コロナ感染者数、11週連続増
厚生労働省は7月26日、全国に
約5000ある定点医療機関に7月
15日から21日に報告された新型
コロナウイルスの新規感染者数は
計6万7334人で、1定点当たり
13.62人であったと発表した。
前週の約1.22倍で11週連続で
増加した。
昨年の同時期は1定点当たり
13.91人であった。
都道府県別の最多は、
佐賀県の31.08人。
次いで、
宮崎県の29.72人、
鹿児島県の27.38人、
と続く。
主要都市では、
東京都8.50人、
愛知県20.82人、
大阪府12.72人、
福岡県19.44人、
であった。
45都道府県で増加した。
7月21日までの1週間で定点
医療機関に報告された新規
入院患者数は3827人で、
前週から744人増加した。
この数字は、
「第9波」(23年夏)、
「第10波」(2023年~24年冬)
のピークを超えた。
また、集中治療室(ICU)に
入院した患者は167人で、
前週から54人増えた。
都道府県別では、
北海道5.34人、
青森県3.89人、
岩手県9.65人、
宮城県10.41人、
秋田県6.53人、
山形県6.16人、
福島県9.41人、
茨城県13.30人、
栃木県10.39人、
群馬県10.21人、
埼玉県12.44人、
千葉県14.87人、
東京都8.50人、
神奈川県10.21人、
新潟県9.60人、
富山県9.85人、
石川県11.65人、
福井県10.44人、
山梨県14.17人、
長野県12.38人、
岐阜県17.45人、
静岡県13.96人、
愛知県20.82人、
三重県13.49人、
滋賀県11.32人、
京都府13.56人、
大阪府12.72人、
兵庫県13.05人、
奈良県16.67人、
和歌山県15.65人、
鳥取県15.17人、
島根県10.82人、
岡山県11.74人、
広島県11.38人、
山口県15.63人、
徳島県16.81人、
香川県16.34人、
愛媛県17.84人、
高知県23.32人、
福岡県19.44人、
佐賀県31.08人、
長崎県23.13人、
熊本県27.13人、
大分県24.02人、
宮崎県29.72人、
鹿児島県27.38人、
沖縄県22.06人、
であった。
新型コロナ後遺症・KP.3も可能性あり
現在、流行の主流となって
いるのが、
「JN.1」系統の「KP.3」
というタイプである。
強い喉の痛みが出て、
発熱する、
のが特徴だという。
「JN.1」系統は、重症化
することが少ないとされ
ている。
だが、治癒後も後遺症に
苦しむ患者は少なくない。
ある例を紹介する。
埼玉県内の30歳代の女性は
今年2月早朝、目が覚めると、
咳・鼻水・倦怠感といった
症状と共に、39.4°の熱が
あった。
会社を休み、近くのクリニック
で検査を受けると、新型コロナ
に感染していることが分かった。
抗ウイルス薬などを服用し、熱
は3日ほどで下がった。
咳や鼻水もすぐに治まったが、
倦怠感は残った。
感染前は、夜に眠れないことは
なかったが、感染後は午前3時
~4時くらいになるまで寝付け
ない、という状態が続いている。
起きている時も頭がぼーっと
して、集中力の低下を感じた。
それでも「気のせい」と思い、
処方された風邪薬を服用する
などして自宅で静養した。
2ヶ月以上経って、受診先の
クリニックで、
「新型コロナの後遺症かも
しれない」
と指摘され、
「コロナ後遺症外来」
を開設している病院を紹介
された。
血液検査やエックス線検査
などを受けて、他の病気が
ないことが確認され、
「新型コロナ感染の後遺症」
と診断された。
女性は、
「マスクを着用し、手洗い、
消毒、うがい、換気を徹
底し、ワクチンを接種し
て来たが、今回、初めて
新型コロナに感染した。
あれだけ予防策を講じて
いたのに、どうして自分
がなってしまったのだろ
うか」
と激しく落ち込んだという。
「今後、もう一度感染したら
どうしよう」
という不安感が強い。
女性は、身体虚弱の治療に使わ
れる漢方薬を処方され、今も
飲み続けている。
最近、ようやく体がだるいと
感じることは少しずつ減って
きた。
女性は、
「会社の人たちは皆、心配し
てくれました。
現在は週3回の勤務にして
もらっていますが、4回、
5回と増やしていき、感染
前の生活を取り戻したい
です」
と話した。
コロナ・手足口病・溶連菌・「感染症ドミノ」拡大
ある例を紹介する。
東京都在住の男性が仕事を
終えて帰宅すると夜中に喉
が痛みだし、一気に熱が39°
