イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

ハーモ美術館(諏訪)

2017年10月23日 16時40分42秒 | 日本の美術館

先週はず~と雨だった上に、季節外れの台風到来にもううんざり、という毎日でしたが、ようやく青空が出ましたね。
ああ、夏の暑さは嫌だ嫌だと思っていたけど、日が短くなり、寒くなると、その暑ささへ恋しくなるから人間ってわがまま。

さてさて、近頃私はブログも更新せずに何をしていたのか、と言いますと…
実は別のところでは記事を書いておりました。
イタリアでの経験が生かせて、今年いっぱいは家で出来ることということで、PCを使った仕事を探していますが、選り好みが激しいのでなかなかお金にはならないのですが、たまたま「ヨーロッパの陶器について」の執筆という募集が有って、そこで書かせていただいたところ、先方に気に入っていただいたようで、続けて何件かイタリアを中心に陶器について書いています。
多少手は加えられているようですが、少しずづアップされているようなので、良かったらこちらを覗いてみて下さいね。


イタリアに居た時、美術館を訪れても陶器ってどうしても「おまけ」でしかなかったので、さぁ~と駆け足でちら見していただけだったので、今回色々調べるチャンスを頂けて非常に勉強になっています。
記事になっていることは再度こちらで書くことは出来ませんが、また機会を見て書けなかったことをお伝えできれば、と思っています…ってどれだけのネタに同じことを言ってんだか。

と話題は変わりまして、今日は日本の美術館のこと。
実は10月の初め、両親をたきつけて下諏訪、小布施辺りに行って来ました。
目的はこれから紹介するハーモ美術館と小布施の北斎。

今回、色々な事情があり、下諏訪の駅まで電車で。

おお、駅の構内に足湯。
丁度外国人の方が入浴(?)していました。
いいわぁ、これ。

駅でレンタカーを借り、美術館まではおよそ15分。

ハーモ美術館は諏訪湖に面している上に、この日は天気も良くて遠くに富士山が見えました。

湖の奥に小さく見えているんだけど、分かるかなぁ、富士山???

ハーモ美術館は
”産業用ロボットのメーカー創業者、濱富夫とディレクター関たか子によって1990年4月26日に開館。
アンリ・ルソーによって代表される、純粋な視点から自由な感受性を表現したパントル・ナイーフ(素朴派)を常設展示し、個性的なコンセプトを持った美術館として世界でも注目されています。”(ハーモ美術館オフィシャルサイトより

実はこの美術館の存在を知ったのは新聞広告。
それを見た時「え~日本にこんなにたくさんアンリ・ルソーが有るの⁉」とびっくり。
これは行かねばならぬ!!
ということになったわけです。
入口を入るとダリがお出迎え。

これは唯一撮影Ok。ダリの「時のプロフィール」
ダリのブロンズ作品は7点有るのですが、こちらは2番目に作られた作品。
カマンベールチーズを食べた時に、この流れるような時計のアイデアが浮かんだとか。
ダリらしい作品ですね。
「プロフィール」はフランス語で「横顔」のことで、この溶けた時計にダリの横顔を見ることが出来ます。

この美術館、小さく見えて、作品数が結構有るんです。
建築構造がいまいちで、たどった道を再び戻ることしかできないのが残念ですが。

お目当てのルソーは2階に有りました。
それも9点全て展示中で大感激!!
館内は撮影禁止なので、ホームページからちょっとご紹介しますと、

「果樹園」 (1886年)
実はこの作品には、ルソーの熱烈な賛美者であったピカソの直筆の裏書がついているんですね。
秋のパリの景色を描いた初期の秀作。

そして「ラ・カルマニョール」


”これは1893年に行われたバニョレ市役所の装飾壁画コンクールに応募するために描かれた作品。
カルマニョールとは、フランス革命期の輪舞のことで、本作が制作された1893年はフランス革命から100年を数える記念の年であった。コンクールでは残念ながら落選となったが、ルソー独自の均整と調和が堪能できる作品である。”(HPより)

そして昨年の6月オークションで落札、その後修復を終え今年の1月1日から展示されている、モスクワのプーシキン美術館が所蔵する油彩画「セーブル橋の眺め」の習作(写真、記事はともに長野日報参照)


この作品の裏にはルソーがこの絵を友人に送るために書いたメッセージとサインがあります。

そして

こちらは「モンスリー公園の眺め」の下絵。
ルソーの風景画の中でも極めて完成度が高い「モンスリー公園の眺め」の下絵として描かれた習作。
風景画の源と考えられている作品で、完成作品は、アンデパンダン展に出品されている。〈完成作はスイスの個人蔵)

世界で300点ほどしか残っていないルソーの作品をこの日本でこれだけ見られる美術館は他にない。
それだけでも貴重な美術館だと思う。
また2階の素朴派の画家の中のアメリカ人のグランマ・モーゼスという人の「丘から家路につく羊飼い」という刺繍作品が良かったですね。

他にもシャガールやマティス、ルオーなどが有って、本当に私好みの良い美術館でした。
もし私が一人なら、3,4時間ゆっくり見て回りたい美術館です。
平日だったこともあり、ここは日本の美術館なのか?、というくらい非常に空いていましたし。

この美術館を訪れる際はホームページから割引券がダウンロードできますので、そちらを利用するといいかと。

 






最新の画像もっと見る

コメントを投稿