春ですが、とんぼの話です。
とんぼは勝ち虫と呼ばれている縁起物です。
それは前にしか進まず退かないところから「不転退(退くに転ぜず、決して退却をしない)」の精神を表すものとして、戦国時代には兜や鎧、箙(えびら)刀の鍔(つば)などの武具、陣羽織や印籠の装飾に用いられたそうです。
とんぼを勝ち虫とする由来は雄略天皇(5世紀後半の古墳時代)が狩に出かけた際に詠んだ歌
「み吉野の 袁牟漏が嶽に 猪鹿伏すと 誰ぞ 大前に奏す
やすみしし 我が大君の 猪鹿待つと
呉座にいまし 白たへの 衣手着そなふ 手腓に 虻かきつき
その虻を 蜻蛉早咋ひ かくの如 名に負はむと そらみつ 倭の国を 蜻蛉島とふ」
「吉野の小牟婁(おむろ)の岳に、獣が隠れていると、俺の大前に申す者は誰だ。
そこで大王である俺様は狩に出かけ、獲物が現れるのを待とうと、呉座にお座りになっていた。
すると、白い袖で覆われた腕の筋肉に、虻が食いついた。
その虻を、蜻蛉がさっと来て食った。
こんなふうに、蜻蛉が自分の名を立てようと俺に奉仕してくれた、だから大和の国を蜻蛉(あきつ)島と言うのだ」
というものです。
また、とんぼは害虫を食べる昆虫。強い精神力、攻撃的なものの象徴でもあるそうです。
素早く飛び回り害虫を捕食し、前進するのみで後退しない攻撃的な姿からとも言われているそうです。
これが「とんぼ(蜻蛉)=勝虫」だと言われています。
とんぼのように前へ前へと進んで行きましょう!!
(松本のとんぼを校章にしている高校も同じ意味でしょうか?)