≪手を動かさねばっ!≫

日常で手を使うことや思ったこと。染織やお菓子作りがメインでしたが、病を得て休んでいます。最近は音楽ネタが多し。

綜絖 (そうこう) の準備

2010-03-21 17:08:17 | 機 (はた)

あんまり部屋が汚いので、アップする気は全然なかったのだが、
なんだか成り行きで、うちの一番大きい機 (はた) をアップすることになってしまった。
(機の左下に、前回経糸を巻いた千切りがセットされている。)

中古の西陣の綴 (つづれ) の機を、夫に改造してもらった機だ。
元の機がどんなのかというと、
元々の川島織物のとか、その子会社のとか (一番左下の写真、スクロ~ルしてね)、
そんな感じだ。

筬 (おさ) の吊り方も改造したのだが、この写真では筬の框 (かまち) を外しちゃっているので、
その話はまた今度。  きっと、たぶん。


そうです、今回のトピックは、綜絖 (そうこう) についてです。
綜絖というのがこの機の真ん中に吊るされているもので、
経糸 (たていと) 1本1本がそれぞれ針金の真ん中の孔に通されていて、
その針金の枠が上下することで、経糸も上下に動くのだ。

要するに、経糸の数だけ最低でもその針金 (ワイヤーヘルドという) が必要なのだ。


これが綜絖を正面から見た写真。 ばっちい背景は無視してください。
綜絖は4枚だ。
前回までは8枚だったが、4枚に減らした。
下げていた鉤やろくろはそのまんまだ。 まあいいや。

それで、綜絖を4枚にしただけでは、なぜすぐに糸を通すことができないのか?
それぞれの綜絖枠に入っているワイヤーヘルドが足りないからなのだ。
427本×4枚、ちゃんと通さなければならないのだ。


どういうわけか、3種類のワイヤーヘルドを持っていて、
孔の一番大きいものはさすがに使っていないけれど、
小さいのと中くらいのがなぜか混ざって綜絖に入っていたりしていた。

この機はろくろで綜絖枠を吊っている。
つまり、綜絖枠の重さが釣り合っていないと、経糸の高さを揃えにくくなる。
ワイヤーヘルドの重さが釣り合っていないとダメなのだ。

そして、なにしろ布の幅が綜絖枠ギリギリなので、
ワイヤーヘルドが左右に余るととても邪魔になる。
ぴったり427本ずつ4枚の綜絖枠に入っていなければならない。

というわけで、ひたすらひたすらワイヤーヘルドを数えること、数えること。
まあ、考えたら整経するときも、ミスがこわくて
しょっちゅうしょっちゅう経糸を数えてばかりだったし、
数えることは、慣れているんだよなぁ。

ワイヤーヘルドを1本ずつ、ちゃんと通す。
ワイヤーヘルドは針金をねじって作ってあるので、孔に向きがある。
左右に引っくり返しても向きは変わらないけれど、
上下逆さにすると向きは変わってしまう。
みんな向きが揃うように、ちゃんとチェックした。
また、2本いっぺんに入れたりしてしまうと、上下で順序が入れ替わったりして
ワイヤーヘルドがすんなり動かなくなるので、
それを防ぐためにも、1本ずつちゃんとチェックしつつ入れた。

あー、めんどー。  でも、急がば回れ、なんだ。

それから、あとで使うときにも困らないように、綜絖枠の右上に鉛筆で、
何本ワイヤーヘルドが入っているか書いておく。
今回使わない残りの4枚の綜絖も、ちゃんとワイヤーヘルドをチェックし、本数を揃え、
本数を書いておく。
こういうことが、大事なんだよ。 特に、つぎ使うときに。


ワイヤーヘルドを通して綜絖枠にとめる金属の板の棒は、ロット棒という。
ロット棒が抜けないように、こんな風に止まっている。


ちなみにろくろはこんな感じ。 2段です。


綜絖は、あとはタイアップすればいいだけだ。 つまり、踏み木に縛りつけるだけ。
経糸は、綜絖に通し、次に筬に通し、千巻きにくっつければ織り始められる。

そろそろマジで間に合わなくなりそうだし、
綜絖通しとかムカデとか、なんとなくアップしたことがあるので、
そこらへんの話は省略させていただきます。

ああっ!?  緯糸 (よこいと) を木枠に巻かなくてはいけないっ!!
(糸繰り、苦手です…。)



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学園手機

2009-01-14 16:02:07 | 機 (はた)

ここんところリネンや手紡ぎ綿で織り続けていたマフラーは、こんな機で織った。
幅63cm、奥行き84cmの小さい機です。
自由学園の機です。 学園手機 (がくえんてばた) という名のだが、今はもう取り扱っていない。
以前この話題を取り上げたときにはまだリンクできたのだが、もう切れている、
くらい古いもの。
20年位前に、友人のお母様から頂いた。
そのときですら、いにしえの香りがあったのだから、一体どのくらい古いのだろう!?

