税金のお話は昨日で終わりにしたかったのですが、8日の朝刊に載ってました。
ヴェネツィアがいよいよ「訪問税」を導入すると。
日本のサイトはほとんど「訪問税」と訳しているけど、個人的にはtassa d'ingressoとイタリア語で言っているので「入場料」→「入島税」の方が本意ではないでしょうか?(tassa di sbarco「下船税」と言っているところもある)
まぁこの話は何年も前から出ていたことなので、全然驚きませんが。
昨日もお話した通り、現在イタリアではヴェネツィアだけでなくホテルに滞在すると、そのホテルの★の数によって滞在税(tassa di soggiorno)を徴収されます。(たま~に田舎の方に行くと払わなくていい時も有りますが、稀)
この税金にも色々問題が有るんです。
まず、集まった税金は全てRomaに集められていると言うのですが、用途は不明。
個人的には、そのお金で公衆トイレの設置、および美化を呼び掛けたい!!がそんな声は届くわけがない。
更に最近増えている所謂”民泊”みたいな滞在場所では、完全徴収が不可能な状態が何年も続いている。
ただでさえ、仕事するよりいかに脱税するかを考えていることが多いのでは?というイタリア人が多い中、外国人の私には理解できないことが多すぎる。
そして最後はいつでもこれ。
自国民からとれないないなら外国人から取ってしまえ~
まぁ、どこの国も同じ。
ヴェネツィアのテーマパーク化(これは私が勝手に思っているだけですが)は、この島の特別な事情による。
記憶に新しいことと思われるが、昨年サン・マルコ広場(Piazza San Marco)の浸水は1メートル50センチを超えた。
近い未来この世界で唯一無二の島は水没してしまうと言われている。
その水没を防ぐために考えだされたのが通称「モーゼ計画」
海に大きな壁を建て、潮の満ち引きに応じて開閉させるという大計画だったのだが、これも資金繰りがうまく行かずとん挫しているとか、いないとか。
ちなみにベルルスコーニの選挙公約だったシチリア島と本島を結ぶ橋を橋を架けるというこちらも大大計画は、政治的な理由で消滅した。橋はなくてもとりあえず死活問題にはならない。
何もしなくても水没が進んでいるこの島に更に痛手を与えているのが大型のクルーズ船。
ヴェネツィアには毎年約600隻の大型クルーズ船が寄港している。
毎年何度もこのクルーズ船の寄港を反対するデモが起こっているが、もちろん効果はない。
効果はなくてもやることに意義がある、というのがイタリア人。
そしてクルーズ船の客は宿泊しないので、税金を払わない。
「観光客が多ければそれだけ潤うじゃん」、というのは安易な考え。
ヴェネツィアの物価は本土の物価よりかなり高め。
実際、ヴェネツィア本島を離れるヴェネツィア人は毎年増加。
観光客はなかなかお金を落とさないのに、落とさないだけならまだしも、街を汚したり、物を壊したり。
昨年(おととし?)の夏は、とうとう入島制限が出た。
仕方がない、ヴェネツィアはテーマパークではない。住民がいるのだ。
その住民たちの生活が脅かされている。
新税の導入は予算案の一部として昨年12月29日に市議会で可決され、早ければ今年7月より導入される予定。
観光客の最ハイシーズンからの導入だ。
税額は2.5~10(約315~1260円)ユーロで、季節に応じて調整されるらしい。
「訪問税」によって年間5000万ユーロ(約63億円)の収入が見込まれる。
税金を払わなければいけない者は、ヴェネツィアに入島する全ての人。
船だろうが電車だろうが車だろうが、宿泊しようがしまいが、日帰りだろうが一瞬足を突っ込むだけだろうが。
勿論住人は除外。また就労や研究のために市を訪れる人も除外の方向で検討が進められているらしい。
ただし問題は徴収方法だ。
こちらはまだ検討中。
あと半年しかないけど大丈夫か???
そしてちゃんと住民や島に還元できるのか???
中道右派のルイージ・ブルニャーロ(Luigi Brugnaro)ヴェネツィア市長は、イタリアの日刊紙レプブリカ(La Repubblica)に、「歴史地区の清掃や安全確保のための費用は、長年ベネチア市民が負担してきた。今後、私たちがベネチアをきれいに保ち、市民がより快適に生活できるようにする助けとなるすべての人に感謝したい」と語っているとか。
私は知らなかったけど「訪問税」は既に、シチリア島(Sicily)の北にあるエオリア(Aeolian)諸島、イタリア最南のランペドゥーサ(Lampedusa)島ですでに導入されているんだとか。
参考
Il Gazzettino Venezia-Mestre
http://www.afpbb.com/articles/-/3204722
問題は払うことではない。
もし正当な使い道の元徴収されるのであれば、喜んで、とまでは言わなくても払う。
でもどの国も同じだけど、徴収された税金や寄付金の使い道が明確でないから問題なのではないか?
と新年早々立て続けにお金の話で失礼しました。
私は12月29日-1月6日にパリとリスボンに行ってきました。美術館にも行ってきました。
fc2のブログに詳しく書いています。fontanaさんが行ったことがあるところが出てくるかもしれませんね。
↓お時間がある時、ご覧ください。
https://tatsu114.blog.fc2.com
コメント&ご心配ありがとうございます。今はすっかり元気になったのですが、ブログの更新を怠っています。
年末年始はパリとリスボンだったのですね、羨ましいです。
ブログをちょっと拝見しました。時系列が逆なので、申し訳ないのですが、モロー美術館私も大好きです。凱旋門の辺りは相変わらず混乱状態が続いているんですね。旅行には支障なくて何よりです。Leonは私もパリに行くと必ず行きます。あそこのフロマージュブランが絶品で、ムール貝とポテトでお腹いっぱいなのに、ついつい食べてしまいます。続きも少しずつ拝見させていただきますね!!
今年もよろしくお願いいたします。