【小心翼々と 細かい心配りと ~ 希代の英傑は いかにしてなったのか の巻】
天下人・秀吉は、見かけは自信にあふれた大人物に見えても
その実は、小心翼々とした心遣い・心配りのヒトであった。
ある日、黒田如水に、こう語った。
「自分は足軽から始め、
一心に努めたら足軽頭に取り立てられた。
実にありがたいことと思い、さらに努めたら
また その上に取り立てられ
ついには姫路の一城を拝領するに至った。
一職をうれば一職、
一官を拝すれば一官、
いよいよ その職 その官が 心頭を離れず
ただひたすらに努めたばっかりで
ほかにはナンにもない」
そう、嘆息した。
如水は深く感激し
「これは、誠によい教えを承りました」
と述べたという。
◇
小心翼々というのは
「詩経」にみえ、聖人君主として有名な文王の徳について
周公が語った言葉である。
「小心」とは、すなわち細心と同様、注意深いこと。
「翼々」とは、落ち度のないよう慎重であること。
小心は、小胆や小志とは全く別モノであり
モノゴトを大切に取り扱い
少しも怠慢のないココロをいう。
細かいことが、実は肝要なのである。
唐の「孫思ばく」もまた
「胆は大ならんことを欲し、
心は小ならんこと欲す」
と断じている。
この区別を取り違えている現代人が増えている。
これをすなわち乱世。
後世の人々は、そう呼ぶのである。
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