8月12日です。
今から72年前Sant'Anna di StazzemaというLuccaの小さな村で、ナチスドイツ軍によって100人以上の住民が無差別に殺害されたました。
この無差別殺人は、現代のテロにつながるということで、今日の式典にはニースの市長も参加していたとか。
この虐殺に関してはハリウッド映画の「セントアンナの奇跡」また別の場所ですが、同様のテーマを扱っているイタリア映画「やがて来る者」などに詳しく描かれていて、
数年前イタリア人からこの話を聞いてこの2本立て続けに見ました。
どちらも重い映画でしたが、日本同様イタリアにも語り継いで行かなくてはいけない、記憶が残されていると改めて考えさせられます。
セントアンナに関しては未だに虐殺に加担したドイツ人との裁判が続くなど、「72年前にこと」と一言で済まされない部分もまだまだ残っています。
オリンピックばかり見てないで、もう一度この映画見ようかな?
さてさて、昨日の続きですが、今回のMarcheの旅の最大の目的はなんといってもMacerataでオペラを観ること。
このMacerataの野外オペラでイタリアの主要な劇場でのオペラ鑑賞は終わりです。
2年前行く気満々でチケット取っていたのですが、急きょ大きな仕事が入りキャンセル。
今回がリベンジなので、雨なんか降るなぁ~という感じだったのですが、日ごろの行い相当悪かったのか、この日だけ朝から雨マーク。
「明日どれだけ雨降っても良いから、今晩だけは降りませんように」と祈ったんです。
でも、これ…口は禍の元。
やはり日頃の行いが悪かったんでしょうねぇ…この話は次回へ。
午前中は辛うじて太陽が出ていたのですが、お昼を過ぎたくらいから雲行きが怪しくて…
早めの夕食で外に出た時は青空がまだ出ていたものの、風が怪しい…
そして開演30分前、いざホテルを出ようとしたら、なんと…
ホテルの入り口には着飾った人たちが20人くらい。
こんなに泊まっていたのか、みんな行くのか、とちょっと驚いた。
雨はスコール&雷。
みんな「まだ30分有るから」と言いながら心配そう。
あのですね、とても重要なことですが、払い戻しって基本的にないんですよ。
勿論始まってしまったら、たとえ最後まで行かなくても払い戻しがないというのは分かります。
一度Veronaでカルメンを見た時、残り1幕で大雨が降って流れました。
でも、遅れてスタートは有っても、何が何でも初めてしまう、だって「天候不良での払い戻しは有りません!」と書かれているんですよ。
(他の野外オペラは知りませんよ)
聞いた話だと、数年前週末に毎週雨が降り、全く上演が出来なかったそうです。
その時から払い戻しはしないことになったとか…痛い目に遭ったんでしょうね。
ということで何が何でも始めるということで、みんなひたすら雨が上がるのを待つしかないんです。
ちなみにホテルの人は傘を貸してくれました。
するとラッキーなことに15分ぐらいで雨が止んできました。
その時点で会場へ。
このホテルからは5分位。
ホテル出るとすぐアレーナの後ろの壁でした。(これは夕食食べに行った時間)
会場に着くと、雨は止んでいましたが、座席のコンディション確認の為かホールでちょっと待たされましたがすぐに中に入れましたが、濡れた椅子はどうするんだろ?と思ったらなんとキッチンペーパーが配られました。
こんな写真見たくないですか?
みんな自分で自分の席を拭いていました。
唯一係が拭いてくれたのは一番高い席だけでした。
私は入ったのが早くて、既に切られたものをもらったのですが、後から来た人には係の人がキッチンペーパーのロールをもって周りそこから自分で取っていました。
その写真を撮れば良かった。
こんな天気なのにほぼ満員。
そしてほぼ時間通りにスタートです。
普段の方がよっぽど遅れてるじゃん。
珍しく本編(?)は始まる前に前座みたいなものがありました。
なんかサービスいいね。
夏の野外オペラは得てして寒くなるのですが、雨が降って風が強くなって寒いのなんのって…皆さん革ジャンとかダウン着ていましたよ。
休憩中…
ここ3000人収容なんだ。
私は1800人くらいかなぁと思っていたのですが。
しかしVeronaが約1万5千かぁ…すごいな。武道館が同じくらいの収容人数のようですね。
日本人も数名見かけました。
う~ん寒かったけどレベル高かったなぁ。
野外は音響がまずかったりしていまいちだったりしますが、ここは大きさもあるのかな?すごく良かったです。
野外なのに字幕が出てた。
でも両端にどっちもイタリア語。端なので舞台見ながら字幕見ることが出来ないのがねぇ…
演目はヴェルディの「オテロ」
殺されたオテロの妻デスデーモナ
やっぱりヴェルディは悲劇が良いですねぇ。
休憩が入らないで幕が替わる時に、シェークスピアの原作の文章を舞台に投影していたのも良かったです。
わざわざ行った甲斐は有りましたよ。
結局終わったのは12時過ぎていて、もう体の芯から冷えていましたが、ホテルが近いので助かりました。
シャワーを浴びないと風邪ひきそうだった出の急いで帰りました。
他のお客さんもシャワーを浴びて、お湯が出なくなったら嫌なので。
でも、外国人は浴びないか?考えすぎだったかな?
そうそう、1つ思い出したことが有ります。
私がまだオペラ”ど”素人だった時(現在は”ただの”素人のつもりですが)入門書として読んだ本が有ります。
これがすごく面白くって、最初はオペラ観に行く前にこれを読んで出かけていました。
でも最近は本棚に入りっぱなしだったのですが、Macerataのことを色々調べていたら著者の加藤浩子さんのブログに行きあたったんです。
私、彼女はてっきり歌もしくは楽器専門の人だと思っていたのですが、今Wikipediaで彼女のプロフィールを見てびっくり!
なんと大学では美術史を専攻しているではないですか~
その後音楽学の方に進んだようですが、こういう方もいるんですね。
歌手の友達にこの話したら、「(私も)美術、オペラ、ジェラートで本出せるじゃん」と言われました。
どうですかねぇ、どれも中途半端ですからねぇ。
この本を読むと、オペラが決して敷居の高いものではないということが分かりますよ。
ではでは次回はこの旅で最悪のハプニングのお話をします。
お楽しみに
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます