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真田紐

「真田紐」というのをご存知でしょうか?
組紐と混同される事もありますが「世界一幅の狭い織物」と呼ばれる織紐です。
お茶の道具を収めた桐箱に掛ける、というのが現在は一番多い使われ方と思います。
美術・骨董の世界では、荷物をまとめるためにも使われています。

江戸時代には武家の家に嫁ぐ際に、嫁入支度の一つにこの真田紐があり、
夫の刀の鞘や甲冑、荷造り用など色々に使われたそうです。

先日のブログで夫の茶器をご紹介しましたが、
通常このようなお茶に使える道具を販売する場合には、
作家かお店が真田紐の掛かった桐箱を用意します。
その時にどんな紐を用意するか、が問題です。

この紐の色柄には「御約束紐」と呼ばれる物があります。
例えばお茶の流派、表千家は黄色、武者小路千家は紺地に茶色の縁取り・・・
それぞれの流派や何代家元のお好み、というように掛ける色柄が違います。

お道具屋さんや箱屋さんは当然そういう知識を持っていらっしゃいますが、
かといってお茶の知識の無い新進作家が桐箱を誂えるのに、
見本帳から適当に好みの紐を選ぶわけですが、
「○○流の紐ですがご承知で?」といちいち確認してくれる訳ではありません。
「お茶の道具を作っているのにそんな事も知らないの?」と、
後で恥をかくことが無きにしも非ず、ですよね。

代々続く陶芸の窯元などは、各家元の紐を用意していたり、
その窯独自の約束紐を使う場合もあります。
ガラスに関しては、作家も扱うお店もそういう長年の経験に基づく知識が
足りない部分が多いように思います。
若手のガラス作家さんでお茶碗や水差も作る方を何人も知っていますが、
お茶を習っていらっしゃる方は、極々僅かです。
お茶を習っていても、手軽なカルチャー教室で手前の稽古だけという事では、
そこまでの知識は必要ないでしょうし。

現代作家は適当な紐を掛けますし、お客様の方もそのあたりは許容範囲。
知らないお客様は何が掛かっていてもこだわらないし、
お茶の先生方はご自身の流派の御約束紐を巻きで持っていて、
ご自分で掛け変えたりするそうです。

でもね、一旦知ってしまうと「どうでもいいや」というわけにもいかないのですよ。
表の先生にお納めする箱に、お裏の家元の御約束紐が掛かっていたら?
そのお客様に失礼ではありませんか?
一般に使うお茶道具としての約束紐も有るけれど、それでは面白く無い!

私のオットのGUREはお茶は致しませんので、
「知りませんでした~。」で通しても良いのかもしれませんが、
仕事の上でも私生活でも伴侶である私としては、許容範囲ではありませぬ。
そのうちに「蜻蛉玉丙午」の独自の約束紐を作る事が出来たら良いなと思っています。
こだわりを持つと経費がかさむ・・・ 
それでもそれを通したい、我儘な私です。
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