囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

落書の歴史をたどれば

2021年01月27日 | 雑観の森/政治・経済・社会

 

2021年に起きていること

 百五十年以上前に起きていたこと

 「いちいちそんなケチをつけるものじゃないですよ」幹事長妄言の情けなさ の巻】

 

 

政府や国会とて

人間のやっていることである。

時には間違いもあろうし

国民の目に余ることもあろう。

それをどのように見て、

そのように感じるかは、

それを知り、声を上げ、それに答え

初めて民主政治といえるのである。

立派な党名をみても明らかである。

 


孔子さまはかく語りき。

「衆目のみるところ

十指のゆびさすところ

それ正しからざんや」

民の声こそ

最もよく政治を批判するものである、と。

 


国民の声なき声。

為政者への怒りと悲しみ。

それが落書であり、落首であった。

文学や絵画など芸術もそうであり

だが命がけだったのである。


いまはブログもツイッターも投書もあるが、

近隣大国などでは、いまだそれも許されない。

その不条理、その不公正、そのやるせなさ。

 

         ◇

 

むかしは、正式な意見発表の場も機関もなく

泣き寝入り状態の封建の民衆は

どのようにして憤懣をぶちまけたのであろうか。

それでは、こちらを――。

 

 

◆西南戦争

明治十年逆さに読めば

 どうせ年じゅう治まるめい

 


◆黒船来たる

毛唐人などと茶にして蒸気船

 たつた四はいで夜も寝られず

(蒸気船は、銘茶「上喜撰」にひっかけている)

 


◆井伊直弼、大老に就く

外交交易せぬが井伊

叡慮もちつとはたてるが井伊

水戸の隠居は殺すが井伊

越前やつぱり半知が井伊

太田の隠居はいかさま井伊

薩摩の家格は上げぬが井伊

諸色の直段は下るが井伊

金銀吹きかへさせぬが井伊

人気を和順にするが井伊

筋有やつは殺すが井伊

 


◆ないものづくし

町人だんだん食われない

武家は益々堪らない

金があっても借手がない

質屋もさっぱり動かない

寄席や観世物入りがない

遊女屋すべて客がない

何商売も買人がない

 

 

 

 

落書

それは落し文から起こった

筆者は名を伏せ

世間を風刺したり

嘲弄したり

辛辣な警句を発したり

わざと人目に付きやすい場所に落とした

 

起こりは極めて古く

文武天皇の御代に制定された

大宝律令にみえる

 

平安時代から落書は増え始め

平治物語に藤原秀郷が

平将門の首を獄門にかけたのを

 将門はこめかみよりぞ斬られける

 たはら藤太がはかりごとにて

 (藤太=秀郷のこと)

と詠んだのがあり

これが落首のはじまりといわれている

 

 

落書と落首 歴史学や民俗学の落書(らくしょ、おとしがき)は、政治風刺や批判、揶揄を目的にし、一般の人の目に触れる場に匿名掲示・配布される文書のこと。 特に詩歌形式の落書は「落首」と呼ばれた

 



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