イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

ヤヌス門(Arco di Giano)開門ーRoma

2021年11月04日 18時40分00秒 | イタリア・美術

これもコロナのせいなのかな?
最近修復終えて何年ぶりのお目見え、なんて記事がよく目につく。
失った観光客を取り戻すためのあるんだろうなぁ…

さて、本日はヤヌス門(Arco di Giano)

いつも開いてるっていえば開いてるんだけど…

昔「ヤヌスの鏡」というドラマがあったよね。

このヤヌス門はあの有名な「真実の口」のあるのサンタ・マリア・イン・コスメディン教会(Santa Maria in Cosmedin)のすぐそばに有るんだけど、私もその存在に全然気がつかなかった。

あれ?こんなそば?と思ったけどこれはサン・ジョルジョ・イン・ヴェラブロ教会(San Giorgio in Velabro)だった。
この辺はローマ建国のゆかりの地で、建国の父であるロムルス(Romolo)とレムス(Remo)がみつかったのもこの辺り。
教会の中にはピエトロ・カヴァリーニ(Pietro Cavallini)かその弟子のフレスコ画があるということ、次回は是非行ってみよう!!

今は静かなこのエリア、ここでテロが起きたとは誰も信じられまい。
1993年、5月26日から27日にかけてフィレンツェでテロが起きた。
その話は、過去に書いている。(こちら
その日から丁度2か月、この日またイタリア人は恐怖のどん底に落とされた。
1993年7月27日23時14分、最初の爆発はミラノで起きた。
その43分後、次は首都ローマが狙われた。
23時58分、サン・ジョバンニ・イン・ラテラーノ教会(basilica di San Giovanni in Laterano)の前で最初の爆発、その4分後にここサン・ジョルジョ・イン・ヴェラブロ教会で爆発が起こった。
およそ100キロの爆発物を乗せた車を教会の前で爆破させたため、教会のファサード前の部分が完全に破壊され、4本の柱を残すだけになってしまった。
内部のフレスコ画や屋根の内側部分、鐘楼なども被害を受けたが、今は修復されている。
これもコーサ・ノストラ(Cosa Nostra)と呼ばれるマフィアの仕業だった。
ブログには書いたけど、イタリアはこの時期”暗黒の時代”
マフィアによるテロの嵐がイタリア中を吹き荒れていた。
幸いこの2つの爆発では、22人のけが人がでただけで済んだが、この教会は大打撃を受けた。

写真:Wikipedia

当時の写真があまりなかったので、WIKIから借用したが、もちろん手前の車は爆発物を乗せた車ではないが、ここまで破片が飛んで来たのだろう。

奥に見えていてヤヌス門も被害にあい、一時は修復の為は入れないようになり、その後は門の周りが柵で覆われてしまった。
それが28年ぶり?11月13日より毎土曜日10時から14時までと3月の最終日曜から(夏時間のスタートと共に)16時から20時まで、無料で入れることになった。

この門が貴重なのは、門と言っても真四角なこと。
ローマ中心部にある唯一の四角い門。
4方向に通路がある「四面門」形式で、4世紀初頭のコンスタンティヌス1世(Costantino)の死後息子たちが偉大な父を祝うために建てたと考えられている。
既存の建物の建材を集め再利用されて造られたという。
”ヤヌス門という名称はルネサンス期以降に付けられた呼び方と考えられており、四面頭のヤヌス神(Ianus Quadrifons)から名付けられたといわれる。 門は底面が12m×12mで、高さが16mである。通路部分のアーチは、それぞれ幅5.7m×高さ10.6mである。柱部分の壁龕(ニッチ)は2段に設けされており、片面に12か所、門全体で48か所である(うち、16か所は未完成状態)”(引用:Wikipedia)壁龕の中には何か彫刻が有ったんだろうなぁ。

11月5日には記念セレモニーとして"Nu-shu Le parole perdute delle donne"というパフォーマンス21時15分と45分の2回9分間の演技が行われるらしい。
Nu-shu?
なんのことかと思いきや、これ「女書(にょしょ)」のことだった。
中国南部の湖南省江永県などの地域において、世界で唯一女性のみに用いられた文字で、現在は絶滅の危機に瀕している。
どんなショーなのか全く想像できないが、人物は1名、70枚のシルクの真っ白な婚礼用の着物を使い、バックには「ロミオとジュリエット(Romeo et Juliette)」の有名なアリア'aria "Je veux vivre dans le rêve(私は夢に生きたい)" が流れるとか。
全然想像できませんね…

次回イタリアに行く時は、行きたいところいっぱいだ。"真実の口"もいいけど。


参考:https://www.ansa.it/



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