イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

Stedelijk Museum Amsterdam(市立近代美術館)とオランダ料理ー2日目

2015年08月04日 00時00分10秒 | 他の国

とりあえず2日目は終わらせましょう。
何時に駅に着いたんだっけかな?19時くらいだったかな?
そこからトラムに乗って美術館エリアへ。
もうこのルートは慣れたものです・・・

あ~思い出したこのトラムの中で英語、もっと勉強しなくちゃという一コマが。
私はその時一番前の席に座っていたんです。
すると運転手(この時は女性だった)のところへイタリア人の女の子がやって来た。
なぜイタリア人と分かったのか・・・まぁよくあることなんですよ。
年のころは・・・大学生かな?
旅行だったと思うんだよね。(これ留学だったら最悪・・・)
運転手にプリントアウトしてきた地図を見せて、どこで降りたらいいのか聞いている様子。

運転手は「××広場で降りて。後はその通りのことは私よく知らないから降りてから(誰かに)聞いて」と普通に答えていた。
英語力がほとんどない私でも理解できるくらいの簡単な英語で。
すると彼女、理解できなかったようで、私より片言の(いや、同じくらいかも)英語で聞き返していた。
運転手はちょっとイラッとしたみたいだけど、前よりはゆっくりの英語で答えていた。
それでも理解できなかった様子。
すると彼女はとうとうイタリア語で質問した。
だからイタリア人だって分かったの。

すると運転手
「あなたの話している言語は私には理解できません!」と丁寧なんだけど、きっつ~い一言。
別に冷たく言い放った、という感じではなかったんですが・・・
何故かそれを聞いていた私がものすご~くショックを受けました。
ここで彼女を助けてあげても良かったけど、私も彼女の行きたいところ分からないし・・・
はっと気が付いたときには彼女このトラムから降りていました。
泣いてはいなかったと思うけど・・・泣きたいだろうね。

かわいそうだとは思ったけど、所詮私たちの言語はそうなんですよ。
そう、イタリア語も日本語も、その国から出たら通用はしないんです。
今の若いイタリア人にはしては、ここまで英語わからない子珍しいけど・・・めげずに頑張って欲しい。
そして私もイタリアでの目標達成の暁には今一度英語を学び直そうと心に誓ったわけです。
オランダ語・・・にはならないですよ。
これ以上マイナー言語は学んでもね。
オランダに住むわけではないですからね。

さて、そんな衝撃(?)出来事は有りましたが無事目的地へ到着。
トラムは美術館の前に着きます。
Stedelijk Museum Amsterdam(市立近代美術館)

この美術館ちょっと変な形です。
バスタブ型らしいですが・・・近すぎて分かりませんかねぇ。 
この時期はマティスの特別展をやっていたため、ミュージアムパスを持っていても、追加料金の5ユーロを支払う必要が有りました。
私のつたない英語が間違っていなければ、これで何回も入れるはず・・・ですが、反対かな?

ちなみにこの美術館の入り口に、オランダの至る所で見つけたスーパーが有りました。
私の記憶が確かなら、9時から夜22時まで。
土日も時間は短くなっていた気がしますが、営業していました。
ビオブームのオランダのスーパーにはイタリアでは見かけない、野菜や果物のジュースがいっぱいありました。

ここ、ものすごく贅沢な空間という感じで広いんですけど、既にもう足が上がらないんですよ。
気持ちは前に行っても足が・・・
それでも隅から隅まで一応見ました。
閉館の10時に出ちゃうと、夕食くいっぱぐれる可能性があるので、少し早めに出ようかな・・・とは思ったものの、出た時は9時半くらいでしたからね。

アンリ・マティス
最近Romaでも展覧会見たばかり。
今年は何か特別な年だっけか?偶然か?
マティスはセザンヌ、ゴーギャン、ゴッホなどの後期印象派だけでなくシニャクなどの点描派、そして日本の美術からも影響を受けています。

1905年、に出展されたこの作品はまさにシニャク、点描派の遺産、として描かれています。
マティスは見る人によって色が統一して見られるということよりも、色の振動をこの絵に描きこんだそうです。
マティスは色彩にこだわり、色をパレットの上で混ぜるのではなく、直にキャンパスに塗り付けていたそうです。
「色の魔術師」と言われるくらい、色には一方ならぬこだわりを見せていますからね。
(現代美術の試験をしたときに書き溜めたメモを見ながら書いているのですが、既に自分の書いたことが良く分からない・・・)
この展覧会にはモーリス・ド ・ヴラマンク、アンドレ・ドランが出展。
これら一群の作品の、原色を多用した強烈な色彩と、激しいタッチを見た批評家ルイ・ボークセル(Louis Vauxcelles)が
「あたかも野獣の檻(フォーヴ、fauverie)の中にいるようだ」
と言ったことからからフォーヴィスム(野獣派)と命名された。 
余談ですが、実はこの展覧会の会場の真ん中にはドナテッロの彫刻が置かれていたのに、それに見向く人はほとんどいなかったとか・・・ 

