明日はクリスマスイブ。
日本ではクリスマス本番より重要で、ご馳走食べてプレゼンを贈ったり、もらったりという商業的な要素の強いイベントですが
いくら宗教心が薄れたとは言え、ヴァチカンのお膝元イタリアでは一年で一番重要な行事となっています。
25日はイエスキリストが誕生した日。
昔はクリスマスツリーを飾る家より圧倒的に多かったPresepio(プレゼピオ)
でもこちらも残念ながら少なくなっているそうですが、私はこれが大好き!!
ということでこの時期に本場ナポリにPresepi(複数)を見に出かけた、というわけ。
Prespioを始めたのはSan Francescoだというのが一般的には言われています。
何でも1224年のクリスマスの日の0時に洞窟でミサを行おうとしたFrancesco.
そのミサに参加した人たちは洞窟の中に敷かれた藁の上に赤ん坊が寝ているのを見た、という言い伝えがあるとか。
Giottoが描いたとされるこのフレスコ画まさにそのシーン(洞窟ではないのですが)
presepe(presepio)という言葉は元々ラテン語の”praesaepe”から来ていて、これは「まぐさやかいばを入れておく桶」を意味しています。
だからこの絵もFrancescoが赤ちゃんを箱の中に入れようとしていますよね。
このエピソードが事実だとするとあくまでもPresepio vivente
つまり”生の"プレゼーピを再現したのが始めて、ということになります。
というのもこのキリスト誕生のシーンというのは、ものすごく前からフレスコ画やモザイクなどで描かれていたんです。
そして3DのPresepioの最初は1289年RomaのSanta Maria MaggioreのArnolfo di Cambioが作った
これがイタリアでは一番古いとされています。
もともと8体のキャラクター(?)が彫られたそうですが、現存しているのは5体(キリストは聖母とセット)
あれ?でもこの5体が主要メンバーだけど、他に誰がいたんだろう???
1517年のクリスマスのミサをこの前で執り行っていた Gaetano da Tieneがキリストを抱く聖母の幻を見たことから、
キリスト教普及のためにPresepioを活用することを考えたそうです。
これより以前からナポリでは腕の良い職人が多かったおかげで、裕福な家庭ではPresepioを飾っていたそうです。
その後キャラクターの数は増え、職人の質は落ちたことで、庶民も手が届くようになり家庭にも普及していったそうです。
ナポリ版のPresepioは特に登場人物が多くいのは、
各々キャラクターがそれぞれナポリやそのほか南イタリアの伝説などと結びついているからなんだそうです。
というのが簡単なPresepioの歴史です。
ナポリにはこの人形ばかりを扱う通りがあって、この時期は大賑わい・・・と聞いていたのに、私が行った日は平日&ものすごく天気が悪かったので、かえってゆっくり見ることが出来ました。
クリスマス近くの土日は身動きできないくらい人であふれるので、スリなどの危険も増します。
日本人の一般的な観光客には絶対お勧めできませんのでくれぐれも気をつけてくださいね。
通称プレセピオ通りと呼ばれるサン・グレゴリオ・アルメーノ通り狭い路地
この通りです。
こんな感じで店先に屋台が出ていてその上にキャラやら何やらがいっぱい。
わかりにくいけど、これパンです。
この類は工場生産、下手したらC国せいなので全く興味がありません。
私が興味があるのは、手作り作品。
たとえばここは土台を製作中
そうそう、やはりベースはこんなのが良いですね。
って日本の家には無理ですね・・・ だから広まらないのかな?