台まで上昇した。
解熱剤を服用したので、熱は
下がったが、あまりの喉の痛
さに、水ですら、飲むことが
できなかった。
そんな重い症状の割に、咳や
鼻水が出ないので、不思議に
思っていたが、1日経って原因
が分かった。
手のひら、足、そして顔に発疹
が出ていたのである。
真っ先に手足口病を疑った。
内科を受診すると、
「手足口病で間違いない」
と診断された。
しかし、手足口病に特効薬は
ない。
苦し紛れの塗り薬だけ処方
され、
「とにかく休むように」
と指示された。
実は、この男性は5月にも
「咽頭炎」でダウンしている。
さらに、遡ると年始にも風邪
で発熱していたのである。
20年以上、仕事をしてきて、
上半期だけで3度も体調不良
に陥るのは初めてのことだ
そうだ。
男性は、
「疲れているのかな」
と思っていたが、どうやら、
そうでもないらしい。
今、このように次々と感染症
に罹る人が日本中で急増して
いる。
医療法人の理事長A氏によると、
「感染症に罹り、免疫が下がっ
たまま、別の感染症に罹患
する。
まるでドミノ倒しのように、
数ヶ月おきに感染症に罹る、
<感染症ドミノ>
が人々を襲い、医療業界でも
問題になっている。」
と話す。
子どもの場合は、さまざまな
感染症に罹ると免疫を獲得し、
強くなっていく。
しかし、高齢者は弱っていく
一方である。
A氏は、
「免疫力の低下による感染や
重症化のしやすさ、
という意味では、大人の方
が、むしろ危険と言える。
たとえ、感染症が治って体調
が戻っても、一度落ちた免疫
は回復するのに、最低2ヶ月は
かかる。
そして、その間に別の感染症に
罹ってしまう。
回復力が衰えていると、免疫が
元に戻るのに時間がかかって
しまい、ますます感染症に罹患
しやすくなってしまう。」
と続けた。
厚生労働省が毎週発表して
いる、
「感染症発生動向調査」
によれば、6月24日~30日
の1週間の間に、次のような
感染症と感染者数が報告され
ている。
コロナ・2万8600件、
手足口病・2万6544件、
感染性胃腸炎・1万2838件、
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎
・1万2021件、
ヘルパンギーナ・4949件、
RSウイルス・4263件。
コロナが3万件にも迫る勢い
で、このまま増え続けると、
緊急事態宣言時のような
感染状況にもなりかねない。
溶連菌は昨年に比べて2.4倍、
手足口病は対昨年で9倍もの
大幅な増加。
RSウィルスも例年同様に流行
している。
様々なウイルスが同時多発的に
大暴れしている状況である。
ではなぜ、こんなにも多様な
感染症が同時流行している
のか?
その理由の背景には、コロナ禍
の生活が影響していた、
と考えられる。
A氏は、
「コロナ禍で感染症対策が徹底
され、日本人全体の各種ウイ
ルスに対する免疫力が大幅に
低下し、免疫がない、
<免疫負債>
と呼ばれる状態になっている。
コロナ禍では、マスク着用が
当たり前で、手洗い・うがい
も徹底されていた。
大げさに言えば、宇宙船や
ビニールハウスのような
無菌状態の環境で約3年を
過ごしたことになる。
そのため、ウイルスが体内に
入るだけで被害が大きくなる
のである。」
と話す。
石川県、コロナ・溶連菌・感染性胃腸炎・手足口病・ヘルパンギーナ・流行性角結膜炎の現状
<コロナウイルス>
県全体11.65人、
金沢市9.06人、
南加賀7.60人、
石川中央10.91人、
能登中部29.83人、
能登北部7.50人、
<A群溶血性レンサ球菌咽頭炎>
県全体0.93人、
金沢市1.00人、
南加賀0.83人、
石川中央1.17人、
能登中部1.00人、
能登北部0.00人。
<感染性胃腸炎>
県全体3.52人、
金沢市4.09人、
南加賀3.50人、
石川中央4.83人、
能登中部1.75人、
能登北部0.00人。
<手足口病>
県全体9.00人、
金沢市10.45人、
南加賀2.50人、
石川中央14.67人、
能登中部9.00人、
能登北部3.50人。
<ヘルパンギーナ>
県全体1.66人、
金沢市0.73人、
南加賀4.33人、
石川中央1.50人、
能登中部0.75人、
能登北部1.00人。
<流行性角結膜炎>
県全体0.712人、
金沢市0.33人、
南加賀0.00人、
石川中央4.00人、
能登中部0.00人、
能登北部0.00人。
<コロナウイルス>
<感染性胃腸炎>
<流行性角結膜炎>
<ヘルパンギーナ>
<溶連菌>
<手足口病>