もし新型コロナがなかったら、こんな言葉一生聞くことなかっただろうという言葉が有る。
3月22日の投稿に”Quarantena”という「検疫」「隔離」を意味するイタリア語のことを書いたが、これしかり。
すると、昨日在伊の友人のブログ(こちら)に新しい聞きなれない単語について書かれていた。
coprifuoco
coprireは「隠す、覆う」、fuocoは「火」のことだ。
火消か???
例えばcopricapoなら帽子のことだが…
まぁ辞書を引けば一発
1.(主に夜間の)外出禁止令
2.《史》松濤の合図、消灯令(▶中世には火災予防のためのラッパ、鐘の合図で市民に消灯を命じた)
とあった。
「外出禁止令」がなぜcopricapo、「火を覆う」?
ということでイタリア語のサイトを調べてみると、イタリア人ですらこのcoprifuocoといわゆるlockdownの違いが分からない、ということが分かる。
その中から分かりやすいサイトを紹介、いや、自分の為かな?
もう若くないから、むやみやたらに新しい単語を記録するのは無理。
むしろ何かと結び付けることで、記憶にとどめることが出来たら良いな、と。
一言でいえばロックダウンは全部、coprifuocoは一部ということらしい。
まずこの2語の差を理解するため、coprifuocoとは何なのか?ということを考えることにする。
この言葉を理解するためには中世に戻らなければならない。
この頃は夜になると人々は灯火、ランプ、ろうそくなど全ての火を消さないといけなかった。
日没になると鐘が鳴らされ、coprifuoco。
家々の火が消され、それを炭で覆われる。
それは当然突発的な火事を避けるためで、夜の火事は確実に被害を大きくさせるからだった。
12世紀末、"Libro dei Sette Savi(七賢人の本)”に記録が残っている。
実はこの言葉、元はフランス語のcovrefeuから来ている。
英語ではcurfew
だけどこの言葉を作つたのはシチリア王Guglielmo I(グリエルモ1世)と言われる。
イタリアも日本同様、自国語よりも英語で濁しているらしい。
”coprifuoco”ではなく、英語のcurfewを使っているメディアもあるらしい。
”coprifuoco”は国または軍部によって出された命令で、すべての市民が夜間は家から出ないことが義務づけられていた。
その時間娯楽施設、店、バール、レストランは閉められ、全ての”不必要な”行動は禁止されていた。
必要で緊急を要することでだけ、それも事故証明が出来る場合のみ外出することが出来た。
今日、”coprifuoco”令は、国民の安全や生命を危険にさらす可能性のある緊急事態、例えば空襲、重大な暴動、戦争が起こった時に発令される。
そして今回その緊急事態が起き、10月24日coprifuocoが発令された。
夜間23時か午前5時まではイタリア全土(州によって若干の時間の差はある)で不要不急の外出は禁止された。
勿論罰金付(400-1000€。5日以内に払えば割引有り⁉)
夜間外出禁止に加えて、イタリア全土で飲食店18時まで、スポーツクラブ、劇場、映画館は休館となる。
ロックダウンとの違いは?
イタリア語のロックダウンはcoprifuocoと翻訳されることもあるので、その違いがあいまいだが、2つは違うもの。
ロックダウン(イタリア語にするなら“blocco(封鎖), chiusura(閉鎖), isolamento(隔離)”)は不要不急の場合は夜の外出禁止というだけでなく、個々を完全に孤立させることである。
ロックダウンは国民の安全を脅かす問題に対する色々な目的のために、国民の自由な行動を制限させる緊急時に限定された措置である。
しかしquarantenaと混同してはいけない。
”quarqntena”は感染症にかかった人やそれを広める恐れを阻止するため、人々を分けたり、接触を限定するために課された措置。
ロックダウンはあくまでも一般的に人の流れ、街や州、国を仕事や旅行で移動するあくまでも人の流れを止める措置である。
どちらにせよ、ロックダウンもCoprifuocoも移動の自己証明があれば、誰でも家から出ることは出来るし、薬局、スーパー、ガソリンスタンドが閉まってしまうことはない。
参考:https://www.money.it/?page=amp&id_article=73664
こんな単語知りたくなかったよ。
そして在伊の友人たちは口をそろえてこんなことを言っている。
「コロナで死ななくても、政府に殺される」と。
ここ数日この政府の措置に反対するテロや市民運動が多数起きている。
これは対岸の火事ではない。
GO TOどころじゃないのでは?
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