【碁の相手としたくないアナタの場合 の巻】
「よき友三つあり」(吉田兼好「徒然草」)
は、絶対条件ではないものの、
この三つを備えていれば、
誰でもお近づきになりたい
と思うだろう。
では「友とするにわろきもの」はどうか
といえば
それは七つあるという。
一つは、身分が高く尊き人。
窮屈であるな、これは。
碁会でも、社会的に成功した人のなかには
鼻にかけた上から目線発言により
疎まれる例が少なくない。
あなたの部下ではありませんよ。
持ち込むな!
二つには、若い人。
話が合わない。
これは古代からそうと決まっている。
「今の若いもんは……」
特に強き者は。
三つには、病なく健康な人。
他人の苦しみが分からない。
わたしの同世代から上にそんな人はおられないはずだが。
四つには、酒を好む人。
兼好は下戸だったらしい。
わたしも外で飲むのは、とうにやめた。
トラブルのもとである。
飲みながら打てる碁会所もあるそうだが、
勝負事とアルコールの組み合わせは最悪。
五つには、猛々しい武士。
粗暴で情緒を解さない。
碁打ちには割合少ないが、
まれにアドレナリンが出ている方もいて
これまた閉口。
六つには、嘘をつく人。
ウソをつかないで一生を終える人はないから
そのウソの中身、程度、タイミングか。
正攻法じゃ勝てないからといって
なんか、ちょっとしたズルをする。
どこかにウソっぽさがある。
負けても、ちゃんと負けを認められない。
七つには、欲深き人。
勝とう勝とうは構いませんけれど、
余りにギラギラしていれば……。
勝っても負けても後味はよろしくない。
「運がよかった(から勝てた)」
プロの世界でも、この文言が無難のようで。
勝負事ゆえ何が起きても不思議はない。
出来る限り穏やかなるべし。
勝っても負けても
気持ちよく帰路につきたい。