今朝ニュースを見ていたら、昨日イタリア中部で大雨の影響でかなりの被害が出ていると聞きました。
ローマの地下鉄の駅も水没したところが有ったとか…
全国的な自然災害が多いですね。
ちょっと心配です。
さて、先週末箱根まで行ってきました。
目的は24日までポーラ美術館で開催しているピカソとシャガールの展覧会を見るためです。
あいにく金曜日は非常に天気が悪く、富士山も見えませんでした。
今回は初めて公共交通手段を使ってポーラ美術館まで行ってみました。
天候が悪い上、工事をしているということで、箱根湯本から仙石原方面に向かう道が渋滞していたので、車で行かなくて本当に良かった。
基本的に車の運転は嫌いではないのですが、最近雨と夜の運転は極力避けたくなっています。
まず小田原へ出て、そこから箱根登山鉄道で箱根湯本を目指します。
この辺りに来ると外国人観光客がすごく増えましたね。
JRが人身事故で遅れていたので、お昼を食べる時間がなく、湯本駅からバスターミナルへ向かう途中に偶然見つけた富士屋ホテルのパン屋さんでくるみあんパンとメロンパンを購入。
結局時間も場所もなくて、くるみあんパンを半分だけ美術館で食べただけでしたが、これはとてもおいしかったです。
バスで1時間弱、終点です。
一日に3本湯本駅からポーラ美術館行きのバスが出ています。(3番発)
美術館へ到着。
バス停に傘も置いて有ってサービス良いですね。
ちなみに私は美術館の前売り券を買って行ったのですが、バス代と美術館の入場券セットのお買い得なチケットが有るそうです。
バス停で並んでいるとバス会社の人がやって来て丁寧に教えてくれます。
雨のせいでちょっと幻想的な、この入り口に通じる通路、好きですね。
”ピカソとシャガール 愛と平和の賛歌”という展覧会です。
ポーラ美術館創立15周年記念の特別展だったそうです。
ポスターになっているモネのこの作品もポーラ美術館の所蔵品です。
ジベルニーのモネの家に有ったあの橋だ…
平日ということもあるし、場所柄客が少ないのもいいですね。
これくらい落ち着いて見学できるとはるばる来た甲斐があります。
カフェやレストランも併設していますが、時間がなさそうな予感がしたので、我慢。
美術館に来るときだけは空腹もそれほど気にならないので、毎日美術館に行った方がいいですね、ダイエットのために。
入口
ピカソ、シャガールの作品とは対極にある白を基調とした展示の仕方がより彼らの作品を引き立てているようで非常に好感が持てます。
この先写真が撮れないので、うまく言葉で説明できるかは分かりませんが、この入り口を入ってすぐの壁に2人名前がそれぞれ右と左に書かれていました。
壁が少しカーブしていたのかな?
これから始まるよ~という展覧会の導入として気持ちを引き付けるうまい演出が出来ているなぁ、関心しました。
作品の方ですが、すごいですね、ポーラ美術館の所蔵しているシャガール。
ここ数年あちこちでシャガールは見てきましたが、まだこんな作品が、それも日本に有ったのか、と感動しました。
中でも見ごたえが有ったのは地下2階に展示されていた2枚のタペストリー
ピカソのミノタウロマキアと
シャガールの平和
「ミノタウロマキア」は、ピカソが1930年代を通して手がけた牛頭人身の怪物ミノタウロスを主人公とする物語。
人々を襲う怪物の恐怖は、迫りくる第二次世界大戦への不安に重ねられている。
ピカソが1935年に制作した版画作品をもとに、イヴェット・コキール=プランスが制作したタペストリー。
小さな版画をもとに大画面に移行された作品は、原作の迫力を余すところ無く伝えている。
シャガールが人類の平和への願いを込めて制作した作品《平和》
本作品は、ニューヨークの国連本部の記念講堂に設置されたステンドグラス《平和》の下絵に基づいたタペストリーで、フランス北東部の国境の都市サールブールの依頼によって制作された。
シャガールの原画によるタペストリーのなかでも最大である本作品には、宗教の違いや国境を越えた、彼の平和への願いが込められている。
シャガールの言葉によると、画面は3つのテーマに分けられている。
画面右 :キリストやユダヤ教の聖職者を囲む群衆・・「平和を望む人類」
画面中央:擬人化された動物たち・・・・・・・・・・・・・・・・・・「平和の象徴」
画面左 :墜落するイカロスなど・・・・・・・・・・・・・・・・・・「平和のために闘う人々」
(ポーラ美術館のHPより引用)
実は5月11日までは群馬県立美術館所蔵のピカソのゲルニカのタペストリーが展示されていた。
これは
1937年スペインの古都ゲルニカへの無差別爆撃という事件をもとにピカソが制作した壁画《ゲルニカ》のタペストリーである。牡牛は野蛮性の、馬は民衆の姿を象徴するとの解釈もあるが、ピカソ自身は最終的に「鑑賞者が見たいように見れば良いのだ」と述べている。
《ゲルニカ》のタペストリーは計3つのヴァージョンが制作され、本作は第3作目である。
第2作と本作には、ピカソが、色の修正と縁どりを指示した。
第1作はニューヨークの国連本部内に架けられており、第2作は大戦末期に激しい戦闘が繰り広げられたフランスとドイツの国境付近に位置するコルマール市のウンターリンデン美術館に所蔵されている。(HPより)
これが見られなかったのは残念だけど、まぁ次の機会ということで。
第二次世界大戦後のフランスでは、伝統ある職人仕事を見直す機運が高まり、芸術家たちはタペストリー作家と協働し、タペストリー作品を制作した。ピカソとシャガールが信頼を寄せたジャクリーヌ・ド・ラ・ボーム=デュルバック、イヴェット・コキール=プランスの二人は、ともに原作を単に写すのではなく、卓越した技法を駆使して、迫力や色の鮮やかさを表現した芸術家であった。(HPより)
いやはや、タペストリーの質感がまたいいですね。
特にシャガールの方は、色彩も豊かで、細かく、どれだけ見ていても飽きない…時間が足りなかったよ。
今まで考えたこともなかったのですが、ピカソとシャガールはほぼ同時代を生きています。
ピカソは1881年スペインのマラガに生まれ、1973年に亡くなっている。
一方シャガールは1887年ロシア生まれ、1985年に亡くなっている。
二人の間に”直接”関係が有ったのかは定かではないが(確実に一度だけ二人が顔を合わせた記録が残っているのだが、ピカソがシャガールを怒らせてしまい、最初で最後の出会いだったと言われている)二人がお互いを意識していたことは確かだろう。
この20世紀を代表する2大アーティストの展示会は世界初!!
だってこの二人なら一人でも素晴らしい展示会が出来ますからね。
さらにそれをほぼ自分のところの所蔵品でやってしまうポーラ美術館、おそろしや。
どれだけ作品持ってんだ???
すごいなぁ、としか言いようがないです。
色々詳しく説明したいところですが、ちょっと今は時間がないので、気になる人はポーラ美術館のサイトをご覧ください。
2時間少々では全然時間が足りなかったです。
開催時期がまだ2週間あるので、是非足を運んで欲しいと思います。
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