スイストラベルパスを使い倒す

スペインの事は何も書いてないのに、スイスの事へ行ってしまうと一気にスペインの話は忘れてしまいようですが…
プロローグは移動のお話。
例えスイスが小さい国であるとはいえ、今回上から下へ、左から右へ、本当に良く移動したと思います。
それを可能にさせてくれるのは、ひとえに電車の正確さ。
さすが観光大国、そして観光客に優しい…物価は全然優しくないですけど。
イタリアの文句ばかり言うのも何ですが、イタリアだったら絶対にここまでストレスなく移動することはできませんね。

実は今回スイスに行くことを決めたのは、以前も書きましたが、Baselのバイエラー財団の話を原田マハさんの小説で知ったから。
是非あの話に出てくる美術館を見てみたい、ということだったのです。
ただ色々調べて行くと、さすがお金持ちの国スイス、数ある美術館には世界でも屈指の素晴らし作品が収蔵されているというではないですか…って知っていたんですけどね。
私のダメダメなところは、そういうことをすっかり忘れてしまって、思い出す前、調べる前に飛行機を取ってしまったこと。
「航空券安いから良いかぁ」という安易な理由で、あまり時間なども気にせず予約してしまったので、今回のように帰りの飛行機が早朝発になり、結果的には1日分お金も時間が無駄になってしまったりしてしまいます。
まぁLCCのロジックで考えると仕方がないことなのですが…
ただBasel空港はしないから空港まで30分弱。
荷物検査もスムーズで、もう少し遅い時間に到着しても大丈夫だった感はあります。
ただやはり「2度と行けないかも」、とまず考えて、それなりに計画を練った上で飛行機を予約するべきですよね。
目先の安さについつられてしまう間抜け私。
今回だって、よく考えてみればローザンヌはイタリアから入った方が近かったし、どうせチューリッヒに行くならチューリッヒ空港を使うという手もあったわけですから。

とは言え今回は友人に感謝。
私がスペインに行っている間ローザンヌを起点に、私とは正反対なのんびりしたバカンスを旦那さんと送っていた友人から
「電車の料金はネットとは違う。とにかく高い！」という話を聞いて、スイストラベルパスを購入することにしたんです。
実は彼女から話を聞く前は「これ元取れないかも」ということで、買わなくても良いかなぁ、と思っていたんです。

今回私が利用したのは4日券の2等席、251スイスフラン。
数年前よりかなりスイスフランが安くなったと言え、約3万円になるこのパス。
高い！？
でも初めの投資額には二の足を踏みましたが、結果的には元を取ったどころかおつりが来たと思います。

時間という視点では、まずいちいち切符を買う手間が省けるので、時間ぎりぎりの電車でも飛び乗れる。
また実際には起きませんでしたが、万が一間違った電車に乗っても料金取られません。（笑）
更にこれ私も半信半疑でそのたびに確認しましたが、TGVもスイス区間内なら乗れたし、ドイツに行く電車にも乗れました。

パスの購入に関して事前に色々調べると、「スイス国内では買えない」とか言って、高い手数料を取る日本の取次会社に頼んでいる人、結構多いですね、実際そんなことはありません。
多分スイス鉄道のサイトから購入可能みたいですが、私のクレジットカード（楽天とセゾンカード）でははねられてしまったので、日本のクレジットカードでは無理なのかもしれません。
スペインの電車でカードがはねられた時に使ったPaypalの裏技はスイスでは通用しませんでした。（Paypal購入できません）