自由学園はもともと工芸ともつながりが強く、
自由学園工芸研究所というところで 「学園手機」 が開発されたそうだ。
何十年も経っているのに、先日問い合わせたら取り置きの部品を送ってくれた。 さすが。


しぶしぶのパンフレットがこれ。
服地も織れる、ようなことまで書いてあるのだが、実はこの機には欠陥があった!?
(それで、機を頂いてから今までほとんど使っていなかった。)

これは片開口の機で、踏み木を踏むと綜絖 (そうこう) が下がるようになっているので、
踏み木を踏まないときは、経糸 (たていと) は少し持ち上げられている。
しかし、持ち上げられている距離が高すぎるのだ。
それで、踏み木を踏むとゆるむ経糸とそうでない経糸ができてしまった。
(経糸に沢山伸びてもらって、開口の幅を大きくすれば、大丈夫かもしれないけれど、
 あまり糸に負担をかけたくないんだよなぁ。)
太目の毛糸でマフラーを織るくらいならできるが、はっきり言って、服地はダメでしょう!?

ということで、夫に機を改造してもらった。


↑後から見た写真。
間先 (けんさき) の棒の位置を上げてもらった。
あんまり分かりやすい写真じゃないなぁ。
白いビニールパイプを取り付けた木の部品を (右、真ん中) クランク (右下) で固定して、
もともとある鉄の棒 (黒っぽい) よりずっと上になるようにした。
新しい白いビニールパイプの間先の棒に、
同じような白いビニールパイプの綾棒 (あやぼう) が縛ってあるので、
分かりずらいかも。

これで使えるようになった。 夫よ、ありがとう!


それにしても、わたしってちゃんと機を買ったことがない。
シャツ地を織っている無骨な機は、
川島テキスタイルスクールにいたときにリユニオンという催しのときのバザーで
綴れの先生が出した、中古の綴れの機だし、
小型の↑この機は頂いたものだし、
2007年11月4日のおもちゃの機はヤフオクだし、
なんだかなぁ、ちゃんとしたいい機、ってものにあこがれてしまいますよ。



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機 (はた) を買った!?

2007-11-04 12:01:22 | 機 (はた)

ヤフオクを見ていたら、子供用の卓上機 (はた) が安く出ていたので、ついむらむらと落札してしまった。
結局、送料を含めて、2,000円強の出費。

これはアメリカ製だが、
色々調べたら国産 (中国産?) のプラスチック製のおもちゃの機も色々出ているらしい。
今まで全然興味がなかったので、知らなかった!

先日桐生に出掛けたとき、機織り体験ができるブースがあって、
子供たちがすごく興味を持って、楽しそうにコースターを織っていた。
わたしがまなじりを決して織っている姿はよく見ているけれど、
そういえば、機を触らせたことはなかったなぁ。
それならば子供用に、と機を手に入れたわけだ。
説明書は付いていなかったが、まあだいじょうぶでしょう。

さっそく手持ちの毛糸をごぞごぞ探す。
わたしって、物持ちがいい…。
ああ、これは約30年前、おばさんが編んでくれたカーディガンの残り、
ああ、これは約20年前、結婚する前の夫に編んであげたカーディガンの残り、
ああ、これは約10年前、初めてフリースを染めて紡いでマフラーを織った残り、
と、思い出が一緒によみがえるので、困る。

ちょうど整経台 (せいけいだい) が空いたところなので、さっさと整経をする。
機にかけようと思うが、綾棒 (あやぼう) やら綜絖通し (そうこうとおし) やら、手持ちの道具が色々と役に立つ。
やっぱり、まったくの初心者じゃちょっと辛いかもしれないなぁ。

経糸 (たていと) を、千切り (ちきり) や男巻き (おまき) 固定する方法に、驚いてしまった。
なんと、棒にマジックテープがくっついているのだ。
そこに経糸の毛糸をぺたぺた貼り付ければ、もう固定されてしまうという簡便さにびっくり。
これじゃ、ぜったいに機草 (はたくさ) 巻き込まないと、一周した次の糸がくっついてしまうな。

とりあえず、筬 (おさ) /綜絖 (そうこう)一体型 のものの幅の半分だけ、経糸を通したが、
端にしてしまって、傾くのが困る。
宙に浮いていて、糸にテンションがかかるのも困るし。
それで仕方がないので、下に台を入れた。

簡単な機でも、ちゃんと織れるんだ!!!
子供たちも熱中、わたしも思わず熱中している。




10月31日の朝もや。
今年の紅葉はきれいなようだ。


コメント (2)
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