で夏の甲子園の予選大会が始まりました。いち早く開幕した沖縄県に続いて、北海道、愛知県など、これから次々と開幕していきます。また、一方で、まだ開幕しておらず、組み合わせ抽選もまだという県もあります。
大会が始まれば、ほとんどに人が、どこが勝った、どこが負けたとか、誰が打った、誰が抑えたというプレーに目が向いてしまうことだと思います。
もちろん、球場には試合に出ている選手だけじゃありません。炎天下のスタンドで汗を流しながら、叫び続け、踊り続け、応援し続ける多くの、背番号のないユニフォームの高校球児たちがいます。
特に前の方でメガホンで叫びながら、応援する三年生。勇ましくも軽快に和太鼓をたたき続ける三年生。背番号のないユニフォームを着て、後輩たちよりも元気に、誇らしげに応援し続ける三年生の球児たち。
長野県大会でベンチ入りできる選手は20人。今年が「最後の夏」となる三年生は30人。ベンチ入りできない三年生がいるのは毎年のことです。思えば、2年前に入部した時に、この学年は30人いるということで、全員がベンチ入りできないと言うことは判っていたと思います。だからと言って、最初からあきらめるのではなく、最後の最後まで自分を信じ切って、やるべきことをやって来たと思います。
24日に抽選があり、その時点で登録メンバーを高野連に登録しています。ただし、この時点ではまだ発表はありません。翌25日に主力のAチームとBチームに分かれて練習試合に遠征しました。Aチームに入った三年生、Bチームに。おそらく、このときになんとなく感じていたと思います。
監督、部長、コーチら指導者にとっては、誰を入れ、誰を外すかというのは苦渋の選択だと思います。実力やポジションを考えれば、おのずと決まってくるでしょう。いくら実力が高くても、ピッチャーばかり10人もベンチ入りさせることは出来ません。でも、チームとして大きな目標を達成するためには、止むを得ずに割り切るしかないのです。
ベンチから外れた三年生だって、どれだけ頑張って来たかは、誰もが知っています。それだけにメンバー発表は辛いことだと思います。
同じユニフォームを持ちながらも、背番号をもらえなかった球児たちは、自分の思いをレギュラーにたくし、レギュラーよりも熱さを持って応援し続ける姿。自分のためではなく、仲間のために一心になれること。口では簡単に言えますが、実際はそんなことはないでしょう。
野球が嫌いになった日もあったと思います。それでも最後までやり通しました。
高校野球野球部員の合計は全国で約16万人。登録校は3989校(2017年度)。
単純計算で、約8万人の部員が背番号をもらえません。
背番号から漏れた部員たちは何を思い、どう夏の大会を迎えるのか。
ベンチ入りしたメンバーは、仲間の思いをどう受け止めたのか。
部員の親御さんたちの気持ちは…。
先日、大会前の練習試合がありました。
グラウンドから引き上げる選手たちの最後に、荷物を運ぶ一人の三年生の姿がありました。
中学の時にエース。でも、高校ではなかなかAチームには呼ばれず。それでも、来る日を信じて練習をしてきました。
ただ、この大事なときに右手の指を骨折。もう、自分で割り切れたのかも知れません。
笑顔でグラウンドを背にして歩いていく姿が印象的でした。
高校野球ではエースにはなれなくても、その頑張りが、今後の力となり、周りの人への力となり、これからの人生の中で、きっと誰かのエースになってくれるに違いありません。
そんな力が秘められていることを信じて、力強く、前向きに歩いていって欲しいと思います。
夏大開幕まで、あと3日。甲子園まで、あと6勝。
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まっくろくろすけ
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