そこで私は数少ない日本人が、そしてSBBのサイトでは「現地で買える」と書いて有るのを信じて旅立ちました。
主要な駅で買えると書いて有ったので、Basel駅まで行けば何とかなるだろうと思ったら、なんとBasel空港の到着ロビーに出たら、目の前にSBBのカウンターが有って、そこに大きくSwiss Travel Serviceと書いて有りました。
勿論カウンターではネットではねられたカードで支払いできました。
色々な情報を見ていると、「チューリッヒなどの大きな駅では窓口が非常に混んでいるので、日本に居るうちに買った方がいい」、と言っている人が結構いるのが気になります。
何でそんなに無駄な手数料を取らせたいのか…
更に万が一旅行自体変更やキャンセルになった場合は払い戻し効かないじゃないですか。
それなら現地で購入した方が良くないですか？
英語能力が現在の小学生以下ではないかと思われる私でも購入できたので、言葉の問題は皆無ですし。 
但し、BaselのSBBのカウンターの人の中にはイタリア語を話せる人もいましたが、私の英語力でも大丈夫でした。
買ったそばからこの切符を使って空港から駅へ向かいました。
バスがこのカウンターを出てすぐのところに止まっていたのも、さすがスイス、痛いところに手が届くなぁと一人で感心していた私です。

普通の日本人には不思議かもしれませんが、ヨーロッパの国のほとんどの駅に改札は有りません。
安全を考えたら、スペインのように手荷物検査を飛行機並みにやって、切符もちゃんと調べてから乗客を乗せた方が良いとは思います。
ということで、そのまま電車に乗り込めるわけです。
このパスは車内で検察に来る時に見せるだけ。
説明書にはパスポートも一緒に見せることを義務づけられています。
というのもこれはスイスに住民票がない人だけが持てるパスで、パスにちゃんと氏名とパスポート番号が入っています。
4日中、電車内で検察に来なかったのは1度だけですが、パスポートの提示を求められたのは最終日に一度だけでした。
バス、トラム、地下鉄などもこのパスで乗れます。
これらの乗り物での検察はなかったですが、無賃乗車の罰金はイタリアの比ではないようですのでくれぐれもそんな悪いことはしないでくださいね。
ちなみにこのパス、予約が必要なパノラマ電車とかはこのパスだけでは乗れないそうです。
いくつかの路線は割引にしかならない場所もあるので、その点はご注意を。

それからこのパスがなくても街によっては公共交通機関の無料パスを宿泊者に無料（宿泊代に込みと受け取った）でくれる街が有ります。
今回3か所に泊まった中で、ローザンヌとバーゼルがその対象でした。
だから遠くに移動することが少ない場合はお得とは言えない場合もあります。
でもサイトでの電車の料金にはスイス在住者への割引料金がまず初めに出てきます。
これだと結構安いのですが、私たち外国人にはこれは適応されず、正規料金はかなり高いうえ、現地で窓口や自販機で買うと更に料金が上がるのでご注意を。
前出の友人がネットで見た額より現地で見たらすごく高かったので窓口で聞いたら「ネットはネットの料金です。同じではありません」と言われたとか。

そしてこのパスのもう1つのメリットは、このトラベルパスはスイス国内の490（だったかな？）の美術館、博物館が無料で入場できます。
今回行った美術館10軒中、料金を払ったのはチューリッヒ美術館（Kunsthaus Zurich)とバイエラー財団の2カ所。
一言文句を言わせてもらうなら、バイエラーは特別展しか見られない上、現在見られるカンディンスキーなどの青騎士の特別展だけでなんと25スイスフラン、3000円弱も取られたんですよ
それはさておき、平均的な美術館の入場料が20スイスフランなのでそれだけでも160スイスフランですから、どれだけお得かお分かりいただけるかと。 

ということでまぁ今回はパスのお陰で無謀な旅の目標を90％は達成出来たので感謝しなきゃね…というお話をスイスの美術館を駆け巡る旅のプロローグとさせていただき、
記憶が新しいうちになんとか書き残せればと思いますが…スペインはどうする気なんだろう？？？
そして次の旅への準備にも取り掛からねば。

なぜ、こんなに立て続けに旅をしているのか？
それは勿論日本へ撤退する時が近づいているということもありますが、この頃めっきり日が短くなってしまったからなのです。
数週間前は9時過ぎまで明るかったのに、今は8時半までもつかもたないか。
涼しくなったのは良いことですが、日が短くなるのは寂しいことです。
ということで9月は目いっぱい出かけさせていただきます。 
今回のように目いっぱいぐるぐるしても、帰る先が10数時間後の日本でないという幸せを大いに満喫しないとね。