芸術の秋全開です。
といってもただ単に、まとめてかたずけちゃおうってだけなんですけどね。
だって、こんなこと言ったら怒られるかもしれませんが、東京きらいなんですよね。
最近は展覧会他用事がある時しかでかけないし、だから出かけるときはまとめて済ませたいんです。
ということで昨日は東京駅周辺を攻めました。
順番としては、三菱一号館美術館→東京ステーションギャラリー→三井記念美術館でしたが、一番コメントが短くなりそうな東京ステーションギャラリーから行きますね。
東京ステーションギャラリーでは今週末まで「横山崋山」展を開催中です。
そう、今週末までってことで、会場は稀に見る混雑。
いやはや、想像はしてましたけどね…
実は全然見に来るつもりなかったんです。
「横山崋山?ん?誰ぞや?」と思っていたもんで。
それがSNSなどで結構評判が良いのを見ていたのと、何と言ってもテレビでした。
10月6日の「美の巨人たち」で特集が組まれてたんです。
この番組見て、「よし、見に行くか!」となってしまったのは私だけではないのです。
だからこんな無名に近い画家の展覧会にこんなに人が。
これってまんまとテレビ局の魔の手(いやいや、策略)にはまってますよね。
しかし、テレビで特集されていた山形美術館所蔵の「紅花屏風」は、既に展示替えでなかったんですけどね。
横山華山(よこやまかざん 1781/4~1837)は、江戸時代後期の京都で活躍した人気絵師で、曾我蕭白(そがしょうはく)に傾倒し、岸駒に入門した後、呉春に私淑して絵の幅を広げた華山は、多くの流派の画法を身につけ、作品の画題に合わせて自由自在に筆を操りました。
しかしそんな崋山はなぜか長きに渡って忘れられた存在になっていました。
なぜこのタイミングでの回顧展なのでしょうか?
今回はそんな華山の多彩な画業を系統立てて紹介する初めての回顧展なんだそうです。
曾我蕭白や弟子たちの作品も含め会期中約100点の展示、ボストン美術館や大英博物館など海外に渡った作品も里帰りして、火山の全貌に迫った展覧会となっています。
ボストン美術館?行ったけど見たかなぁ???あそこ、いったいどれだけいいもの隠してるんだろうか?
この展覧会の前に印象派の絵画にどっぷりつかってしまった私が一番気になったのは、人物などの輪郭でした。
西洋絵画に見られない、この縁取りが気になりましたね。
あと、金屏風もやはり暗い室内を明るくするための役割が有ったのでしょうかねぇ?
どうしても普段見慣れた西洋画と比べてしまって、素直に見られないんですよね。
そしてなんかいつも不満、になってしまうのですが、今回の展示はいまいちだと思います。
というのは、日本画は得てしてケースに入れて置いてみることが多いですよね?
今回も巻物が有ったので(これが今回の目玉ですしね)当然ケースに入れて、上から観覧するわけですよ。
そうするとどうしても自分の陰で作品が隠れてしまう。
近くで見たいと前かがみになればなるほど作品が暗いんです。
これ、なんとかならないんですかね?
途中、高齢のご婦人がある若いお嬢さんに「そんなに屈むと作品が暗くなるから、立って見なさい!」と文句を言っていました。お嬢さんは素直に聞いていたようですが、隣にいた私は一瞬「むっ」としてしまいました。私が注意されたわけでもないのに。
でも、これってお嬢さんに言うことなんですか?
誰だってのぞき込んで、じっくり見たいのに…これって決してマナー違反なんですか?気分悪っ。
東京ステーションギャラリーの会場は本当に暗くて、のぞき込まないと細かいところまで分からないんですよ。
ケースの中にライトをつけるとか…それが作品の保存上よくないのであれば、少しだけ斜めに置いてくれれば(どうせ一方向からしか見られない展示方法なのだし)影が出来ないような気がするのですが…
これは西洋画にはあまりない問題だと思うのですが、改善の余地はあると思うのですがいかがでしょうか、会場関係者の皆様。
あと不満ついでにもう1つ。
これはここだけの話ではないし、何度かこの件には触れたと思うのですが、日本の美術館、リュックサックでの入場を制限してください。特に会場が混みあっている時!!
もちろん分かります。
今はリュックが大ブームで老若男女皆さん使っていますけど、展覧会会場、美術館でのリュックの使用は危険です。
海外の美術館ではこれ常識ですよ。
せめて、前掛けにするとか…
とひとしきり不満を述べたところで…
私の一番のお気に入りはこれでした。
百鬼夜行図
何だかなぁ…かわいいじゃないですか。仙厓の禅画を髣髴とさせます。
今回の目ダメ「祇園祭礼図絵巻」は圧巻でした。
上下合わせて約30メートル。会場で見られるのはそのほんの一部ですが、確かに見応えはあります。
色彩、人物表現豊かで素晴らしい作品でしたが、何せゆっくり見られない。
先程書いたように、絵が細かいのにとにかく暗い。
前後人に挟まれているので、自分のペースで見学できない、などなどちょっとフラストレーションのたまる展覧会でした。
横山崋山自体はどうだろう?
う~ん、コメントのしようがありませんなぁ。
「すごく良かった。」「今年のベスト展覧会」とコメントしている人も結構いますが…そんな話を聞いたから行くことにしたのですが。はい、もちろん悪くないのですが、作品より会場の不満が多すぎて…すみませんねぇ。
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