イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

2019年イタリアの国立美術館・博物館・遺跡の入場者数 Top30

2020年01月28日 11時23分08秒 | イタリア・美術館

先日、イタリアの国立博物館・美術館・遺跡 2019年入場者数Top30が発表になった。

フランスの国立美術館、ルーブルは2018年で1020万人を超えてた(2019年のデータが見つからず)ので、それに比べるとまだまだですが、1位のコロッセオは入場者数750万人越え。
2位のウフィツィは約440万。
実はこの1位と2位の間に、正確にはイタリアではないけど、ヴァチカン美術館が入る。
ヴァチカンは、2018年およそ670万人で、世界で4位の入場数だった。
ちなみに2018年世界2位は、驚きの北京の故宮博物館。
NYのメトロポリタン・ミュージアムが抜かれた!
参考:https://www.theartnewspaper.com/analysis/ancient-buddhist-sculptures-triumph-over-modern-masters

このデータは、Ministero per i Beni e le Attività Culturali(文化財・文化活動省)。
参考:http://www.beniculturali.it/

上位5位に関してはPompei(ポンペイ)の伸びを注目して欲しいらしい。
数年前、金銭トラブルで(ユネスコからの補助金がマフィアに流れていたとかいないとか…)修復できず、雨ざらしになって、危険で入ることが出来ないエリアが増えたり、職員がストライキしたりで、入場者数が減っていたのに、なんとかその辺解決した結果、ということを言いたいのだろうか?

他に2019年特に注目することとしては、Galleria Nazionale delle Marche(マルケ国立美術館)
2018年、約195,000人の入場者だったのが、昨年は約37%増の26万人越えに。
Urbino(ウルビーノ)にあり、車がないと比較的行き難い美術館だし(公共交通手段で行く人は少ないと思うけどね)、ん?何で?理由も書いておけよ~お役人。
ここはPalazzo Ducaleという公爵の宮殿で、イタリアでも有数の優美な姿を今に残す建築的に見ても優れた宮殿の1つ。
それだけでなくこの宮殿を築いたFederico da Montefeltro(フェデリーコ・ダ・モンテフェルトロ)は、素晴らしい美術品をたくさんこの宮殿に所有していた。
例えばPiero della Francesca(ピエロ・デッラ・フランチェスカ)のこの作品。

Pala di Brera(ブレラの祭壇画)と呼ばれるほど、現在ではブレラ絵画館の目玉作品の1つとなっているが、Pala Montefeltro(モンテフェルトロの祭壇画)とも呼ばれていることからも分かるように、これはもともとフェデリコのもの。
ナポレオンによって1811年ウルビーノのSan Bernardino(聖ベルナルディーノ)教会の主祭壇から取り除かれ、ミラノへ運ばれた。 (当時ミラノはフランスだった)
これらの作品はウルビーノには戻っていない。

今は今年のラファエロ没後500年の記念の展覧会やってるみたいだけど…あっ、19日に終わってる。
RAFFAELLO E GLI AMICI DI URBINO
ウルビーノの見どころは確かにここだけど、ラファエロ誕生の地ではあるけど、残念ながらラファエロの作品はほぼ外に。
生家には、若きラファエロの作品か?という聖母子像が残されてはいるが…

全体的に入場者数が増えた理由として、2014年から続いていた(中止時期あり)第1日曜日の入場無料というのお陰ではないか、と。
また、一時期入場が有料になったパンテオンも、再び無料にしたら入場者数が増えた。
それは当たり前だろ。
ただ、トップ30の話ではないが、2019年の春は天気が良くなかったため、歴史的な庭園や屋外施設の入場者数は減ったそうだ。

私がこのトップ30で行ったことがないのは…
5位のCastel Sant'Angelo
ここはいつでも行けると思っていつも行かないでいる場所の1つ。
6位のLa Venaria Reale
何処にあるのかも、なんとなくしか知らなかったし、興味があるものがないので行ったことがない。
トリノの郊外。
23位のMuseo storico del Castello di Miramare
トリエステの郊外。
あまり興味がない。
そして27位のCastel Sant'Elmo...と思ったらこれ「卵城」?いや、卵城はCastel dell'Ovoなので、やはりCastel Sant'Elmoは行ったことがない。
う~ん、見どころは「特になし」か。
世界トップ10の方で行ってないのは、北京の故宮博物館(台湾は昔昔行った)とワシントンのナショナルギャラリー。
ワシントンにはいつか行きたいと思っているのだが…

ちなみに昨年日本で一番の入場者数を誇った展覧会は、フェルメール展。
私もその1人を担っているが、68万人強が訪れたそうだ。
そのフェルメールの大阪会場を除けば、全て東京。
いかに一極集中か。そして地方に住む人には行き難いことか…

参考:美術手帖



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