まず、今日このスタジアムに集まってくれたサポーターの皆さん、そしてこのセレモニーを企画してくれた会社のスタッフの皆さん、今日僕をこの場に立たせてくれたチームのスタッフと監督、そして認めてくれたチームメートにまず感謝したいと思います。ありがとうございます。
変わる素晴らしさ、変わらない美しさ
このスタジアムには、この二つがあると思います。
必死で生き残るための戦いがあって、それを見守ってくれる優しさがあるから、僕にとっての9年間は、これに気付かされる時間でした。
「何も恐れず 胸を張り戦え OH SAPPORO OH SAPPORO」
このサポーターのこの声、この歌が、とても弱くて、とても下手だった僕にどれほど勇気を与えてくれたか分かりません。そのお陰で、強がってでも前を向きながらサッカーをすることができました。
手術後しばらくして、子供とかけっこをすることもできなくなって、夢を見ても、夢の中ででもうまく走れなくなる自分を見て、今日の日のことを考えるようになりました。
心と体が本当に一つなんだなあ、と思いました。
体はいつでも使える道具だと思っていた自分が恥ずかしくもなりました。だから何度も何度も謝って、今日のこの引退の決断を、僕自身の全部でしました。
そうして今ここにいますが、自分が思っていた以上に淋しくて、思っていた以上に悲しいです。
でも、こうやって、僕の終わり際をこんなにたくさんの皆さんに見届けてもらうというのは幸せなのかもしれません。
そして、この切ない余韻が、これからの僕の人生に、いい色をつけてくれるんだと信じています。
サッカー選手が、僕にとってこんなに素晴らしかったから、僕らのチーム、僕らのサポーター、ありがとうございました。
活躍し切れなくてすいません。
僕の家族、僕の友達、そして僕のサポーター、本当にありがとうございました。
お陰で素敵な思い出がたくさんできました。
僕は絶対に忘れません。
最後に、今日は僕の大事な、大事な息子の誕生日なんです。
だから、この日を、去年までと同じように、楽しくて、幸せな日として記憶したいと思います。
9年間本当に楽しかったです。ありがとうございました。
そして、これからもコンサドーレ札幌をよろしくお願いします。
