イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

平成最後の日に学んだイタリア語

2019年04月30日 23時00分57秒 | イタリア語・日本語

「平成最後」という言葉を何度聞いたことだろう。
そして、平成は終わった。
平成最初の日、自分は何をしていたか全く思い出せないように、きっとこの日のことも忘れるだろう。

平成最後の日のフィレンツェの朝

平成最後の時を私はここで迎えた。

ここは砂浜ではない。イベント会場。そしてここの空なぞ見えやしない地下で令和を迎えた。(漢字変換が1番じゃない)

こちらのニュースでも朝から改元、天皇が退位&即位されるニュースは流れていた。
そして驚き。
私はてっきり「平成」という時代をイタリア語ではepocaもしくはperiodoを使うと思っていた。(使っている新聞もある)
ところがテレビもほとんどのネットの記事もこのようにeraを使っている。

Inizia lʼera "Reiwa" di Naruhito. (徳仁の”令和”の時代が始まる)

これ、どのように使い分けているかというと
epoca:歴史的に重大な出来事で彩られた時代
periodo:特別な事象で特徴づけられる一時的な経過期間
età:年齢、人生の一時期や歴史上の一時期
era:特に重要な歴史的事件で始まる時代
と日本の伊和時点にはある。
他にもtempoなんかもこの仲間では?

ではさて「平成」にしろ「令和」にしろ、歴史的事件で始まってはいない。
ではなぜeraをこぞって使うんだ?
う~ん、ちょっと調べただけでは分からなかったので、後日イタリア人に直接聞いてみる。

ちなみにちょっと面白い記事を発見。
ここだけ抜き出すのもなんだけど、(元記事はこちら
l’imperatore è una sorta di “papa” della religione shintoista.
天皇は神道という宗教ににおける「教皇」のようなものだ。
と結構大胆なことが書かれている。
正しくもあり正しくなくもある、と感じるのは私だけだろうか?
教皇ほど、宗教的な影響力は天皇にはないと思うんだけど…

教皇も2013年65代ローマ教皇ベネディクト16世が退位して名誉教皇(Papa emerito)となった。
天皇陛下明日からなんとイタリア語で呼ばれるのか、気になって探してみたが、今のところはっきりしたことは分からず日本語の「上皇」に当たるのはex imperatoreやimperatore abdicatorioという言葉が伊和事典には載っているが、実際はどうなんだ?
Wikipediaには
Dal 1 maggio 2019: Sua Maestà l'Imperatore emerito (Daijō Tennō 太上天皇, o in breve Jōkō 上皇)とある。
つまり明日(既に日本は今日)2019年5月1日から「名誉天皇陛下」とイタリア語では呼ぶようだ。
「名誉天皇」ではないけどやはりこのemerito(名誉待遇の、優れた)を使うのね。

またabdicareとはあまり聞かない単語で(王位などを)を放棄する、退位するという意味。
広い意味で「(権利や義務を)放棄する」という意味でもあるらしいが。
ちなみに新天皇は日本語と同じくnuovo imperatoreだった。

こんな出来事自体が早々あるわけではないので、そんな単語どうでもいいじゃん、と思うところもあるが、やはりこのタイミングにイタリアに居たのだからこそ見えてくる何かがあると思う。
というよりも新しい単語を忘れないためにここに色々書きつけておいただけ、というのが本来の目的かも。
こうして、やはりイタリア語は難しい、と再認識したところで令和スタート。


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