先週末、新宿の損保ジャパン日本興亜美術館で開催中の「みんなのレオ・レオ―二展」に行ってきた。
レオ・レオ―二と言えば真っ先に思い浮かぶのが「スイミー」
「スイミー」は今でも光村図書の2年生の教科書に載っている。
「てぶくろを買いに」とか宮沢賢治の「やまなし」とか好きだったけど、「スイミー」は特別好きだった。
数年前には補習校で2年生を受け持った時、懐かしく思い出したし、今も変わらず載っていることがうれしかった。(教科書は少し端折ってるきがするのだが…)
スイミーは赤い魚の兄弟の中で唯一黒い体を持っていた。
赤い兄弟たちはみんな大きなマグロに食べられ、一人ぼっちになったスイミーが海を彷徨い、色々なものを見て回った。(この部分が教科書にはない気がするのだが…)
そして、再び赤い兄弟に良く似た魚と出会うが、彼らは大きな魚を怖がって、広い世界に出たがらない。
そこでスイミーは考えた。みんなが一緒に泳いで大きな魚になろう、そしてスイミー魚の目に。
自分が小学生時は当然ここまで強いメッセージが込められていることに気がつかなかったけど、これってまず他と違う外見に着目。そして、みんなで力を合わせて困難を乗り切ることの大切さを語っていたんだな。
レオ・レオ―二の作品には、どの作品も単にイラストがかわいい、では片づけらない強いメッセージが込められていたことを展覧会に行って初めて知った。
だから子供だけでなく、大人も十分楽しめる。
関東地方では、多くの子供たちが夏休み最後の週末だったので、子どもたちは多かったけど、ちゃんとルールを守って静かに鑑賞出来ている子も多かった。
レオ・レオーニ(1910-1999)は、イタリアやアメリカでグラフィック・デザイナーとして活躍した後、『あおくんときいろちゃん』で、初めて絵本の世界に足を踏み入れた。
ねずみの『フレデリック』
しゃくとりむしの『ひとあし ひとあし』など、小さな主人公たちが「自分とは何か」を模索し、学んでいく物語を、水彩、油彩、コラージュなどさまざまな技法を用いて描いた。(参考:HP)
絵本の原画はどれもかわいく、原画と合わせて絵本が置いてあったので、全ての絵本を読んだ。
ほぼ全作品谷川俊太郎の訳で、非常に気持ちが良い文章だった。
「スイミー」以外の作品を読んだのは初めてだった。
そんななかでも私が一番気に入ったのは
画家になったねずみ、マシューのお話。
屋根裏に住む、貧しいネズミマシューが自分の夢を見つけ、それに向かって行く話。
そしてこれ
イタリアの有名なPanettone(パネットーネ)Mottaの広告。
このキャラクターのままでいいのに。
ここに書かれていた文章を読んだら、Mottaが最初にVeneziaで販売される時の広告のようで、Milanoの元祖のパネットーネがいよいよVeneziaで販売される。柔らかくて、香りがよくて、美味しいなどなどのうたい文句が書かれていた。
ここには絵本のようにレオ・レオ―二に込められたメッセージはないけれど。
レオ・レオ―二の様々な作品にすっかりはまってしい、非常に心が温まる展覧会だった。
この展覧会を最後に、損保ジャパン日本興亜美術館はこの場所から移転。
新宿を見下ろすこの風景もこれで見納め。2020年5月28日よりSOMPO美術館として生まれ変わる。(詳細)
「みんなのレオ・レオ―二展」は9月29日まで
https://www.sjnk-museum.org/program/5876.html
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移転すると言っても、足元へらしいです。
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