イタリア滞在中お世話になった大家さんに連絡を取ったところ、
Grazie, per ora sopravviamo in quarantena...
という返事が来た。
vivere(生きる)ではなく、sopravvivere(生き残る)を使っているところに非常に実感がわく。
そして「in quarantena」普段はあまり聞かない単語だが、はて、何だったかなぁ…と。
英語でも「quarantine」なのでピンと来た人は多いと思うが、「検疫」「隔離」を意味する。
イタリア語が語源で、ヴェネトの方言らしい。
”1347年に世界中でペストが流行した際、この感染症はオリエント(東洋の国々)から来た船が広めているとして、当時のヴェネツィア共和国政府は、船内に感染者がいないことを確認するため、ペストの潜伏期間である40日間、疑わしい船をヴェネツィア近くの港外に、強制的に停泊させる法律を作りました。”(参照:https://maidonanews.jp/article/13191504)
「40」はイタリア語ではquaranta。quarantinaは「約40」
これだけだと、ただ単に流行りに乗った記事になってしまうので、一歩踏み込んで、他の用語についても考えてみた。
quarantenaとほぼ同義の単語、初めて聞いたけどcontumaciaというのがある。
これも「検疫」「隔離」を意味するのだが、この両単語は健康上の対策として強制的な隔離を意味する。
では英語で比較している人もいるが、「隔離」を意味する単語にisolamentoというものがあるが、これは?
こちらの強制的な対策には変わりないようだが、「隔離」というより感染者から感染していな人を「離す」という意味合いで使われているよう。
参考:https://www.money.it/Coronavirus-differenze-quarantena-e-isolamento-cosa-cambia
さて、そんな”隔離”されたイタリアにいる友人たちは、家から出られないこの期間に、パン焼きの技術を上達させたり、自宅のフローリングを直したり、ポジティブな行動がSNS上で多く見られるので、ちょっと安心している。
そんな中、春分の日、所謂春の始まりの日にふさわしい、花畑を見た。
フィレンツェの女性の画家Giovanna Garzoniの作品と考えられている、Santa Maria Novella(サンタ・マリア・ノベッラ教会)の主祭壇の前部装飾で一番最初に出現したのは1647年元日。
彼女は17世紀の細密画の画家として名を馳せ、ヴェネツィア、ナポリ、トリノなどで活躍。
1640年代には、メディチ家のために働いでいた。
Paliotto fiorito,花盛りの装飾は、ベースはシルクで画家が細かく描いたり、刺繍された紙をパッチワークのように張り付けたりして出来たもの。
中心は、花輪の中に”父なる神”が飛ぶ様子。他にも黒と白のドメニコ会の紋章などが見られる。
また聖母のシンボルでもあるバラやヨーロッパに入って来たばかりで一大ブームを起こしたチューリップ、アネモネやジャスミン、花だけではなくザクロやイチゴまで。
まるで春の庭園のように花々が咲き誇っている。
詳しい様子はこの動画で見られる。
https://www.facebook.com/140513192659882/videos/1565550393626424
この3連休、日本では危機感が薄れたのか、この気候のせいか多くの人が外出したようだ。(かく言う私も)
咲き始めた桜を直に見ることも出来る日本人は幸せなのか?
地球の裏側では、家にいてこんな動画を楽しんでいる人がいるというのに。
連休明けに爆発的に感染者が増えないことを切に願いながら。
3月に行く予定だったオペラやコンサートは全部払い戻しになりました。私もつらいですけど、主催者側はもっとつらいでしょう。
コンサートを無観客でやって、インターネットで中継する、というのもありました。
3連休のつけが回って来たようですね。関東ではこの週末は外出自粛令が出ています。私も歯医者へだけ行って家にこもっています。あれくらいの軽い自粛令で、これほど違うのかというのはちょっと意外でしたが、日本ではこれ以上強い規制がかけられないときいたので、是非とも若い人が危機感を持って行動して欲しいと思います。
世界中のアーティストや関係者たちが非常に困難状況に陥っていますね。一刻も早い収束を祈ります。