今朝の朝刊にこんなに大きく取り上げられていました。
朝日新聞より
神奈川県大磯町の「澤田美喜記念館」所蔵の出所不明のキリシタンの宗教画が安土桃山時代に描かれたもので有ることが分かったとのこと。
この写真から絵の詳細が分かりにくかったのですが、NHKの朝のニュースでも流れていたそうです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20181119/1050004520.html
なんと長さが3メートルもあり(巻物?)、そこに「受胎告知」や「受難」など、キリスト誕生の物語などが和紙に墨で描かれているそうです。人物や服装は日本的なんだそうです。一枚の板を窓のように分けて色々なシーンを描くことはあっても、西洋では3メートルにもなる巻紙にこうして描くことはないので(そもそも巻紙の文化がない)、その点でも日本的で面白い作品だと思います。
日本にキリスト教が伝来したのは、教科書的には1549年と言われていて、イエズス会のフランシスコ・ザビエルが布教を始めたと習います。
この宗教画の最後には1592年と書かれているそうですが、これは1592年に描かれたオリジナルをコピーしたものではないか?と調査をした横浜市歴史博物館の副館長は言っているとか。それでもこの作品が江戸時代初期に描かれたものではないかと語っています。場面ごとにイエズス会のマークが記されているそうです。
まさか、今の法王がイエズス会出身だからこれほど大きく取り上げられたのか?
いやいや、まぁそれはさておき、これは非常に面白い作品ですわ。
是非見てみたい!!
同じ神奈川県ないにあり、それほど遠くないのにこの記念館の存在するしらなかったけど、「澤田美喜記念館」には三菱財閥の創始者・岩崎弥太郎の孫として生まれ、熱心なクリスチャンだった澤田美喜さんが40年間に渡って自分の足で九州だけではなく日本全国を周って集めた隠れキリシタンの遺物などを中心に851点が展示されているそうです。
この宗教画が公開されるのかどうかは分かりませんが、一度は訪れてみたい記念館です。
P.S. 今朝(2018.11.20付)の新聞によると、11月23日から「神奈川の記憶」という企画展で展示されるそうです。
近いうちに行ってみます。
http://www.yokohama-history.org/files/5715/4114/6429/kngkioku_r.pdf
澤田美喜記念館
住所:大磯町 大磯1152
電話:0463―61―4888
開館時間 : 10:00~16:00(ただし12:00~13:00閉館の時があります)
休館日 : 月曜日(ただし、祝祭日の場合は開館、翌日休館)、年末年始
贋作でなかったら、カトリックの聖堂をつくるための粉本・設計図・手控えだと思います。 これを使って祈りに使ったとは考えられません。あるいは紙束で伝わったもので、巻物にしたのは明治以降である可能性もあります。
ただ、こういう資料は一度マカオ・マニラなどの海外に出て、明治以後に戻ってきて南蛮美術として珍重されたことが多いので、そういう伝承経路かもしれませんね。
本当にいつも色々なことを教えて頂きありがとうございます。「粉本」というものも知りませんでした。
伝承経路、確かにそうかもしれないですね。きちんと調査されたのが今回初めてということなので、この先も新しい発見があるといいなと思います。