大11日目の16日(この日も好ゲームが多かった)。智弁和歌山高と日大三高の一戦。
序盤で大差をつけられた智弁和歌山高ですが、自慢の打線で1点差までに詰め寄る試合でした。
その智弁和歌山高を率いているのが甲子園最多勝監督の高嶋監督。名将と呼ばれています。
その所以は、単に勝利数が多いということもあるでしょうけど、勝負所での采配…伝令や選手交代、攻守交替時での指示…が勝利につながったことが多いと言われているところなのでしょう。
智弁和歌山高といえば、今年も圧倒的な攻撃力で勝ち上がって来ました。
ただ、高嶋監督が目指す野球は投手を中心とした守りの野球だそうです。
ですが、より早い回で先取点を取り精神的優位に試合を進めるために、いつも先攻を選ぶように指示しているとのことです。
強豪校といえば部員も100人近い大所帯を考えてしまいますが、智弁和歌山高では一学年約10人くらいしか部員を採らないようで、しかもほとんどが地元和歌山県出身の子です。そのくらいの人数の方が、監督の目が届きやすいということらしいです。
高嶋監督の逸話として、こんな話を聞いたことがあります。
「褒めて伸ばすより、怒鳴らないと土壇場で力は発揮できない」
ということらしいです。そうは言っても萎縮させるような声ではなく、優しい怒鳴り声だそうです。
また、選手達の部室のゴミ片付け。
「少しでも子供達を走らせたいから、私が片付けしてます」
こういう姿を見ているチームは強い。
白樺学園高との一戦を見ていても、「自分達が勝ちたい」という思いと共に「監督に勝たせたい」という思いが感じられるような気がしました。
高嶋監督の言動はこの選手たちの思いに繋がる行動だと考えられます。
思いを伝える行動。
言葉で上手く伝えられない思いは、行動で伝える。
「名将ここにあり」だと思いました。