イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

Visitazione(聖母の訪問)、Luca della Robbia、Pistoia

2017年12月06日 21時27分12秒 | イタリア・美術

今朝、また朝早く目が覚めてしまい、6時を待って起き上がった。
6時、まだ真っ暗ですよ、こちらは。
しかし、これが何かの暗示だったのかも…
よくコメントをいただいている山科様からの最新のコメントを読んで、何気なく検索していたらなんと、話題のものが今近くに来てるじゃないですか!!
これはきっと芸術神様の思し召しだ~
更に今日は今週唯一用事がなくて、久しぶりに家で執筆(といってもPCだから、筆、じゃないか)と思っていたのに、即出発モードに。
早起きは三文の徳とはよく言ったもんだよ。

何の話かといいますと

これ。
Luca della Robbia(ルカ・デッラ・ロッビア)のVisitazione(聖母の訪問)です。
なんとこちらもこの秋から里帰りしていました。
なんでもこの展示が始まったころは、1日に300人くらいが訪れていたそうです。
ちなみに私が行った時は、2人しか私がいるうちはいなかったけど…
こういうものを無料で見せてくれる、その太っ腹さが好きですイタリア!!

これまた普段はアメリカにある作品なのですが、なんでだろ、ボストン→ワシントンナショナルギャラリーのアメリカツアーを終えて里帰り。
なんで里帰りしたのかと言いますと、今年PistoiaはCapitale italiana della Cultura 2017、つまり2017年、ピストイアは「イタリアの文化の中心」になりました。
このイベント、いまいちどんなことしているのか分かりませんが、毎年結構大騒ぎして決めてます。
これに選ばれると当然人が集まるから。
国内エキスポみたいな感じですね。
ということで、元々ピストイアに有った作品で、最も重要な作品の1つである、この作品が里帰りする運びになったようですね。
里帰りついでにフィレンツェで修復も済ませています。
まぁそういうことも有っての里帰りなのでしょう。
教会内では修復の様子がビデオで流れていました。


ホントにすごく綺麗になっています。
また、これがなんとなく血が通っているようにリアルに見えてすごかった。
いやいや、これは生で見てよかったよ。

この作品は1445年ルカ・デッラ・ロッビアがピストイアのSan Giovanni Fuorcivitas教会の主祭壇のために制作したもので、ルカが発明した釉薬をかけたテラコッタの初期の作品の1つと考えられています。
テーマはルカの福音書にある。
聖母マリアが受胎告知を受けたあと、いとこで結構年が行ってから身ごもったエリザベッタ(英語:エリザべス)を訪問するシーン。
エリザベッタが宿した子は洗礼者ヨハネとなる。
たしかにこのエリザベッタはかなり年寄り感が出てますよ。


ピストイアのSan Leone教会で1月7日まで見ることができます。



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2 コメント

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米国には売ってない (山科)
2017-12-07 07:02:26

 この「訪問」は長く米国に出張していたんですが、所有権は、ピストイアの聖堂か地方自治体か、イタリア国家にあると思います。

  ドメスティチの「ルカ デッラ  ロッビアとその一族」、遠山公一 訳、1994、東京書籍 (原書は1992,
SCALA)
では、アンドレアに帰属させています。
  一方、Gentillini他、DELLA ROBBIA, 1999, Guiti, Florence (英語版)
ではルカです。
    当方は伝統的なみかたでルカでいいんじゃないかなあ?と思ってます。

  ところで、ルカの孫世代にもルカという人がいるのでまぎらわしいですね。
  こういう大きな陶彫 や浮き彫りは基本的には部分的にわけて製造し、現地組み立てしたようですね。
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そうですね。 (fontana)
2017-12-07 17:36:26
山科様
タイムリーなコメントをありがとうございます。全然チェックしていなかったので、大変得した気分です。
ドラマチックに仕立てられた会場で、誰もいなかったので、穴が開くほど観察してきました。残念なのは、買い換えたばかりの一眼レフが故障して、携帯でしか写真が撮れなかったことですが…

これはイタリアのものだったんですね。
イタリアでは疑いなくルカの初期作品と言っています。
これは4パーツ(一体をお腹で切断しています)に分かれていました。
カタログをちらっと見たのですが、修復がメインだったので、買いませんでした。これから図書館に行ってちょっと調べてきます。
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