イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

Nabucco(ナブッコ)に見るイタリア

2014年01月27日 00時39分24秒 | イタリア・音楽

お約束どおり(?)午後はオペラを観に行ってきました。

歌をやっている友達がすごく良かったと言っていたので,期待はしていたのですが、劇場でこれまた歌をやっている知り合いに遭遇。聞いたらかなり有名な人が主役のNabucco(ナブッコ)だったんですね。
今調べたらまた出た!!(失礼)すごいこの人!!
Leo Nucci(レオ・ヌッチ)
1942年生まれって???
え、うそでしょう?
今年72歳???
うちの父と同じ年だよ・・・え~ありえない、信じられない。
いやいや、本当みたい。
来日も数回しているようです。
詳しくはWikipediaに日本語のページがあったのでそちらをどうぞ。
いやいや、Mariella Deviaの1948年生まれっていうのも驚きだけど・・・歌えるものなんですね。
すばらしい!!

そんなこんなで久々に見た、大入り。

ちなみにこちらにMutiが指揮をして、Nucciが歌っているNabuccoが有りました。


イタリア統一150周年記念の時のものだからかれこれ3年前か?
あれ~これ私観てないのかな?
う~んよく覚えてない。
だってNabuccoは初めてじゃないと思うんだけど、どうもストーリーに覚えがないのよねぇ。
そしてAida(アイーダ)とかぶってる。
まぁ観ていても観てなくても、今日観たんだからいいか。

ところでこのNabuccoの中で流れているかの有名なVa pensieroという曲。
これはイタリアの第2の国歌と言われています。
(正式なタイトルは”Va, pensiero, sull'ali dorate”ー行け、我が思いよ、金色の翼に乗って)
なぜかというと
初演時のミラノ・スカラ座の聴衆はこのナンバー、とりわけ"Oh, mia patria sì bella e perduta!"(おお、あんなにも美しく、そして失われた我が故郷!)の部分に、オーストリアに支配された自らの運命を重ね合わせた。突発的に発生したこの詞曲への共感は熱烈なアンコールの要求となった。劇場に居合わせたオーストリア官憲もこの歌詞の意味するところを理解していたが、聴衆の暴動を恐れアンコールは許可された。やがて、このオペラはイタリア半島全土で再演され、そこでは常に、「行け、我が想いよ」への熱烈な反応が再現された。(wikipediaより)
と引用したwikipediaにもこのエピソードの検証が出ていますので、詳しくはそちらを参照してくださいね。

で、このビデオを観てもらっても分かるんだけど、ものすごい入れ込みなんだよねぇ、この曲に対してイタリア人。
そして今日もこのVa pensieroがなんとアンコールされたんです。
これってイタリアで上演される時だけなのかな?
それともイタリアで上演されてもまれなことなのかな???
よく分からないけど、外国人の私から見たら結構すごいことだと思うんだよね。
いやいや、普段”おらが国”意識の強いイタリア人。
国民が”イタリア人”であることを意識するのはワールドカップの時だけ、と言われていますが、この曲のパワーはすごい。
別に今はどこの国に占領されているわけでもないのに・・・
確かにすばらしいんですけど、なんかイタリア人魂に圧倒されちゃった。

歌をやっている友人に確認したところ、初日はbis(アンコール)が有り、彼女が行った日はなかったとか。
今日は多分Nucciだから?
もしくは観客の拍手が鳴り止まなかったから、だろうって・・・
「アンコールをすると歌えるからいい」と友人は言っていましたが、今回はどちらかというと皆さん聞き入っている感じ。
日本にはこういう曲ないよなぁ・・・
「失った故郷」という点に言及すれば、震災の時はあちらこちらで”ふるさと”が演奏され、胸がいっぱいになったけど、それとこれとはちょっと違うし。
なんとなく羨ましい気もしないでもないなぁ。

隣のおばちゃんたちも言っていたけど、合唱の人たちがとっても良かったし。
舞台もこれだけ整っていると観甲斐があります。

ものすごい拍手でした。
最初ちょっと気になったのが、以前歌をやっている友達に聞いたんだけど、これくらい大きな劇場だと、歌って生の声が聞こえているわけではなく、マイクで音を拾っていると。
今日は最初その音が大きすぎるような気がしたんですよねぇ。
まぁ所詮素人耳ですから、普通だったのかもしれませんが。
幕が(Nabuccoの場合は”部”というらしいですが)進むにつれ、耳に心地よい音量になったんですけどね。

ひとつ残念だったのは私も後ろのおばちゃんたち。
しょっちゅうおしゃべり、挙句最後の山、フェネーナのソロの部分でこのおばちゃんの電話がけたたましく鳴り出した。
あの時はすごかった・・・
しばらくみんな誰?誰?と見回していたんだけど、おばちゃんが電話見つけられなかったみたいでなかなか切らなかったら「切れ!」と・・・こちらの方がよっぽどうるさくて。
先日友達が行った時も後ろのおばちゃんたちが上映中なのに、何かぶつぶつと話をしていたとか。
友人は頭にきて注意したそうです。
以前書いた、上演中にメールを送る人の携帯の画面の明るさの不愉快なこと。
最近、こういうマナー違反がとっても増えていて、とても残念です。
挙句今日は上演中のフラッシュをたいて、写真を撮っている人までいる始末。
後ろに係員はいたんですよ。でも舞台を観ていて注意もしない・・・

さてさて、これを書きながらまたNabuccoを聞いている私も大分イタリア人化してきちゃったかな?
Viva Verdi,Viva Italia!!
今週も一週間がんばりましょう!!



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