イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

再会(開)、Peruginoのフレスコ画

2011年02月01日 15時53分46秒 | イタリア・文化

久々に1日フリーの今日は、午前中、洗濯、買い物などを済ませて、早めに図書館に行こうと思っていたのに・・・
朝のニュースで、聞いてしまった。
「今日からPeruginoのフレスコ画が見られます!」
何~!行くでしょう・・・

ということで、朝コインランドリーに行き、その後
今日はとっても暖かい・・・と思っていたのはこの一瞬だけでしたが。
確かニュースでは高校の入り口から入る、と言っていた気がするけど???
学生がいっぱい。
あれ~???
ということでもう1度教会に戻って確認。
しかし、今日も誰もいない。
はてどうなってんだ?
ニュースの情報がいつも中途半端なんですよね。(人のせい?)
と、ふふふ見つけましたよインフォメーション。執念だな!!

今日から火曜日と木曜日の14:30~17:30まで
入り口はvia della Colonna 9,
確かにLiceo Michelangiolo(Michelangeloじゃないのかな?)、高校の入り口
ということで学校がお休みの時は入れません。

よっしゃ~
今日見られるよ~ひゃっほ~!!
ということで午後用事が出来たので、今日は図書館には行かず、(終わったら行け!)
その代わりお昼もゆっくり食べることにして

カルチョーフィを食べました。
あまりにもきれいだったので、花束風に写真を撮ってみた。

腹ごしらえもして、夕食の下ごしらえまでして2時20分、出発!!
見て来ましたよ~
Santa Maria Maddalena dei Pazzi

Crocifissione del Perugino(ペルジーノのキリスト磔刑)
これ↑はどう見ても修復前・・・
これしかないのに、30分も見つめてしまいましたよ。
今回の修復は、フレスコの状態悪化させないために、保存状態をコントロールする目的で行われたようです。
まだ無料で見られるので、是非見てくださいね~。
それにしても、この高校の校舎も素敵ですよ。
また行っちゃお~

この作品は、フィレンツェにあるPeruginoのフレスコ画で一番大きい作品で、修道院がまだシトー派のものであった時、Pucci家の希望で制作された。
Libro di Antonio Billi(誰?)によると、1493年11月20日Dionigi e Giovanna Pucciの要請で、"Mastro Piero della Pieve a Chastello perugino"が制作、完成は1496年4月20日、55ducati d'oroの費用がかかったとか。

ドゥカーティ(Ducati)とも。これはDucatoの複数形。
1284年から500年間ヴェネツィアで使用された金貨。直径約2センチ、重さ約3.5グラム。純度99.7パーセントの純金。
14世紀半ばからヨーロッパ広域の機軸通貨として力をもつ。
この時代Firenzeではフィオリーニ(Fiorini。単数はFiorino)
1253年鋳造でユリの花の模様がある金貨。約3.54g
ということでDucatoとFiorinoの価値はほぼ同じだったようです。

実際今の価値でどれくらいだったのか?
円にすると6000円もしくは10万(かなり違いますけど?)と塩野七生さんはその著書の中で言っているとか。
他にも日本人の研究者で6万と言っている人がいます。
しかし、金貨の価値は当時の生活に合わせてあるので、簡単に今の日本円でいくら、とかユーロならいくら、とか言えないんですよね。

フレスコに話を戻すと、15世紀の資料にはまだその名前が見られるものの、
1628年修道院がSanta Maria Maddalena de'Pazziの女子修道院の禁域に入ると、記録がなくなり、
1867年に修道院が宗教上の役割を失った時、このフレスコ画が再発見される。

なんと言ってもこのフレスコの悲劇は1966年Firenzeを襲った洪水。
今回も探してみましたが、浸水のあとが見られます。
あ、実は今朝この洪水関係でBiblioteca Nazionale(国立図書館)に行ってきた。

現在Biblioteca Nazionaleは国の援助削減から、金銭的な危機に陥っています。
まぁ、どこもかしこも火の車なんですけどね・・・
それを救済する為の資金源として、1966年11月4日の洪水のドキュメントDVDを作ったらしい。(記事はこちら)
1枚12€で、この売り上げがそっくり図書館に行く、というニュースを先日見た。
TG regione(地方ニュース)は本当に役に立ちます。

ちなみにこれは別のものですが、とてもよく出来ているので、是非ここで紹介したい!
これ見るたびに涙が出ます。涙腺ゆるいなぁ・・・どうもこの音楽に弱いのよね


前日の11月3日から降り続けた雨の為、アルノ川が決壊。
"花の都"は水と泥の下に沈んだ。
400万冊の書物が泥まみれになり、14,000点の美術作品が被害にあった。
修復不可能な作品も少なくない。
被害にあったこの街を助ける為に、世界中から救世主が集まった。
"Angeli del fango"(泥だらけの天使たち)彼らはそう呼ばれていた。
悲劇の中から新しい希望は生まれる。

私はお金持ちではないので、自分で出来る範囲で援助できれば、とこのCDを買うつもりで行ったのですが
「えっ?ここでは売ってないけど・・・」
「えっ、でもニュースで見たんですけど・・・でも私もちゃんと見たわけじゃないので、ならいいです・・・」
「あっ、待って、多分何か分かるから。」
と親切なSignoraが教えてくれたのは、2月23日La Nazione firenzeという新聞と一緒に販売になるとのことです。

図書館で勉強するだけが、勉強ではないのです・・・いいわけいいわけ

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1 コメント

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フィレンツエ大洪水 (哲山)
2011-02-08 09:12:53
Fontanaさん 大洪水のdocumentary film 貴重ですね 40年以上も経つのですね
この大洪水は 名画 "輝ける青春”(La Meglio
gioventi) で描いていて2005年9月に岩波ホールで見ただけです。
グラツエ ミレ
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