私は密かに(いやここで言ってるんだか密かじゃないけど)Presepioを日本に広めたいと思っているんですけどね・・・妹には却下されたけど。
ここに毎年新しいキャラを増やして行く。
このPrespioは昔はそうやって家族で作り上げて行くものだったんですよ。
大抵のうちが12月8日の「無原罪の御宿り」の日に家族でセッティングをする風習が、そうねぇ私がイタリアに来た10年くらい前までは結構ありました。
でも最近はニュースでも取り上げられていたけど、家にはツリーしかない、という家も多いそうです。
ツリーはツリーで意味があって(生命力)これも大事なキャラ(?)のひとつなんですって。
だからヴァチカン宮殿前に飾られたPresepioの前にはちゃんとツリーもありますよね。
ちなみに今年はカラブリア産のもみの木、PresepioはVeronaがモデルです。
う~久しく見てないので見に行きたい、行きたい・・・行くかも、1月6日までですからね。
更に24日過ぎないとキリストはいませんからね。
これくらいなら買ってもいいかな???
とにかくすごい量なので、1個1個見ているわけにはいかないのですが
もし気に入ったのがあったら記念に・・・と思っていたんですよねぇ。
これは候補
でもこの状態だとほこりが気になるしな・・・
あ~やはりでかいの気になる。
私見ですが7,8割、いや9割は大量生産でしょうね。
本当はこの通りには手作りのものなんかないのかもしれません。
ただ、私が最後まで気になっていた
これ
私は某人形屋の宣伝ではないですが、購入のきっかけは顔!!
顔が決め手。
これはお店の人の話だと全部手作り、というんだけど、型は大量生産だと思うんです。
手作りの部分は職人の色付けとかキャラの配置とか顔の描き方とかそこらへんだけなんじゃないかな?
もちろん桁の違うものはそうではないでしょうが・・・
後はこれの場合は土台がちゃんと自然の木でケースがガラスということでお値段50ユーロ
一回り小さいのが25でその下が15ユーロ
15ユーロくらいなら記念に、と思ったのですが、やはりどうせ買うなら主要人物が揃っているほうがいい。
しかしこれ、日本に持って帰るときどうするの・・・とこの一点が即買いを阻止。
どうしても欲しかったら翌日、と思ったけど結局ご縁はありませんでした。
とにかく毎年すごい数のPresepiを見ているので、そうそう妥協も出来なくなってますね。
とか言いながら
日曜日に新メンバーが加わりました。
ってこれは安かったからね。
フルメンバーで6ユーロ
絶対C国製だと思ったら、ちゃんとイタリア製でした。
これでいくつ目なんだろうか、うちのPresepi???
神のみぞ知る。
話はNapoliに戻って、短いながらもものすご~く後ろ髪を引かれながらも徘徊は続きます。
こちらがニュースでも必ず話題になる、その年の話題の人たちシリーズ
サッカー選手から芸能人、政治家などなど
日本の羽子板みたいな感じですかね?
その年話題になった人たちが
これは去年か
こんな感じで勢ぞろい。
等身大。
誰だかわかります?
日本ではイタリアの首相=ベルルスコーニのイメージが強いでしょうが
この人が今の首相です。
フィレンツェの市長だった頃、本人をよく見かけていましたが、もう少しいい男ですけどね。
中心には法王が。
このシリーズ売れてるのかなぁ???
ちなみにサッカーの本田選手の人形も一応作ったようですが、売れないということで量産はされてないようです。
反対に
日曜日ぶらぶらしていて見つけちゃいました。
こちらはあまり似てないし、手も振っていました・・・
そんなこんなで人も少なかったのでかなり端から端までゆっくり見ることが出来ましたがお土産なし。
先日の日曜日フィレンツェをぶらぶらしていたときに見つけたのは
これはいい。
でもMagiが2体だけじゃあねぇ・・・
これはすごかった。
紙で出来ているんだけど、それが動くんです。
と言っても横に移動するだけなんですが、すごいです。
非売品と書いてありましたけど・・・
他にも
こんな感じのものもありました。
いやいやPresepioは本当に奥が深い。
イタリアにこの時期に来ていて「Presepio」と書いてあったら是非覗いてみてくださいね。
とこうして第1目標は不完全燃焼で終わってしまいました。
明日からしばらく図書館がお休みなので朝寝坊してしまいそう。
どなた様も
Buon Natale!!
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