囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

書を以って御する者

2021年01月28日 | 雑観の森/芸術・スポーツ

 
諺に曰く

書を以って御する者は

馬の情を尽くさず

古を以て今を制する者は

事の変に達せずと

 (戦国策・趙策)

 

 

 <現代語訳>

 書物によって馬の乗り方を学んでも

 馬の気持ちまでは分からないから

 自由自在に乗りこなすことはできない

 

 転じて

 何事も実際にやってみなくては

 微妙な点までは分からない

 

 

 

歳を取ってから始めた芸事は、何故 なかなか上達しないのか の巻】

 

 

碁勢弓力という言葉がある。

碁が上手なのは

一般的な知力とは別の特殊な能力があるからであり

また、弓の技術も

力の強弱とは関係がない

という意味である。

 

確かに定年後、第二の人生で

初めて碁を覚えたヒトは

一定の水準までは上達するが

やがてカベにぶち当たるものだ。

まして自己流の筋悪では

一定の力を持った打ち手を相手にしては

ほとんど通用することはない。

 

では、そのカベを打破するにはどうしたらよいのか。

これまで使ってきたアタマの使い方

理詰めの発想からは

いったん離れることしかない

のではあるまいか。

 

人生の先輩たちを、つぶさに観察していると、

勝ち負けにこだわり、自分より上位の者とは対局しないひと、

そんなことを気にせず、どんどん胸を借りてゆくひと、

おおまか二つに分けられる。

前者は多数、後者は少数である。

2年、3年たつと、どうなっているのかは、

言わずもがなであろう。

 

人生の荒波を生き抜いてきた知恵、

社会的成功をもたらした己の発想は、

いったんは、どこかに置いておき、

また未知の道をゆかねばならない。

経験やキャリアが役に立たない世界に分けゆくこと。

新たに一から学び、愉しみ、味わうこと、

それが日々を無駄、無為に過ごさない秘訣、

と思う今日このごろである。

 

 



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