またまた余談ですが原田マハのこちらの作品にマティスの面白い短編が出ていました。

これを読んだらコートダジュールの「ロザリオ礼拝堂」を訪れたくなること間違いなし!
原田マハと言えばこの作品よりも断然

これ良かったですねぇ~号泣しましたよ。
そしてやはりアンリ・ルソーが見たくなる。(ピカソはどうでもいい)
ってVeneziaの展覧会に行った時に言いましたっけね?(あれ?ブログには書いたか???)
このスイスの美術館には近いうちに必ず行ってやる~と思いながら暑く苦しい夏を過ごしております。

そしてこの野獣派に影響を受けたロシアの画家キルヒナー

フランスが野獣ならこちらは「ブリュッケ(橋)」です。
ドイツ表現主義の有名な画家。
”キルヒナーの絵画は、フランスのフォーヴィスムの影響とともに、ドレスデンの民族学博物館で見たアフリカやオセアニアの民族美術に影響を受けているとされる。
大胆なデフォルメと強烈な原色の対置を特色とする技法で描かれたキルヒナーの人物たちは、どこか退廃と不安の影を宿している。ドイツ表現派の他の画家たちと同様、版画にも強い関心を示し、多くの作品を残している。”(wikipediaより)
ブリュッケの作品はのちにヒットラーのナチスによって作品が退廃的として不当な扱いを受けるんです。
多くの作品が画家の目の前で焼かれたり、安価で売り飛ばされてしまい、傑作が目の前で次々と無くなっていったわけです。
これが戦争なのでしょうが、いやこの退廃芸術撲滅運動は戦争とは直接関係ないですね。
ただ直接的にも間接的にも、この時期にドイツが失った”財産”は後に取り返しのつかないものとなるわけです。
そしてこうしてこんな話をしてる現代も、多くの”遺産”が失われています。
なんて愚かで、虚しいことでしょうか。
ちなみにキルヒナーは自分の作品が「退廃芸術展」に32作品も展示されたことをショックに自殺する。

昔なら絶対素通りしただろうこういう作品も今は色々と興味深く眺められるものです。
大人になったなぁ・・・いやいや、それは違うでしょう。

特別展なので

壁もこんな感じに。
いや~しかし、疲労が限界で、もう上に上がるのやめようかと思ったくらい。
でも行きました。
上の階にはマティスの大きな作品のほか

こういう苦手な超現代アートや、こんなとこにおいといたら気が付かない人おおいでしょうな、アンディ・ウォホールが有りました。
作品数というよりスペースが広すぎて、もう歩けん・・・

ここがバスタブの中だったことを思わせる、斜めの壁。
外に出たら

夕方・・・ではなくてこれで既に、いやまだ9時半です。
でもオランダのちょっと不便なことは、飲食店の閉店時間がえてして22時ということ。
これ健全なお店は・・・ってことだよね。
でも困った。
最初はこの美術館に付属するレストランが24時までやぅているというので、そこに行くつもりだったのに、メニュー見たら食べたいものがない。
この日はお昼充実してたからいいか、とも思ったんだけど、なかなか妥協できないところが私が食いっパグれる理由。
でも最後の力を振り絞って、繁華街の方へ移動。

そうそう、今回は行けなかったけど(丁度オペラやってたんだよねぇ・・・でも今回は時間が到底足りなかったし、目的はこれではなかったので断念)

アムステルダムのコンセルトヘボウ(Concertgebouw)という劇場。
ボストンのシンフォニーホール、ウィーンのウィーン楽友協会と同様に、戦前からの姿をそのままに伝えているヨーロッパでも随一の音響の良いホールとして知られている・・・んですって。
く~残念!
それも丁度見たことのないVerdiのオペラだったのよねぇ・・・まぁ無理でしたが。
水曜日にランチコンサート、日曜日に無料のコンサートも有るらしいですよ・・・未練たらたら。
アムステルダムには他にもオペラ座、ミュージックシアターなど、大きな劇場がいっぱいあるみたい。

あの図書館を見れば、文化水準の高さを自ずと知ることはできましたが、恐るべしオランダ人!
Fiaminghi(フラマン人)ってすごいなぁ~

夕暮れの国立美術館。
そして運河の方へ

あ~涼しそうだなぁ。
ここから人が集まっていそうな場所へ

おおっ、チェスやってます。
そんなことは置いておいて、この後もお店を探すわけですが、長くなってしまったので、夕食の話は次回にしましょうね。

では続きをお楽しみに・・・って結局今日も2日目を終わらせることはできませんでした。
 



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2 コメント

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追い込みですね (M.sato)
2015-08-04 11:40:34
あと一息ですね。頑張ってください。5月頃娘も、アカデミアの短期研修でオランダ(たぶんハーグ)に行ったようです。フィレンツェと異なった「色と光」に感激ただし授業は英語のため苦労したようです。本人から報告がないので「fontana」さんのブログでオランダを楽しませていただいてます。クーラーなしの「卒論準備」頭が下がります。
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ありがとうございます。 (fontana)
2015-08-05 04:19:36
M.Satoさん
ご無沙汰しています。日本も暑い日が続いているようですが、お変わりありませんか?
偶然ですが、今朝このコメントを読んだ後、久しぶりにお嬢さんにお会いしましたよ。ハーグに行ったと行っていました。私もイタリアが色々な意味で色あせて見えました。(苦笑)次次回くらいで登場すると思うのでお楽しみに。
今年の異常な暑さで、クーラーもダウンしているのでしょうね。何とか涼しい場所を探して頑張ります。
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