明日は「山の日」なのですか?
なんですかねぇ…
こちら今日は少し曇っていて、涼しいです。
夜、友達のコンサートが有るので(教会の中だから雨は関係ないですが)せめて雨は降らないでほしい。
夜出かけるので、早めに続きを。
バスターミナルでピザを食べて、バスに乗りました。
朝乗ったバスもCivitanova行きでしたが、午後も行先は同じ。でも回るところが違うので、運転手に確認して乗る。
「Abbazia di San Claudioで下ろして下さい」と言って一番前に座る。
Macerataから30分弱なんだけど…何もない。
「ここだよ」と教えてくれた上、こちらが何も聞いていないのに
「あの道をひたすら真っすぐ行けばいいよ。日陰だからそれほど辛くないよ」と丁寧に教えてくれた。
しかし…
この道見たらちょっとひるんだねぇ…
先が見えない。まぁ看板には1キロって書いてあったので、大した距離ではないのは確かなんだけど…
車なんか来ないかと思ったら結構通っていて、こんなところで車にひかれたら・・・とちょっと怖くなったし、
数人のおじさんとすれ違ったので、ちょっとドキドキした。
でもこのおじさんたち、多分だけど、願掛けかなにかしている人ではないかな?
私が行って帰ってくる間に、2度ほどすれ違った。
ということは行ったり来たりしていたのでは?
ただ単にウォーキングだったのかもしれないけど。
いきなり道が切れたと思ったらこんな感じの何もない畑(?)が左側に広がっていて、その先にレストランが見えたので、そろそろ終点に到着かな?
おお、目的にAbbazia di San Claudioに到着。
ひ~暑い。焦げそうです。
勿論私しかいません。
げげげ、ドア閉まってる???
と思いきや開きました。
中は静かだし、涼しい。
とても簡素です。
この教会すごい古いもののようですが、謎だらけ。
11世紀ごろから記録には残っていて、マルケ州のロマネスク建築のなかでも原型をとどめた最も重要な建築物の1つ。
研究家は6~11世紀のものと考えている。(随分いい加減じゃん)
一番有力な意見はGiovanni Carnevale教授のもので、1992年にアーヘンの大聖堂と比較し、8世紀ごろの建設というものらしいです。
他にもオルレアンの近くの803-806年に建設されたGermigny-des-Prés(ジェルミニイ・デ・プレ教会)にも同じような構造上の特徴が見られることによるそうです。
この両側同じ円柱の塔は、たぶんRavennaのSan Vitale教会引いてはビザンチン様式の影響によるものだろう。
1924年から2年に渡って行われた修復の際に、主祭壇の下から石棺が発見された。
その中には剣を持ち、ブロンドと赤い髪をしたミイラが発見されました。
この発見から数日後教会の右側の柱の近くから古い騎士の持ち物と思われるものも発見されました。
Carnevale教授は1002年Paterno(シチリア)で亡くなり、アーヘンの教会の主祭壇前に葬られたOttone IIIではないか、と仮定している。
主祭壇に残ったフレスコ画
12,13世紀ぐらいのものかな?
あっ、1486年なので、15世紀でした。
S.ClaudioとS.Rocco
これはこの教会の変遷かな?
Abbaziaとは「大修道院長が管轄する修道院」のこと。
と言われてもキリスト教徒ではない私にはいまいちピンときませんが…
え~と何々。
日本語にするとすべてが「修道院」となってしまうわけだが、
Monasteroとは「suore(修道女)やfarati(修道士)が週何で生活する建物のことで、小さな街くらいの大きさもあり、昔は経済的に自立していた。
AbbaziaはMonasteroの特別なタイプで、何が違うのかというと、権利、法の独立。
つまりAbbaziaやそのテリトリー内ではAbate(修道院長)Badessa(女子修道院長)が法をコントロールしていた。
Conventoは日本の辞書にはMonasteroと同義と書かれているが、構造上の大きさがAbbaziaと比べて少しだけ質素で、特に住居として機能している。
他にもEremo(隠者の住居)は社会的接触を断つような離れた場所で厳格な生活が送れる場所、とか
Certosa、こちらはCertosini(カルトゥジオ会)の修道士が生活する修道院(大抵丘陵地)のことを指すそうです。
さて、暑いから中から上に上がれないかなぁと思ったら、有りました。
ここ上がって大丈夫かなぁ…という感じだけど上がってみました。
上も何もない。
がら~んとしてて誰もいないし、ちょっと怖い。
暑いけど早々に出ました。
上のドア
あつっ、あつっ。
さて、移動のバスを逃すと怖いのでそろそろ来た道を引き返しましょう。
これMacerataかなぁ…
バス停は降りた場所と同じ。
しかし、これもしMacerata方面に戻るとすると、目の前に、いや見える範囲にバス停ないんだけど…
ということでこの後は必ず次に乗るバス停の場所を降りる時に確認することにしました。
バス停が有っても、時刻もたぶん合っていると思ってもバスが時間通り来ないと不安です。
