本日も脱線です。
映画を観てきました。
「セザンヌと過ごした時間」
”近代絵画の父ポール・セザンヌ没後110年製作”作品です。
ストーリーは、パリ生まれだが、イタリア人の父とフランス人の母を持つエミール・ゾラは学校でいじめを受けていた。
それを助けたのがセザンヌだった。
お金持ちのセザンヌと父が急死し、生活が苦しいゾラはお互い画家、作家になる夢を共に追いかけ、南フランスのエクサンプロヴァンスで少年時代を過ごします。
18歳でパリに戻ったゾラは、、バカロレア(大学入学資格試験)に挑戦するも失敗。
出版社アシェット書店で働きながら新聞にマネなどの印象派を擁護する批評などを書いたりしていたが、1867年小説家としてデビュー。
一方セザンヌはアカデミーのサロンに何度も応募するも落選が続く。
やがてゾラはベストセラー作家になり、金も栄光も手に入れるが、セザンヌは唯一頼りの父からの仕送りまで断たれ、荒れた生活を送っている。
そしてゾラは一人の画家をモデルに小説を書くのだが、それによってセザンヌとの仲に完全にヒビが入ってしまう…
ピカソの「我々の父」と言われ、マティスには「絵の神様」と称賛されたセザンヌだが、その真の才能が世間に認められるのはゴッホ同様彼の死後だったんですね。
映画の中ではあまりにもセザンヌの絵が売れず、お客さんがリンゴが好きと言ったので、リンゴの部分だけど切り取って売ったというシーンがありました。
ゴッホの肖像画でも有名な”タンギー爺さん”の店でのお話です。
実際ゴッホをゴーギャンはこの店でセザンヌの作品を見たことで、彼から大変影響を受けています。
ちなみにこの絵からは日本の浮世絵からも大きな影響を受けていることが明らかですが、
浮世絵の方は1870年代にパリにオープンした日本の浮世絵版画と工芸品を扱うサミュエル・ビングの店で見たそうです。
映画ではセザンヌはかくもひどい人間だったのか?というくらい最低な男でした。
夢を追うだけで、他人特に女性は性の対象としか見てないのか?という感じ。
何枚も奥さんの肖像画を描いているけど、それも彼女が長い時間動かないから、という理由。
物議をかもしたサロンに落選した画家ばかりで行った「落選展」で話題になったマネ。
モリゾーやピサロなど今では名だたる有名な芸術家が多数登場し、
有名な絵画のもとになったシーンが目の前で展開する。
セザンヌは最低だが、映画の出来は非常に良いと思いました。
ゾラは1902年パリの自宅で、一酸化炭素中毒のために死亡。
この死には謎が残されている。
方やセザンヌはゾラの死後4年、1906年に絵筆を持ったまま死んだ、と最後のテロップは語っていた。
ゾラとセザンヌが絶縁するきっかけとなったゾラの小説「制作」の日本語版が出ているようなので、それもちょっと読んでみたいですね。
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