モーゼ始動ーVenezia

2021年完成予定だったMose（モーゼ）が先日満を持して始動した。
Moseとは何ぞや？
これ、イタリア政府が2003年から始めた、総工費約55億ユーロ（約6800億円）という巨額の資金をかけて、鳴り物入りで始めたヴェネツィアの高潮対策。
巨大な水門を海底に寝かせた形で設置し、高潮の際に水門を起き上がらせて海水の潟への流入を防ぐという大規模な仕掛け。
当然言葉で説明しても分からないので、動画をご参照下さい。
Mose salva Venezia da acqua alta, San Marco asciutta

政治家の汚職事件や経済危機の為遅れに遅れ、それでもMessina（メッシーナ）とSicilia（シチリア島）を結ぶ橋計画のように潰れなかったのが救い。

10月3日、最大125センチの高潮が起こる予報が出ていたところ、この水門を立てたところおよそ70センチの被害で済んだという。
ヴェネツィアではここ数年高潮の被害が深刻化、昨年11月には観測史上2位となる187センチを記録し、歴史地区の大半が被害を受けた。

ただ面白いのは、イタリアの新聞を読んでみると、「機能したんだ」とか「動いて良かった」など、厳しいご意見がちらほら。
これだけ大金かけて役に立たない？
でも動画見てるとやはり一抹の不安は有る。
一度使ったら二度と動かなくなったりして…
これ、笑い話ではない。
イタリアでは良くある話。
いやいや、くわばらくわばら。
お金のことはさておき、唯一無二の水の都を守るため、長きに渡って頑張って欲しいものだ。

参考：https://www.asahi.com/