イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

今日からアドヴェント(Advent)だからシュトレン(Stollen)を-ドイツのクリスマス

2020年11月29日 18時00分39秒 | 世界の食

明日で11月も終わり。
最近日本でもこの時期になると様々な国のクリスマスのお菓子を見かけるようになった。
それも輸入ものではなく、メイド・イン・ジャパン。
例えば

イタリアのPanettone(パネットーネ)
今回改めて調べたら、発祥の地のミラノではこんな習慣があるとか。
クリスマスのお昼に食べたパネットーネの一部を2月3日のsan Biagioの祭りの時に家族と一緒に空腹の状態で固くなったパネットーネを食べると喉の痛みや風邪に聞くという。
ミラノ人曰く"San Bias el benediss la gola e el nas (San Biagio benedice la gola e il naso.聖ブラシウスが喉と鼻を祝福する)"とのこと。
この日は、”panettoni di san Biagio(聖ブラシウスのパネットーネ)”と言ってクリスマスシーズンに売れ残ったパネットーネをお店では大放出するらしい。

またミラノでは、伝統的な製法を守った手作りのパネットーネにはちゃんと証明が付いている。

知らなかった、知らなかった~!!
次回は絶対食べてやる~

さて、もう1つ最近頻繁に見かけるようになったのがドイツのお菓子「シュトーレン」
うちの近所のパン屋でも売られていて、前を通るたびに気になっているし、先日KALDIに行ったら売ってたし、こんなに日本で市民権を得たのはいつのことなんだ?

ってこの「シュトーレン」という発音は、ドイツ語の発音としては正しくない!とWikipediaに書かれていた。
正確にはシュトレン(独: Stollen)だ、と。
この時期に作られるシュトレンはChriststollenと呼ばれているそうだ。
「一般にシュトレン発祥の地はザクセン州のドレスデンとされているが、シュトレンの原点となる最古の記録は1329年のナウムブルク(Naumburg)の司教に贈呈したクリスマスの贈り物であるとされている。ドレスデンでシュトレンの名前の使用はナウムブルクの記録から150年後だった。」(引用:Wikipedia

発祥の地と言われるドレスデンでは、毎年第2アドヴェントの前日の土曜日に長さおよそ4メートル、重さ3tほどの巨大なシュトレンがパレードするお祭り(Stollenfest)が開催されている。
(最高記録は2013年の4246kg。最後に500グラム程度に切り分けられ、販売されるらしい。)
今年はどうかなぁ、とチェックしたらちゃんと12月5日に開催されるみたい、良かった、良かった。
と思っていたら、なんと中止になっていた。
やっぱり…
詳細はこちら
https://www.dresdnerstollen.com/en/stollenfest

2010年にドレスデンに行った時もシュトレンについては調べたのに(記事はこちら)すっかり忘れていた。
シュトレンは「ドイツでは、クリスマスを待つ4週間のアドヴェント(待降節)の期間に少しずつスライスして食べる習慣がある。」それは「このシュトレンの形と、砂糖でおおわれた外見は、幼子イエスが純白のマントでくるまれたことに由来すると言われる」ということだ。(参考:Wikipedia)

アドヴェント(アドベント?Adventなら「ヴェ」が正しい?)というと、あのカレンダーを思い出すのだが、はて、正確には分からん。
なら調べましょ。
手元にある伊和事典を引くも出て来ず、付属のジーニアス英和辞典を引くと
1.キリスト降臨〔降誕〕;降臨節、待降節《クリスマス前約4週間;祈りと断食の時期とされる≫;(最後の審判の日の)キリストの再臨(the Second~)
2.省略
とある。

そうか、だからアドヴェントカレンダーは正確には12月のカレンダーではないのか。
じゃあ、シュトレン祭が行われる、第2アドヴェントとは???
アドヴェントは全部で4回ある。
日曜日を一区切りと考えるらしい。
え~と、今年は12月25日は金曜日だから、第4アドヴェント20日の日曜日。
第3は13日で第2は6日、おお、今日は第1アドヴェントではないですか!!

ドイツではこのアドヴェントの日にAdventskranzと呼ばれるクリスマスリースの上に乗った4本のろうそくに1本ずつ火を灯していくのだとか。

写真:Wikipedia
4本目が灯ると間もなくクリスマス。
なんでも”古来、12月25日がイエス・キリストの誕生日として祝われてきましたが、聖書にはイエスが生まれた日付けは記されてありません。普通、教会では12月25日に近い日曜日にクリスマス礼拝が行われます。”とある。(引用:https://www.tamadech.jp/kyoukaireki.html

そっか、じゃあ今日からシュトレンを食べるわけね。
24日分なら大きいの買わないと、か。
そんなことも考えず、お土産として去年ドレスデンに行った時、また買ったんだよね、シュトレン。
この時期しか食べられないし。

こちらの有名店エミール・ライマン(Emil Reimenn)の。(この店は一年中シュトレンを売ってるらしい)
これは2010年の写真。
この時買ったのは食べられなかったの。

で、小さめのを買ったんだけど、写真撮り忘れた。
そして今回は食べ比べしたかったので、他のお店も探してみた。

こちらも有名店。
本物の「ドレスナー・シュトレン」にはドレスデンの管理番号が入った金色のシールが貼られている。

ドレスデンにある約150軒のパン屋が、代々伝わる門外不出のレシピで味を競っているんだとか。
ミラノのパネットーネもそうだけど、こうやってちゃんと伝統を守っているところがヨーロッパの素晴らしいところだと思う。
今回はシール貼られてないのも買ってみた。

これで10€くらいだったかなぁ…

日本のお菓子の繊細な味に慣れてしまうと、素朴な味のパネットーネもシュトレン物足りないと感じるかもしれませんが、これはこれ。数百年の伝統の味はやはりうまい!!
そして、その文化まで味わえるんだから幸せだ。
ただ、このシュトレン、日本では気を付けないとすぐカビる。
防腐剤を使っていない証拠なんだけど…

ドイツ最古のクリスマスマーケットとも言われるドレスデンのシュトリーツェル・マルクト(Striezelmarkt)
この名前はまさにシュトレンに由来している。
1434年に始まった、シュトリーツェル・マルクトは昨年585回目だった。
第586回に当たる今年は、こちらも残念ながら中止となった。

これを書いている間に無性にシュトレン食べたくなって、近所のパン屋へGO!

「シュトレン」と「シュトーレン」、どちらかに統一した方が良くないですか?の突っ込みはさておき、辛うじて2本残っていたけど、値段を見てびっくり!!
1本1600円也⁉
確かに地元でも安くはなかったけど、高くない!
私、キリスト教徒ではないので、1600円出すなら虎屋の羊羹にしますわ。(1600円じゃあ、小形5本しか買えないけど)
ということで買ったのはこれだけ。

3枚で400円。(こちらは栗と黒豆入りで1本1800円ですよ~)
3日しかもたないね。
金額に見合うくらい美味しかったら来年1本買うけど、とりあえずKALDIにしとくかな。

シュトレンの詳しい歴史はこちらの記事が詳しく説明していて参考になった。
https://gotrip.jp/2017/12/81972/



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