koshiのお部屋2

万年三歳児koshiの駄文のコーナーです。

天地人-第29話「天下統一」

2009年07月19日 22時34分39秒 | 天地人

いよいよ小田原の役でございます。
これによって天下統一成る,という重大な一戦ですが,小田原城包囲戦自体は,殆ど戦闘らしい戦闘もなく(太田氏房が蒲生勢に夜襲をかけたらしいですが),秀吉の物量作戦という横綱相撲によって簡単に北条が押し切られたといった感があります。
北条氏政が言っていましたが,確かに武田信玄,上杉謙信という名将をもってしても落ちなかった小田原城だけに,寄せ手を防ぐことに関しては絶大な自信を持っていたと思われますし,大軍を擁しての攻城戦だけに兵站が伸びて兵糧の輸送が困難になることは十分に考えられたと思います。
また,秀吉による上洛の誘いをのらりくらり躱しつつ,山中城や韮山城,八王子城といった一種の出城の整備や領国への徴兵等,十分な準備期間もあったと思われます。
そこを逆手にとって,秀吉は20万石もの米穀を徴発し,さらに九鬼嘉隆を将とする水軍部隊によって兵糧の海上輸送をするという前代未聞の輸送作戦を展開。
それによって小田原城が落ちたと言っても過言ではないでしょう。
そのあたりにもっと詳しく触れ,丁寧に作ってほしかったと思います。
石垣山の一夜城によって,北条が戦意を喪失したのは事実でしょうが,それのみが原因という訳でもないでしょう・・・。


また,兼続による誘降に悪態をついていた政宗が遂に秀吉に謁見。
白装束は事実でしょうが,鞘ぐるみの太刀で首をぽんぽんは,演出過剰ではないでしょうか。
だったら,政宗に石垣山城から小田原城を俯瞰させ,背を向けていつでも討てるぞ,という姿を晒して政宗に無駄を悟らせたという故事に基づくエピソードの方が有効と思われます。
また,家康とともに小田原城に向けて立ち小便するエピソードも有った方がよかったと思います。


また,松方家康がオグジュン三成に,攻城戦が下手と嫌みを言っておりましたが,忍城水攻め失敗のことを言ったと思われます。
そこも詳しく語られないと何のことか分からないでしょう・・・。
だいたい家康が,三成に挑発するような嫌みを言うでしょうか。
そもそも大人の風をもっていたと思いますし,三成を簡単に詰るような小者の訳ありません・・・。


でもって,兼続です。
北国勢は,前田利家と真田昌幸と上杉と言っていましたが,これに越前の丹羽長重と信濃の依田康国が加わって三万五千という大軍となります。
しかも上州松井田城攻防戦が緒戦の筈もなく,大道寺政繁(ささきいさおを初めてドラマで見ました)は,確か上信国境の碓氷峠で迎撃に失敗した筈です。
その後で籠城戦となるのですが,相変わらず戦闘シーンも無く,あっという間に小田原城まで落ちてしまいました。
また,前田・真田・上杉の三将の他に何故兼続だけが居るのか解せません。
三将の他に丹羽と依田が居るはずですし,家老・軍師クラスを付けるとしたら,各家の家老クラスが居なくてはなりません(真田だと矢沢頼綱とか・・・)。
さらに,八王子城攻防戦は一万五千の北国勢に対して,北条軍は女子ども・領民を含む一千余と全く歯が立たず,半ば見せしめ状態で壊滅させられたことも,正義だの義だの愛だのを標榜する本作の上杉軍と矛盾していることも加えておきましょう。
で,やってきた松田独眼竜・・・(絶句)。
をいをい,奥州街道はずっと東だっての。
政宗が小田原にやってきたのは当然兼続のはたらきでも何でもなく,間に入っていたのは前田利家と浅野長政だったのではなかったでしょうか・・・。
また,せっかく独眼竜を出すのだったら,利休が来ているのを知った政宗が,この世の終わりに一服と秀吉に申し出で,その風流心に免じて許されたエピソード(勿論政宗の計算ずくでしょう)が有っても良かったのでは・・・。
来週利休出てくるようですし・・・。


「天地人紀行」は,遂に我が町です。
世に多い上杉贔屓の方々から,きっと我が藩祖公は評判悪いんでしょうね・・・。
特に今回の松田政宗は,現時点で悪逆非道に描かれていますし・・・。
にしても,この「○○紀行」ですが,最初に行ったのは「太平記」だったでしょうか・・・。
記憶にある方に教えていただきたいものです・・・。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