本館から新館に向かいます。
レストランも併設しています。気持ち良さそう。でも混んでたので、メニューをパラパラめくって終わり。
こちらでは現在「フランス絵本の世界」という展覧会が開催されています。
フランス文学者で明治大学教授の鹿島茂氏が、30年かけて集めたフランス絵本のコレクションが6月12日まで公開されています。世界的にも貴重なコレクションで19世紀半ばからアール・デコ時代に至る黄金期のフランス絵本の世界にどっぷりつかることができます。
展示は6部門に分かれています。
「子供のための絵本 19世紀の雑誌・絵本と民衆版画」というテーマから始まり、
2章は「子どもの本の新時代」
1節「エッシェルの登場 児童書出版への情熱」
2節「エッシェルの活躍 自動文学の傑作の誕生」
3節「作家P.-J.スタールと挿絵画家ロレンツ・フルリック」
フランスにおいて子どもの本の時代が到来するのは19世紀半ば。
中でも出版者であり名編集者、筆名P.-Jスタールとして活躍もしていたエッツェルが、児童書の世界の窓を大きく開きます。
作家としては自身の娘をモデルにした「リリちゃんシリーズ」を出版。ロレンツ・フルリックの愛らしい挿絵で大人気となりました。
P.-Jスタール作、ロレンツ・フルリック絵「双子」
またサイエンス・フィクション(SF)の開祖として知られ、SFの父とも呼ばれるジュール・ヴェルヌを発掘。
ジュール・ヴェルヌの「海底二万里」(エドゥア―ル・リウ、アルフォンス・ド・ヌヴィル絵)のような優れたSF小説を出版します。
またギュスターヴ・ドレの挿絵で飾られた『ペロー童話集』(画、1861年)など歴史に残る児童書を誕生させました。
ドレの描いた「赤ずきんちゃん」
第3章はモーリス・ブテ・ド・モンヴェル フランスの子どものための絵本
世紀末からベル・エポックにかけて、カラーリトグラフの発達とともに、絵本も美しい色の挿絵に彩られ黄金時代を迎えます。端正で繊細な挿絵を描いたブテ・ド・モンヴェル。
「われらのこどもたち」
私が一番気に入ったのは
「ジャンヌ・ダルク」
フランスの挿絵画家ブテ・ド・モンヴェルはオルレアン生まれ。
エコール・デ・ボザールで学び、歴史画家や肖像画家を経て、クレインに刺激され、絵本の仕事に入り、1880年に創刊された「サン・ニコラ」の挿絵を連載、繊細で小粋な表現の「フランスの童唄とロンド」(1882年)や「子どものためのフランスのうた」(1883年)はクレインの影響を脱して独自のものとなる。
「ジャンヌ・ダルク」(1896年)は故郷オルレアンの聖処女を描いた最高の傑作。
日本語版も出てるみたいなので、是非手に入れたい!!
第4章20世紀の雑誌とイラストレーターの活躍では、アール・デコ全盛期に活躍したアンドレ・エレが登場します。
エレは作曲家のクロード・ドビュッシーと親交が有りました。
1913年、愛娘エンマ(愛称シュシュ)のために音楽を作曲しようと思っていたドビュッシーはエレに『おもちゃ箱』と題された絵の付いたアルバム集(道徳的な物語)を見せられ、エレの絵本と台本に基づいたピアノ曲を作曲し始め、全曲を完成した後にエレの挿絵と伴って出版されました。
また
世界各地の都市を描いた「80ページ世界一周」は本文も挿絵もエレが手がけています。
他にも漫画やアニメーションの先駆者バンジャマン・ラビエ
人間のように動く動物を多く描いたラビエの作ったアニメも流れていました。
ラビエの作品は、ウォルト・ディズニーにも大きな影響を与えたようです。
1930年代に入ると、フランスの絵本は、今日まで世界中で愛され続けるシリーズを生み出します。
第5章ではフランス絵本の人気シリーズを取り上げています。
ロシア出身のナタリー・パランなど絵本の先進国であるロシアや東欧出身の画家を起用し、着せ替えやぬり絵、教育絵本を出版した「カストール文庫」や、1931年の発売直後から人気を博した「ぞうのババール」シリーズなどがあります。
「ババ―ルの新婚旅行」より
とにかくどれもかわいい!!かなりはまってしまいました。
見終わって、ショップで絵葉書でも買おうと思ったのですが、荷物をロッカーに預けていてお財布がなかったので、外にもショップがあるので、そこで買おうと思ったら、外のショップには絵葉書は有りませんでした…残念。
ともかく見どころいっぱい、心温まる素敵な展覧会でした。
「子どものための」つながりで次回は先週行ったBruno Munari展についてです。
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