分かりにくいですが要は
台座もない、装飾もない素朴な柱頭と溝彫りの施された古い柱身に特徴のある円柱、なんですね。
こちらのケレス神殿は、正面6本のドーリス式円柱、アーキトレーブも典型的なドーリス式です。
で、実は最近読んでなかった本を極力読み進めようと頑張っているのですが、
岡田温司の「グランドツアー」という本にこのドーリス式の柱の影響について書かれていました。
引用しますと
”パエストゥムの「発見」はこうして、西洋の建築に「ドーリス式リバイバル」とでも呼ぶべき現象を引き起こすことになる。
当時はまた、複雑にして過剰なバロック建築への反動から、構造的に必要な要素のみからなる単純な建築の原理へと回帰しようとする動きが台頭しつつあったが、ドーリス式の再発見は、この傾向にさらなる拍車をかけることになった。”
とペストゥムは単なる遺跡の再発見だけではなく建築史に多大な影響を与えています。
ケレス神殿からメインストリートのVia Sacra(聖なる道)を下って行きます。
聖なる道は本来宗教的な行列などの行進のために使われていました。
1907年に見つかっています。
幅9メートルで石畳、ポンペイ同様馬車の轍が今でも残っています。
こちらはSacello Ipogeo、地下神殿の屋根。
ここから発掘された青銅器や陶器の壺(国立博物館所蔵)から、紀元前6世紀頃に建てられたと推定されてるそうです。
町の創立者シバリ人の墓という説、女神ヘラに捧げられたものという説に分かれ、何のために使われていたのかは不明だそうです
そしてこの辺りはアゴラ
市場とも翻訳することができますが、古代ギリシアの都市国家ポリスにおいて不可欠な場所である広場を指すギリシア語で、のちにForo romanoとなる。
Foroとは古代ローマ都市の公共広場のこと。だからローマ広場ということですね。
”帝政時代のフォロは四周をバシリカ、元老院、神殿などの公共施設や列柱廊で取り囲まれた計画的なオープンスペースとなり、屋根のない公共建築の観を呈するのが普通であった。
フォルムの機能は、古代ギリシア都市の『アゴラ』のそれとほぼ同じであった。
アゴラとの違いは、規模がフォルムの方が際だって大きいこと、空間が都市化の進展にともなって矩形に整備されたこと、周囲に列柱廊をめぐらせるようになったことなどである。
現代において似た機能を果たす都市施設としては、イタリア語ではピアッツァ、スペイン語圏のプラザ、ドイツ文化圏のマルクト広場などがある。”(Wikipediaより)
今でもPiazzaはみんな憩いの場です。
柱などもぽつんと残っていました。
そして3つの神殿で一番大きい
Tempio detto di nettuno、ネプチューンの神殿
この時期は遠足の学生が多いです。
でかっ、そしてどっしり。
正面6本、側面14本の円柱からなっていて、内部は3廊に分かれ祭壇もあります。
特に珍しいと思ったのは柱が2段になっていること。
分かるかなぁ???
こっちの方が分かりやすいかな?
紀元前450年くらいに建てられた、ヘラかゼウス、もしくはアポロンに捧げられた神殿と考えられています。
そして最後は
Basilica、バジリカです。
紀元前6世紀中頃に建てられたそうで、ペストゥムで最古の神殿と言われています。
この地の出土品から、この神殿はヘラに捧げられたものと考えられている。
1820年、ここから2人の女神Demeter(デメテル)とPersephone(ペルセポネ)母娘のいくつかのテラコッタの像が出土している。
”デメテル信仰の歴史は非常に古く、紀元前10世紀(さらに遡って紀元前17~15世紀頃からデメテルの祭儀(エレウシスの秘儀)が始まっていることからかなり古い可能性もある)にも遡ると考えられる。
デテールの名前も後半「メテル」は古代ギリシャ語の母を意味する言葉である。
前半の「デ」ははっきりとはしないが、大地を意味する「ゲ」(ガイア)が変形したものであるとの説が有力である。
この名前が示す通り、彼女は本来、ギリシャの土着の農耕民族に崇拝された大地の女神、豊穣の女神と考えられている。”(Wikipediaより)
とまぁこんな感じでした。
全ての神殿をざっと見終わったあと、お昼を。
BasilicaのそばにあるレストランNettunoへ
一度遺跡エリアの外に出るので、新聞を読んでいた係員に再入場できるのか確かめて出ました。
再入場の時、チケットを用意しましたが、確認はされませんでした。
実は最初はレストランに行くつもりだったのですが、博物館で予想以上に時間を取られ、帰りの電車の時間もあるので、やむなくBarに行きました。
でもお目当てのものは有りましたし、景観もこちらの方が良いんです。
Mozzarella di Bufalaです。
普段食べているのとあまり変わりなかったですが…
これにワイン、お水、なぜかサラダとデザートが付いて14ユーロ。
食事は隣のレストランから運ばれてきていたので、結果的にはこちらで安上がり、ということだったのでしょう。
はっきり見えていませんが、さっきの神殿を見ながら食事ができます。
テラスで食事も気持ちが良かったのでしょうが、そこは日本人、なかなか太陽の下に出る気はしませんね。
更に雲行きも怪しかったんですよね、結局天気は崩れませんでしたが。
私たちが入店した時は他にお客さんもいなかったせいか、なぜかワインおかわりできました。
まぁハウスワインだから大した額ではないでしょう。
でも私たちが頼んだわけではないんですけどね・・・
丁度食事が終わった頃にフランス人の団体が来て、えらい騒ぎになっていました。
レストランからスタッフ応援に来てたし…
デザートはこれ、ナポリ名物Sfogliatellaでした。
ちょっと重い…
こうしてペストゥムを超満喫して14時過ぎの電車でサレルノへ戻りました。
15時半の船でアマルフィへ。
こんな時に限って微妙に電車が遅れてる。
とりあえずホテルから荷物をピックアップして港へ向かいました。
港へ向かう途中、ペストゥムの駅で見かけたアジア人が話しかけてきました。
駅のベンチで横になって寝ているので、てっきり日本人ではないと思ったんですけど…
この人「アマルフィ行きのバスのチケットどこで買えますか?」って
知るか…
いや知ってるけど、何で私が知っていこと分かったんだろう…怖い。
一応教えてあげましたけどね。
いやいや、私たちだって時間がないんだよ。
ということで大急ぎで港へ。
何とか船に間に合って一路アマルフィへ。
ということで続きはまた次回。
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