イタリアから戻って来て、今マイブームが「ヴェネツィア」
とにかくここのところヴェネツィア美術を改めて学びたくて、色々と資料を引っ張りだして来ました。
その中に、ジョン・ラスキンの「ヴェネツィアの石」も有ったのです。
でもそれはそれ、そんなことは置いておいて、先週「東寺展」に行く前に東京駅で降りて「ラファエル前派展」に行きました。
こちらもいつもより若干混んでいましたね。9日までと閉展が近いからでしょうか?
あと、どうでも良いですがちょっと寒かったです。(毛布の貸し出し有り)
ラファエル前派かぁ…ずっとイタリアを中心に美術史を勉強して来たので、イギリスのことにはめっきり疎い私です。
ラファエル前派とは、ラファエロの前、つまり中世、初期ルネサンスへの回帰を目指す芸術、というくらいの認識でした。
代表的な画家もいつも名前を見るたびに「『落穂ひろい』のミレーじゃない、ない」と頭で毎回確認してしまうこの人
「オフィーリア」のサー・ジョン・エヴァレット・ミレイ(Sir John Everett Millais, 1st Baronet)と
「イタリア人じゃないんだよな」とこちらも毎回自己確認してしまう(イタリア系移民だから根本的には間違えではないが)ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ(Dante Gabriel Rossetti)くらいしか知らなかったけど、この展覧会を見て色々勉強になりました。
特にこの子供向けの説明書
これ、非常に分かりやすい!!
そして、この展覧会に行って初めて、ラファル前派とジョン・ラスキンの関係が明白に分かりました。
この展覧会自体、ラスキン生誕200年を記念したものだったんですねぇ。
とりあえず「ヴェネツィアの石」は読み直し、最近出た「続」も図書館で借りて来ました。(それにしても翻訳本は読みにくいなぁ…)
”1848年秋に前衛芸術家集団「ラファエル前派同盟(Pre-Raphaelite Brotherhood)」を結成した7名の画学生らのうち、その中心となったダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ(1828‐1882)、ウィリアム・ホルマン・ハント(1827‐1910)、ジョン・エヴァレット・ミレイ(1829‐1896)は、英国美術史にきわめて大きな功績を残しました。 かれらは、ラファエロ以降の絵画表現を理想とする芸術家養成機関ロイヤル・アカデミーの保守性こそが、英国の画家を型通りの様式に縛りつけ、真実味のある人間感情の表現から遠ざけてきた、と主張します。 こうしてラファエロ以前に回帰する必要性を訴えて「ラファエル前派」と自ら名のったこの若手芸術家たちは、ありふれた感傷的な描き方から絵画を解放し、中世美術のように分かりやすく誠実な表現を取り戻そうとしました。 当初は悪意のある批評にさらされた彼らの試みを、ラスキンは高く評価し、1851年には日刊高級紙『タイムズ』に公開書簡を発表して、力強く擁護論を展開します。”(オフィシャルサイトより)
展覧会の構成も非常に分かりやすく、「ターナーとラスキン」からスタートしてラファエル前派同盟からその周辺へ、そしてバン・ジョーンズ、ウィリアムモリスへと流れて行きます。
実はこのウィリアム・モリス、この展覧会を見に行く2日前に横浜そごうで展覧会を見たばかり。
これについてはあた改めて書くとして、なかなか面白い展覧会でした。
6月9日まで
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コメントありがとうございます。
「オフィーリア」は東京とロンドンで見ました。東京は世界でも例を見ないくらい、美術作品が集まるなぁと思っていましたが(人が集まり過ぎるのは問題ですが)、やはり恵まれていますね。
トレチャコフ美術館展もやっていましたが、これは見に行きませんでした。
「藤田美術館展」にも行かれたんですね。私も曜変天目を見た時は、偶然の産物のすごさに感動しました。
全然知らない、小さな美術館を色々周られているのがとても羨ましいです。また、カキオコがとてもおいしそうでした。