週末、外出自粛令が出た神奈川県。
今更~の感もありますが、とりあえず家にいる。
日曜の今日は、午前中から霙、雪が降り、かなり人出が抑えられたのではないでしょうか?
さて、日本の生ぬるい状況とは違い、厳しい外出禁止令が未だ解けないイタリアでは、様々な美術館から動画配信が無料で行われている。
2度とこれほどの作品が一堂に会することはない、と言われるローマで開催中のラファエロの特別展からも色々と興味深い動画が配信されていて、日本からでも見ることができる。
26日に配信されたこの動画では、10のテーマに分けられた展示室を細かく紹介していた。
Una passeggiata in mostra
いやいや、これ見たら益々行きたくなる~
この動画によると、展覧会の流れはこんな感じ。
死の床につくラファエロをローマにいた大勢の人が見舞う絵から展覧会はスタート。
8日前から高熱が続いていたラファエロは、1520年4月6日から7日にかけての深夜突然この世を去る。
ラファエロ遺体は、パンテオンに運ばれた。
Sala 1 La Tomba di Raffaello al Pantheon (第1室 パンテオンのラファエロの墓)
古代建築の研究の礎として自ら足しげく通っていたパンテオン。その自ら修復した壁龕に、弟子のLorenzetto(Lorenzo di Lodovico di Guglielmo)が製作した古代のアフロディーテ像をモデルとしたMadonna del Sassoが置かれたその下にラファエロは埋葬された。(展覧会ではそれも再現されている)
Sala 2 La Lettera a Leone X (第2室 レオ10世への手紙)
1519年ローマの街を古代へ回帰するための都市再建計画を教皇Leone X(レオ10世)から任されたラファエロは教皇に当てて自分の都市計画を書き送る。
建築家ラファエロの頭の中が覗ける大事な資料の1つ。
Sala 3 Il paragone con gli antichi (第3室 古代との比較)
Sala 4 Le grandi committenze sotto Leone X (第4室 偉大なる注文主たち、レオ10世)
ラファエロの名声は国内だけに留まらず海外へも。
ラファエロの偉大な注文主たちに焦点を当てて。
Sala 5 Gli arazzi vaticani (第5室 ヴァチカンのつづれ織り)
Sala 6 Poesia e Pittura (第6室 詩と絵画)
ラファエロの女性美、女性像に焦点を当てて。
Sala 7 Raffaello architetto (第7室 建築家ラファエロ)
ローマ建築のデッサン。
Sala 8 Le committenze Chigi (第8室 キジ―家からの注文)
銀行家キジー家からの注文はPalazzo Farnesinaの装飾など、スケールの大きいものが多かった。
Agostino Chigiはラファエロの死から5日後に亡くなり、ラファエロがプロジェクトしたSanta Maria del Popolo(サンタ・マリア・デル・ポポロ教会の)キジ―家の墓に埋葬された。
Sala 9 A Firenze per imparare (学びのフィレンツェ)
ラファエロがフィレンツェに来た頃、花の都はルネサンスの代表的な芸術家で溢れていた。
1504年、レオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロは、Palazzo Vecchio(ヴェッキオ宮殿)で幻の戦闘図を描き、Fra Bartlomeo, Fillippino Lippi, Piero di Cosimoが活躍していた。
ラファエロはリアルタイムで彼等から学び、MasaccioやDonatello, Luca della Robbiaなどの遺産からも大いに学ぶ事が出来たことで、フィレンツェ色に染まり、それまでのペルージャ色が薄れていく。
Sala 10 Raffaello giovanissimo (若き日のラファエロ)
レオナルドの影響が見られるDama col liocorno(一角獣を抱く女)などの作品の最後にウフィツィ美術館所蔵の肖像画で展覧会は終わる。
動画は他にも配信されていて、Stanze di Raffaello(ラファエロの間)に関する動画も非常に良かった。(こちらは英語字幕付き)
Raffaello Principe delle arti
実物を見ることが出来ない今の時期、普段見られない動画で予習?復習?どうでしょうか?
動画を見ると益々実物が見たくなる、という弊害はありますけどね。
ラファエロはファンが多いらしく、板絵中心の作品紹介動画(URL)も偶然みつけました。
動画情報ありがとうございます。
外出規制の続くヨーロッパから色々と貴重な動画が配信されているのはうれしいことですが、早く安心して実物を見に行ける時が来ることを願います。
このままでは「ロンドン展」もどうなることやら…せっかくクリヴェッリ見られると思って楽しみにしていたのに。