10分ぐらい遅れるのは普通ですが、早く行くってこともなくはないので、前後10分の余裕が常に必要かと思います。
この時も「げ~来ないのか?」と思ったら来ました。
2軒目の教会はBasilica di Santa Maria a Piè di Chienti
いつも通りここで降ろしてくださいと運転手にお願いすると
「何?どこ?えっ?」な返答。
すると一番前に座っていたおばさんが「××の信号のところだよ」と助け船を出してくれました。
「Santuarioに行くの?」とおばさんに聞かれました。
Santuario…聖域です。
信者でもなんでもないんで、ちょっと気が引けますが。
同じ通り(奥には入っているけど)これほどの教会が2カ所も有るなんて、この通りも巡礼の道だったのかぁ…
こちらはバス停から10分もかかりませんでした。
どちらかというと街中、教会の前の日陰でなんか大勢の人がカードゲームをしたりしていました。
とてもイタリアな光景です。
Basilica di Santa Maria a Piè di Chientiまたの名をbasilica della Santissima Annunziataといい、
こちらもマルケ州のロマネスク建築の特に重要なものの1つです。
何か名前の方は何度も替わっていて、ちょっと問題が起きている、てなことがWikipediaに書かれていました。
だから運転手さんもピンと来なかったのかな?
建築は1125年、教会内の碑文に記されています。
しかし、別の記録では既に936年にも建設されていたともされています。
形の方は後年何度も改築が加わり、特に12世紀の改築により現在のような形になったとされています。
外側はのっぺり、シンプルな感じなので、う~んわざわざ来た甲斐なかった?と思ったものの
中すごい
2階建て
内側へは入れませんが。
そしてここもまた狭い階段を上ります。
私しかいないのがいいのか悪いのか…
階段が狭いのは本来この2階部分は聖職者専用だったため。
ん?ここでちょっと疑問。
この部分って確かmatroneo(マトロネオ)と言い、それって「ビザンチン様式の教会の、内壁から張り出した婦人用歩廊」のはず…って”本来は”という特記あり。
ふ~んそうだったのね。
構造上の話をもう一つしておくと、この教会にはdeambulatorioという回廊というか周歩廊がある。
これ、フランスロマネスク建築からゴシックにかけての特徴的な建築様式の1つでもあるんだけど、この”deambulare”というラテン語は「歩く」という意味。
つまりこれ、巡礼者が歩くために造られているんです。
それも初期キリスト教教会の頃から。
この後陣の周りの回廊をは11,12世紀、巡礼教会の典型的な特徴でした。
というのも主祭壇の周りを周ることは聖地に行くことと同じと考えられていた。なぜなら主祭壇には聖人の聖櫃が納められていることが多かったから。
そしてこの回廊に沿って礼拝堂が作られていることが多いですが、それは前方の主祭壇で祭事が行われていても、それを邪魔することなくお祈りをすることが出来るからなんですって。
知らなかった~
これで私も聖地に行ったってことですわ。
上には結構良い感じでフレスコ画が残っています。
Cristo in mandorla tra S.Giovanni Battista e la Madonna della Misericoldia
アーモンド形の中のキリストが中央で、向かって左が洗礼者ヨハネ、右が慈悲の聖母。
14世紀のMaestro di Offidaの手によるもの。
他の壁にも
受胎告知
聖母子像と船?
上からの様子。
日常的に使われている感じの強い教会でもありました。
とても面白かったですね。
これが外から。
建築的にはイタリアの特徴がとても出ているそうです。
というのもバジリカ式、3身廊で、3本のうち真ん中が長い。屋根はa capriateという小屋組みで、ほとんどレンガで造られているので、余計素朴な感じがします。
こっちの後ろ側は2体(?)の半円形の後陣に3つの礼拝堂がくっついています。
うん、きれい。
満足、満足なんて思っているうちに、帰りのバスが危うい時間に。
本当はバスを降りた時に
このおいしそうなお菓子屋さんでお茶でも~と思ったのですが、そんな時間はなくMacerataへ戻りました。
帰りのバスは海帰りの人でほぼ満席でした。
そうそうちなみにこの午後の旅のバスの料金ですが
MacerataからAbbazia di San ClaudioはTariffa2で1.8€
Abbazia di San ClaudioからBasilica di Santa Maria a Piè di ChientiまではTariffa3で2.2€
Basilica di Santa Maria a Piè di ChientiからMacerataがTariffa4で2.6€でした。
おっと、そろそろ出なきゃね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます