「かめはめ波」とは気を溜めて両手から放たれるエネルギー波のことです。手の平にエネルギーを集め出ると信じる心を持って、「かーめーはーめー波ー!」などの掛け声で発動します。主な使い手は亀仙人、孫悟飯(孫悟空の養祖父)、孫悟空、ヤムチャ、クリリン、天津飯、孫悟飯などで、案外誰にでも出来てしまう技です。
ニュージーランドでは「かめはめ波」コンテストが開催されていて、世界中から集まった気の使い手が「声の大きさ」「フォーム」「波動の強さ」の三項目で競い合います。
さて、重力波とはアルベルト・アインシュタインさんの一般相対性理論において「質量をもった物体は、周囲の時空にゆがみを起こす。さらに、その物体が(軸対称ではない)運動をすると、この時空のゆがみが波のように広がって行く」との仮説を唱えています。これが重力波になります。この重力波はすべてを貫通し、減衰しないと考えられています。
現在、人類は電波、X線、赤外線、紫外線やガンマ線など、目に見えないが、空間的にも時間的にも変動するような場の運動を見つけ出しており、これらはすべて「波動現象」を利用した情報伝達による自然観察と言われています。
重力波も波動現象の一部と言えますが、今まで発見された「電磁波」の仲間とは異なり、重力波は「重力」を発生する起源である「質量」が運動することで発生します。
この「質量」というものは「時空」の構造という物理学の一大テーマを決定するために重要な要素です。このことが重力波を使った自然の観察が、電磁波の仲間を使った観測とは違って難しいものです。
地球上には様々な質量を持った物質が存在しているのですが、現代の科学ではそんな質量では重力波を観測するまで行き付いていません。そうなると重力波の発生源を宇宙の星に求めるしかありません。その代表的なものが、「中性子星同士の連星とその合体」や「超新星爆発」になります。
超新星爆発とは、星が一生を終えて爆発し、その質量の大部分を宇宙空間に一瞬にして解き放つ現象です。そして、中性子星とは、その一生を終え爆発した星のうち、飛ばされなかった太陽ほどの質量が半径10km程度にまで押しつぶされてしまった星のことです。
このような天体現象から発生する重力波を、直接検出することで証明することになります。
重力波が到来すると、二つの物体の間の距離が変化して見えるそうです。しかも、重力波による物体間距離の変化は、直交する二つの方向のうち、片方が伸びた時はもう片方が縮むという変化を繰り返すそうです。その伸縮量は物体間距離が離れていればいるほど大きくなる性質があるそうです。しかし、天体現象は私たちのいる銀河系とは違う他の銀河系で発生し、その重力波が地球に届いたときの信号の大きさは、地球と太陽間程度の距離を水素原子1個分動かす程度の小さなものだそうです。
それだけ難しいものですが、今回のLIGOチームは感度を向上させる改造を行い、検出に成功したものなのです。
アインシュタインさんの「100年前の宿題」がようやく出来上がりそうな感じです。
実はかめはめ波も一種の波動現象です。人の手から発せられる小さな重力波ですから、100年後には解明されるかも知れません。