コロナ感染5週連続増
厚生労働省は1月4日、全国約5000の定点医療機関から昨年12月18日から
24日に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数は計22,529人で、
1医療機関当たり、4.57人だったと発表した。
前週比1.10倍で、5週連続で増えた。
都道府県別で1医療機関当たりの感染者が多かったのは
北海道10.69人、
山梨9.73人、
長野8.55人。
少なかったのは
沖縄2.04人、
長崎2.77人、
島根2.84人など。
全国約500の医療機関に報告された新規入院患者数は1597人で、
前週比1.08倍だった。
インフルエンザ患者数減少も再増加の懸念
全国の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は、12月24日までの
1週間で1医療機関当たり23.13人となり、減少傾向が続いている。
専門家は年末年始に人の移動が活発になったことで、再び増加に転じる
可能性があるとして注意を呼び掛けている。
また、能登半島地震で大きな揺れを観測した各県では、インフルエンザの
患者が多く報告されている地域があり、専門家は避難所での感染症対策に
注意してほしいと呼びかけている。
1医療機関当たり23.13人前週から減少
厚生労働省のまとめによると、12月24日までの1週間に全国およそ
5000カ所の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は
11万4126人で、1医療機関当たりでは前週から6.81人に少ない
23.13人となった。
データをもとに推計されるこの1週間の全国の患者数はおよそ
79万6000人となり、去年9月4日以降の今シーズンの累積の患者数は
およそ981万8000人と推計される。
6道県で警報レベル超ほか全都府県で注意報レベル超
都道府県別にみると、
宮崎県が44.43人
宮城県が39.05人
大分県が37.67人
北海道が36.66人
青森県が31.05人
山形県が30.51人
と、6つの道県で、「警報レベル」とされる30人を超えているほか、
愛知県が25.48人
東京都が18.08人、
大阪府が15.77人
などと、その他すべての都府県で「注意報レベル」の10人を超えている。
前週と比べると、沖縄県と青森県を除く45の都道府県で減少し、全国的に
減少傾向となっている。
ところが、感染症に詳しい東邦大学のA教授は、年末年始に帰省や旅行で
人の移動が活発になったことで、再び感染が広がる可能性があると指摘
している。
その上で「年末の時期に定点当たりの患者数が20人以上の高い水準に
なるのはこれまでなかった傾向だ。
例年ならばピークとなる1月下旬に向けて、どの程度増加するのか、
動向に注意する必要がある」と話している。
専門家「新型コロナとインフルエンザの同時流行のおそれも」
感染症に詳しい東邦大学のA教授は、「新型コロナウイルスの患者に
増加傾向が見られ、1月から2月にかけて、再度、増加するのでは
ないかと懸念されている。
新型コロナの再増加とインフルエンザのピークが重なる可能性もあり、
これからの数週間、どのように推移するのか、注意する必要がある」
と述べた。
さらに、「新型コロナでは、入院患者が12月の時点で4500人を超えて
いて、特に80歳以上の高齢者が2000人を超えている。
高齢者が感染すると重症化しやすいので、そうした人たちがこの流行の
波を乗り越えられるように注意して行くことが大事だ」と述べた。
被災4県は注意報レベル超え、警報レベル超えの地域も
能登半島地震で大きな揺れを観測した各県では、インフルエンザの患者が
多く報告されている地域があり、専門家は避難所での感染症対策に
注意してほしいと呼び掛けている。
石川県、福井県、富山県、それに新潟県で12月24日までの1週間に
報告されたインフルエンザの患者数を以下に示す。
石川県では、1医療機関当たりの患者数は県全体で22.69人。
保健所の管轄する地域ごとでは、
震度7を観測した志賀町、
震度6強を観測した七尾市、
震度6弱を観測した中能登町などを含む能登中部が30.5人、
石川中央が26人、
金沢市が25.71人、
南加賀が16.1人、
震度6強を観測した輪島市、珠州市、穴水町、震度6弱を観測した
能登町を含む能登北部が5.5人であった。
富山県では、1医療機関当たりの患者数は、県全体で28.13人。
保健所の管轄する地域ごとでは
栃波が34人、
富山市が31.94人、
高岡が25.69人、
中部が2.56人、
新川が19.86人であった。
福井県では、1医療機関当たりの患者数は、県全体で18.64人。
保健所の管轄する地域ごとでは
丹南が30.382人、
坂井が22人、
福井市が18.58人、
奥越が14.25人、
若狭が11人、
二州が、10.6人、
永平寺町を管轄する福井が4人であった。
新潟県では、1医療機関当たりの患者数は、県全体で25.74人。
保健所の管轄する地域ごとでは、
佐渡が61.33人、
柏崎が37.60人、
南魚沼が35.33、
村上が30人、
上越が27.25人。
震度6弱を観測した長岡市などを含む長岡が25.85人、
新発田24.71人、
十日町が23.67人、
新潟市が23.54人、
三条が21.5人、
糸魚川が20人、
魚沼が8.67人、
新津が8.33人であった。
4県とも県全体定点あたりの患者数は前週から減っていたが、
いずれも「注意報レベル」の10人を超えていて、地域ごとに
見ると、「警報レベル」の30人を超えている所も多くある。
専門家「まずは避難所へ、その上で感染対策を」
感染症に詳しい東邦大学のA教授は「避難所は人と人との距離が近く、
"密"な環境になり、換気も難しいが、地震や寒さから命を守るためにも、
まずは避難所に避難することが重要だ。
その上でマスクの着用、空気の流れを少しでも良くすること、
それに、可能な限り、人との距離をあけて過ごすといった、
できる範囲での感染対策をとってほしい」と呼びかけている。
そして鼻水や咳、喉の痛みといった症状が出た場合については、
「かかりつけの医療機関を受診できない人も多いと思うが、
避難所に医療従事者いれば、早めに相談をしてほしい。
また、医療支援も被災地に入り始めているので、こうした
チームの医師や看護師に相談することもできる」と話している。